2012年01月14日  舞台劇『ブリッジ』

せいさーーーーん

舞台劇「BRIDGE」、公演22日目。
追加公演、4日目。

追加公演は明日も行われるけど、
俺の出番は今日が最後だ。


ほぼ満席の観客を前に、俺は、

 いつもと同じように、全力で準備し、
 いつもと同じように、全力で演じた。


そして、公演終了後にロビーで募金を集め、
最終の合計金額をはじき出した。



■募金総額:$1628.42


おおおお!!
前回の、別の劇場での公演の合計金額を上回ったぞ!!


・・・これは、募金をしてくれた方々はもちろん、
プロデューサーのデビッドが、募金を多く集めるために
「特別待遇」をしてくれたおかげだ。


・・・皆さん、本当にありがとうございました!!

・・・そしてデビッド、ありがとう!!!!



よし!!さっそく皆さんから「預かったお金」を
「福島県災害対策本部」に送ろう!



・・・これで、完了! 全て、完了っ!!


あああああああ、終わった!!!!全部終わった!!!
6ヶ月間演じ続けてきた「BRIDGE」が終わった!!

うぉおおおおおおお!!!!


・・・とりあえず今日は、美味いもん食って、寝ます!
おやすみなさい!!


■今日の募金額:$55.00
 +ユタカによる募金(12月8日):$3
 +募金のクーポンコードの使用回数:$7×12=$84
■募金総額:$1628.42 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:53 | コメント (3)

2012年01月13日  舞台劇『ブリッジ』

時計塔内

舞台劇「BRIDGE」、公演21日目。

追加公演3日目。

今日はこれまで主人公の代役を務めてきた
「レズリー」との、最後の公演だ。


 「有終の美を飾るに相応しい、
  最高のパフォーマンスにしようぜ!」


俺もレズリーも、気合十分だ!


・・・しかし、

どうやら俺達の気合が、ちょっと空回りしてしまったようで、
今日の立ち上がりは、少しぎこちない感じになった。

でも、シーンを最初からやり直すワケにはいかないので、
俺達は流れに身を任せながら、少しずつ歯車を噛み合わせ、
最後はしっかりとストーリーをまとめ上げ、シーンを終えた。


レズリー、本当にありがとう!!


・・・さあ、いよいよ明日で最後だ。
悔いが残らないよう、全身全霊を掛けて挑もう。

あと1回!!明日でラスト!!


■今日の募金額:$36.03
■募金総額:$1486.42 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:42

2012年01月07日  舞台劇『ブリッジ』

かぞえさげ

舞台劇「BRIDGE」、公演20日目。

追加公演2日目。


今日は、本キャストの「スタン」との公演だ。

一緒にシーンを演じ終えて舞台裏に下がると、
スタンがポツリと呟いた。

 「・・・荒かったな。」

 「・・・うん。」

この一言が、今日のシーンを象徴していた。

公演からしばらく遠ざかっていたからか、
今日は、スタンがセリフを間違え、
それを俺がその場でカバーする、という場面が何度かあった。

・・・もちろん、観ていた観客には絶対にバレていないハズだ。

でもスタン自身は、自分が間違えた事を知っているので、
それで悔いが残っているのだろう。


・・・ところが!

ロビーに出てきたスタンを待っていたのは、大絶賛の嵐。
一瞬困ったような顔をしたスタンと、目が合った。


さあああああ、残すところ、あと2回!!
来週の金曜日、土曜日で、「BRIDGE」は終わり!!

よーーーーし、がんばるぞーー!!!


■今日の募金額:$63.00
■募金総額:$1450.39 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:24

2012年01月06日  舞台劇『ブリッジ』

はねばし

舞台劇「BRIDGE」、公演19日目。
追加公演初日。


今日の俺の相手役は、
主人公の代役を務めている「レズリー」だ。

レズリーとシーンを演ずるのも、
今日と、来週の金曜日で・・・終わりか。


よろしく!!レズリー!!


 そして、今日もまた、幕が上がった。


・・・前回の公演からしばらく日数が空いたけど、
俺達二人のシーンは、今日もしっかりとした出来になった。


今日の観客数は、約17人。

なんと8割以上が、俺の知り合いだ!

ロサンゼルスの日系のフリーペーパーに
俺のインタビュー記事がデカデカと掲載されているので、
それを読んで、わざわざ観に来てくれた方々もいた。


・・・どうも、ありがとうございました!


さあ、あと3回!!あと3回!!

1回たりとも手を抜かず、
残りの3公演、全て全力投球で乗り切ろう!!


■今日の募金額:$78.10
■募金総額:$1387.39 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:51

2011年12月18日  舞台劇『ブリッジ』

傷だらけの足

舞台劇「BRIDGE」、公演18日目。


今日は通常公演の最終日だ。

別の劇場でやった前回の公演を合わせると、
今日でなんと30回目の公演だ。


・・・俺この舞台、もう30回もやってんのか!!

半年近くやってるからなぁ・・・。


主人公の「スタン」は、まだ体調が優れないらしく、
今日の公演も、昨日に引き続き「レズリー」が主人公を演ずる事となった。


よーし、レズリー!今日も頑張ろう!!!

そして・・・、今日も幕が開いた!


今日の観客数は、約40人。
なんと、7割近くが俺の知り合いだった。

震災募金も、俺の友人が自分達で集めた募金を、
全額俺に託したので、凄まじい合計金額になった。


みんな・・・、本当にありがとう!!
1セント残さず、届けます!


++++


・・・全てが終わった後で、着替えてロビーに出てくると、
「ヤク中女」役を演じている「ジョジー」と、
監督の「ケリー」とが、言い争いをしているのに出くわした。


ジョジ「・・・だって、私の事だけ悪く書いてるから!!」

ケリー「いいのよ、少しくらい悪く書かれても!気にしないの!」


ジョジーは、かなり思いつめている感じだ。


おそらく・・・、「アレ」の事を話しているんだろう。


・・・昨日ちょっと書いた、「ベタ褒めの批評」の事だ。


例の批評は、ほぼ99%、劇を褒めていたんだけど、
たった一つだけ、不満点が書かれてあった。

その部分を、てきとーに翻訳すると、大体こんな感じだ。


 「ジョジーの演技力不足が、ところどころ垣間見えたが、
  それは感動を妨げる程度のものでは無かった。」


・・・これを読んで、ジョジーは傷ついてしまったんだ。


まあ、その気持ち、俺はよーーーーく分かる!!

自分の演技を初めて批評家に批判された時の、
エグるような胸の痛みを、俺は知っている!!

・・・そこで、ジョジーを落ち着かせるため、俺は話し始めた。


 「正直に言ってジョジー、君は落ち込むべきじゃない。

  むしろ、胸を張るべきだ。


  これは、君にとっての初仕事で、
  批評を貰うのも初めてだから、
  どうしても自分を批判している部分だけが
  目立って見えてしまうかもしれない。


  でも、もう一度、よーーく読んでみてごらん。


  ・・・例の批評家は、君の演技を、

  『リアル』で、『上手く演じて』いて、
  『感動的』で、『同情できる』・・・と、評価しているんだよ。

  つまり、5段階評価で言ったら、「4.5」は貰えてるワケだ!


  「4.5」って、悪くないよ?


  例えば俺がアメリカで一番最初に貰った批評は、
  『この最低な映画で一番最低だったのは松崎悠希』だから、
  5段階評価で言ったら、・・・「-5」だ。


  でも君は、「4.5」を貰ってるんだよ!


  いいかい? 俺達俳優は、初めはみんな素人なんだ。
  最初から「5」は貰えないんだ。
  「2」や「3」ぐらいからスタートするのが普通なんだ。

  ・・・それなのに、君は初仕事で、既に「4.5」を貰えてるんだよ!


  これは凄い事なんだよ!胸を張っていい事なんだよ!」


俺の話を聞いて、ジョジーはようやく落ち着いた。


ジョジ「・・・ありがとう。

    確かに、そう考えると、なんか悪くない気がしてきた。

    ・・・本当にありがとう。」


・・・批判を受けるのは辛い。誰だって辛い。
でも、俳優をやる上では、絶対に避けて通れない。

誰からも100%絶賛される俳優なんて、存在しないんだ。


・・・さあ、通常公演は終わりだ。
あとは、追加公演だけだ!!

とりあえず、一週間は休めるので、
しっかりと休んで、追加公演に備えよう。


■今日の募金額:$413.75
■募金総額:$1309.29 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 22:29 | コメント (1)

2011年12月17日  舞台劇『ブリッジ』

筋肉マン

舞台劇「BRIDGE」、公演17日目。


今日の出だしは、絶好調だった。

というのも「LA Theatre Review」というサイトの批評家が、
「BRIDGE」をベタ褒めした批評を掲載したんだ。


・・・はぁーー!こりゃぁ・・・凄い!
最初から最後まで、手放しの大賞賛じゃないか!


批評はさっそく印刷されて、劇場の掲示板にデカデカと掲載された。



・・・とまあ、ここまでは全てが順調だった。


開演45分前、事態は思わぬ展開を見せる。


主人公「スタン」の代役を務めている「レズリー」が、
心配そうな顔をして、舞台裏に入って来たんだ。


レズリ「ユウキ、・・・スタンが病気らしい。
    代わりに、今日は俺が出る事になった。」

ユウキ「ええ?病気って、何の病気?
    昨日の夜は、元気だったように見えたけど。」

レズリ「俺も何の病気かは聞いてない。
    さしあたり、風邪か食中毒あたりじゃないか?」

ユウキ「そっか。・・・それはちょっと心配だね。
    ・・・オッケー分かった。今日はよろしく、レズリー!」


レズリーと舞台にあがるのは、実に3週間ぶりだ。
この3週間、俺達は一度たりともシーンを通して無い。

さぁて、どうなる事やら・・・


 (公演中)


シーンが終わって、舞台裏に引っ込むや否や、
レズリーと俺は、ガッチリと握手を交わした。

お互いに、「3週間前のシーン」をはるかに超えた、
「すんばらしいシーン」を演じた事が、よーく分かっていたんだ。


ありがとう! ありがとうレズリー!!


・・・さあ、明日は「とりあえず千秋楽」だ。

スタン・・・大丈夫かな。


■今日の募金額:$49.00
■募金総額:$895.54 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:56

2011年12月16日  舞台劇『ブリッジ』

笑い袋

舞台劇「BRIDGE」、公演16日目。

あと3回で完全に終わり!・・・と思ってたら、
早速、追加公演が決まったそうだ。

1月6日(金)、7日(土)、13日(金)、14日(土)の4回だ。


ひーっ!俺もー、いい加減に疲れたよ!!


・・・でもまあ、より多くの募金が集まるから、いっか。


追加公演自体は、俺が出演する4回以外に、
5日(木)、8日(日)、12日(木)、15日(日)もあるんだけど、
これらの4回は、これまで代役として頑張ってくれた
キャストのための追加公演なので、俺は出演せず、
古くからの俳優仲間である「ユタカ」が出演する予定だ。

・・・ちなみに、追加公演の公表は、
「舞台を観る最後のチャンスです!」と宣伝して、
明日(土曜)と、明後日(日曜)の客足を伸ばすため、
日曜日の公演の後に行って下さい・・・、だそーな。


 ・・・ン?


今日の観客数は・・・約20人。
約半数が、俺の知り合いだ。

・・・おーーい、プロデューサーさーーん!
ちゃんと宣伝して下さーーい!

ダメだ。もう今更、期待するだけ無駄だ。
俺は俺で頑張ろう。


わざわざ遠くから舞台を観に来てくれた友達が、
お土産に、なんと「きびだんご」をくれた。

 ありがとう!!お供になります!


よーし!日本一の「きびだんご」食って、明日も頑張ろう!!


■今日の募金額:$124.00
■募金総額:$846.54 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:05 | コメント (1)

2011年12月11日  舞台劇『ブリッジ』

箱の外

舞台劇「BRIDGE」公演15日目。

先日受けたUTBのインタビュー映像がテレビ放映されたので、
観客、増えるかしら・・・?



今日の観客席はなんと・・・、ほぼ満席!!

うおーっ、テレビの力ってすげえ!


もうあと3回しかないけど、常に全身全霊を込めて、
一切手を抜かずに全力でやり抜こう。

・・・よし、頑張ろう!!


■今日の募金額:$50.03
■募金総額:$722.54 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:01 | コメント (1)

2011年12月10日  舞台劇『ブリッジ』

辻斬り

舞台劇「BRIDGE」公演14日目。

開演5分前、プロデューサーのデビッドが舞台裏に
早足で入って来て、キャストを目の前に言い放った。


 「NAACP賞の審査員がまだ到着していないので、
  開演を5分遅らせます!」


・・・ちょちょちょちょ、ちょっと!!

主演のスタンが、緊張するから、審査員が来ても教えるな、と
あれほど念を押してたのに!!

デビッドがあまりにも悪びれなく宣言したものだから、
スタンはもう、苦笑するしかない。


 「そんな事、別に俺らは知らんでもいいだろうに・・・。」


・・・あーあ。監督のケリーも、プロデューサーのデビッドも、
俳優の心情のケアが、ホントに適当なんだから・・・。


今日の観客は30人前後で、約3分の1が俺の知り合いだった。

来てくれて、ありがとう!!!!


さあ、残すところあと4回!!!!
明日は昼公演だ!行くぞおおおお!!!


■今日の募金額:$66.00
■募金総額:$672.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:31

2011年12月09日  舞台劇『ブリッジ』

常にサキを見て

舞台劇「BRIDGE」公演13日目。

今日は、監督のケリーに落ち着きが全く無い。
さっきから、用も無いのに舞台裏をウロチョロしている。

また何か隠し事をしている予感・・・。
・・・ケリー、嘘つくの下手だから。


案の定、俺のシーンが終わると、
ケリーが俺に耳打ちしてきた。


 「・・・今日は、NAACP賞の審査員が来てたのっ!

  ユウキ凄く良かったから、
  もしかしたらノミネートされるかもよ!!

  あっ!・・・でも、来てる事は、スタン(主役)にはナイショよ!
  たとえ審査員が来てても、知りたくない・・・って
  きつーく、念を押されてるから。」


なるほど。だからソワソワしてたのか。

「NAACP」とは、「National Association for the
Advancement of Colored People」の略なので、
「全米有色人種地位向上協会」の事だ。

・・・へえー!そんな賞があるのか!

有名な賞らしいけど、団体名に思い切り「有色人種」って
入ってるから、なんか、びっくりだな。


今日の観客は20人前後。
そのうちの半分以上が、俺の知り合いだ。

・・・おーーい、プロデューサーさーん!
アナタ・・・、宣伝活動、まっっったくしてないでしょ!!

俺は昨日も、舞台の宣伝のためにインタビュー受けたのに・・・。


・・・もういいや!俺は1セントでも多く募金を集めたいから、
こうなったら、客席全部、俺の知り合いで埋めてやるっ!!


さあ、残り5公演!全力で行こう!


■今日の募金額:$110.00
■募金総額:$606.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:59 | コメント (4)

2011年12月04日  舞台劇『ブリッジ』

手の温もり

舞台劇「BRIDGE」公演12日目、昼公演。

今日は監督の「ケリー」が、開演直前に
邪魔しに来なかったので、みんな一安心。

それぞれ自分の役に集中しつつ、幕が開くのを待った。


 そして・・・幕が開いた。


今日の「スタン」と俺とのシーンは、
昨日とは打って変わって、しっかりとした出来になった。

シーンが終わって舞台裏に引っ込むや否や、
スタンが俺に言った。


 「昨日に比べたら、雲泥の差だった!
  ・・・いや、かなりいい感じだったと思うよ!」


うん。俺もそう思った!


本当にたくさんの方々が募金してくれたおかげで、
今日も、かなりの額の募金が集まった。

 みなさん、本当にありがとうございました!


残すところ、いよいよあと2週間。6回のみ!
さー、気合入れるぞーー!!


■今日の募金額:$115.00
■募金総額:$496.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:42 | コメント (1)

2011年12月03日  舞台劇『ブリッジ』

てんかぶつ

舞台劇「BRIDGE」公演11日目

公演30分前、監督の「ケリー」が舞台裏にやってきて、
俳優に「ダメ出し」を始めた。


 「・・・今は、このタイミングで、こうやってるけど、
  そこを、今日はこういう風に変えて。」


ちょちょ、ちょっと・・・、ケリーさん、俳優の準備の邪魔になってますよ!
みんな、それぞれの役に集中しなきゃいけないのに・・・。


・・・それから、今日も舞台の幕が開いた。


今日の主人公の「スタン」は、明らかに様子がおかしかった。

一緒にシーンを演じている間、
まるで助けを請うかのように、必死に俺の方を凝視しているのだ。

・・・この目は、明らかに役になりきっている目ではない。


シーンが終わって裏舞台に引っ込むと、すぐにスタンが謝って来た。


 「ごめん。本当にごめん!
  ユウキを使って、一生懸命、
  役に戻ろうとしたんだけど、駄目だった!

  開演直前に、ケリーがダメ出しをしたせいで、
  頭の中が、それで一杯になってしまって、
  自分の役が抜けてしまったんだ。

  ・・・なんで、よりにもよって、開演直前にあんな事するんだ!

  俳優が演技する環境を整えるのも
  監督の仕事のハズだろうに!!」
  

・・・スタンの言う通りだ。
ケリーは、もうちょっと俳優の事を考えて行動しなきゃ。


閉幕後、「共同通信社」の取材を英語で受けた。

今回の作品に出演する事になった経緯や、
俺がハリウッドで何をしようとしているのか、
などについて詳しくお話しした。


・・・さあ、明日は昼公演だ。
しっかり寝て、万全の体制で臨もう!!


■今日の募金額:$38.00
■募金総額:$381.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:14

2011年12月02日  舞台劇『ブリッジ』

箱の上

舞台劇「BRIDGE」の公演10日目。
いよいよ4週目に突入だ。


今日は、日本語TV放送局「UTB」が、取材に来てくれた。

番組ディレクターの方と軽く打ち合わせをした後で、
俺が開演前の準備をしている所などを撮影した。


 それから・・・舞台の幕が開いた。


・・・相手役の「スタン」とは、もう息がピッタリなので、
今夜も特に問題は起こらず、無事に公演を終える事ができた。


かなり多くの知り合いが観に来てくれていた事もあって、
今日の募金額は、過去最高を記録。

 ・・・ありがとうございました!!!


さあ、この調子で明日も全力で頑張ろう!


■今日の募金額:$122.00
■募金総額:$343.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:16 | コメント (1)

2011年11月27日  舞台劇『ブリッジ』

ポケットの中

舞台劇「BRIDGE」公演9日目。

主人公の「スタン」が戻って来たので、
今日からはまたメインキャストでの公演だ。

開幕前、監督のケリーがキャストに言った。


 「今日は、オベーション・アワードの審査員が
  二人観に来ます。

  興行的に成功しているとは言えないので、
  せめてLA舞台界のアカデミー賞である
  オベーション・アワードを獲るわよ!!」


・・・久しぶりの「スタン」との舞台は、やっぱり楽しかった。

お互いが、お互いの一挙手一投足を伺いつつ、
舞台上でそれぞれの人生を生きる。

観客は存在せず、俺とスタン、
2人だけの空間が、舞台上に広がっている。


・・・そうだよ、これだよ。この張り詰めたリアリティ!
俺は、これが経験したかったんだよ!!


舞台裏に引っ込んで、
今日の舞台を回想していると、スタンが歩み寄って来た。

スタ 「・・・ユウキ、今日の舞台、どう思った?」

俺  「新鮮だったねー!」

スタ 「・・・だよな!新鮮だったよな!!
     すっげえ良かったよな!!」

・・・良かった。
俺だけじゃなくて、スタンもそう感じていたんだ。

スタンと俺との絆は、舞台に上がる度に太くなっている。
お互いがお互いを信頼し、シーンの流れに身を任せているんだ。


さあ、残すところあとたったの3週間!!
よっしゃ、やーーーるぞーーーー!!


■今日の募金額:$33.00
■募金総額:$221.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:18 | コメント (2)

2011年11月26日  舞台劇『ブリッジ』

ふぁいあーぼーる

舞台劇「BRIDGE」の公演8日目。

主人公の「スタン」は旅行で不在なので、
今日の公演までは、代役の「レズリー」が主人公を演ずる。


今日のレズリーは・・・、ワイルドだった。


俺が舞台に上がった瞬間から、
凄まじいほどの気合で、セリフをぶつけて来た。

おおおお、何という「やる気」だ!
これは、良い舞台になるかもしれない・・・!


ところが・・・、今日のレズリーは、
何か肩に力が入り過ぎているのか、2分に一度くらいの割合で、
セリフを飛び抜かしたり、間違えたりしている。


おっとっと、こりゃマズイぞ。
俺が何とかカバーしなくちゃ・・・!


++<本来あるべきシーン>++


レズリ 「仕事は何してんの?」

俺   「ミュージシャン。」

レズリ 「ジャンルは?」

俺   「ブルース。」

レズリ 「マジで!?」

俺   「・・・うん。」

レズリ 「楽器は?」

俺   「ギター。」

レズリ 「誰とやってたの?」

俺   「タージ・マハールとか・・・」


++<今日のレズリー>++


レズリ 「仕事は何してンの!!」

俺   「ミュージシャン」

レズリ 「ウォーゥ、・・・マジで!?」

俺   「・・・うん。」

レズリ 「・・・ジャンルは!?」

俺   「ブルース」

レズリ 「えええッ!!・・・マジでぇ!?」

俺   「ああ、マジで。」

レズリ 「・・・ダレとやってたの!!」

俺   「ギタリストとして、タージ・マハールとか・・・」


+++++


・・・ふう。何とか乗り切った。


後でレズリー本人に聞いてみたら、
今日は恋人が観に来ていたらしい。

なーるほど!・・・だからか!
恋人に良い所を見せようと、頑張ってたのか。


・・・明日の昼公演からは、本来のキャストの「スタン」と演ずる。

さあ、明日も全力で頑張ろう!!


■今日の募金額:$36.00
■募金総額:$188.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:27 | コメント (1)

2011年11月25日  舞台劇『ブリッジ』

オシノビ

舞台劇「BRIDGE」の公演7日目。

主人公のスタンが、「サンクス・ギビング・デー」という
祝日に合わせて奥さんと旅行へ出かけてしまったので、
今日は、代役の「レズリー」が主人公を演ずる。

「レズリー」と「スタン」は全く違うタイプの俳優なので、
当然、キャラクターも全く違う。

・・・俺のシーンがどう変わって来るか、楽しみだ。


舞台裏で開演の準備をしていると、
プロデューサーの「デビッド」が早足でやってきた。

 「今日は、批評家が来てるよ!頑張って!!」

他のキャストと一緒に
舞台裏の「覗き穴」から客席を覗いてみると・・・、
確かに「批評家用の指定席」に女性が座っている。

・・・おっしゃ、レズリー、頑張ろう!!


そして、舞台の幕が開いた。


レズリー演ずる、いつもとは一味違った「ミュージシャン」に
合わせ、俺自身も流れを変えて行く。

・・・うーむ、これはこれで、新鮮で面白い。

舞台終了後、ロビーで募金を集めていると、
覗き穴から見えた批評家の女性が、
募金箱にお金を入れてくれた。


 「本当に素晴らしかったわ!!」


・・・おおおお、これはレアだ!!

なぜって、通常、批評家は舞台が終わると、
誰よりも早く、キャストにも一切会わず、
ダッシュで帰るのが普通なんだ。

・・・だって、後から紙面上でこき下ろす人に、
直接会いたくないでしょ?

もしかすると・・・、今度は良い批評が貰えるかも・・・!?


さあ、明日の公演も頑張ろう!!


■今日の募金額:$11.00
■募金総額:$152.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:37 | コメント (1)

2011年11月20日  舞台劇『ブリッジ』

真っ二つ

舞台劇「BRIDGE」公演6日目。

・・・さあ、急遽決まった、今日一日限りの「入場料$15」。
お客さん、たくさん来てくれるかな・・・!?



・・・終わった。


今日に限って、天地がひっくり返ったかのような土砂降り。
道路は冠水し、20メートル先が見えない。


・・・案の定、観客数は過去最低を記録。


キャスト・・・4人
スタッフ・・・4人

観客数・・・4人


あーあ。


・・・そこに、プロデューサーのデビッドがやってきた。


 「ユウキ、半額にしよう。
  君の知り合いは全員、半額で入れるよ。

  一人だったら$13、二人だったら$25。

  ・・・そしたら、来てくれた人が
  舞台を観終わった後で、
  いくらか募金してくれるかもしれないだろ。


  ・・・どうかな?」


す、す、すんばらしいいいいいいいい!!!!!!
すんばらしいアイデアだ!!

・・・確かに、そっちの方が募金も集まりそうだ。


こうして、プロデューサーのデビッドの粋な計らいで、
俺の知り合いは全員、「半額」で観れる事になった。

ぜひ、入口で「ユウキの知り合いです」と言って、
半額でご覧下さいませ!!!!


・・・残り、あと4週間!



(第1幕シーン2より、「ミュージシャンとシロー」)


■今日の募金額:$5.00
■募金総額:$141.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:40 | コメント (2)

2011年11月19日  舞台劇『ブリッジ』

ニンジャスター

舞台劇「BRIDGE」の公演5日目。

今日は、不思議な公演となった。

相手役のスタンのキャラクターが昨日の公演とは
微妙に変わっていたので、
シーン自体も、また違った方向へと進んだ。

・・・でも、最後はちゃんと無事に着地する事ができた。


うーむ、こういう「たった一度限りの公演」が
あるから舞台は面白い。


今日の観客数は、約20人。


そのうち、俺の知り合いは・・・0人。


 ぎゃー


こ、こりゃあ、マズイぞ。


でもまあ、普通に考えたら、俺の友達は観に来るワケが無い。
だってもう、前回の公演で、みんな既に鑑賞済みなんだ。

・・・確かに新しく主役を演じてるスタンの演技は素晴らしいし、
セットだって、もの凄く豪華になってる。

でも、基本的なストーリーは同じだ。


・・・しかも、前回の公演の入場料は、「無料」。
  今回は5ドル割引で、「$20」と来てる。


$20も払って、同じ舞台を観に来るワケがないッ!!!!


かと言って・・・、このままではさっぱり震災募金が集まらない。
何か、対策を打ち出さねば・・・。


・・・そこで、プロデューサーのデビッドと相談した。


ユウ「デビッド、$15でどうかな。$15。」

デビ「え?? ・・・え??」

ユウ「明日、日曜日の午後2時からの公演で、
    入口で『ユウキの友達です』って言えば、
    10ドル割引なるってのはどうかな。」

デビ「え?? ・・・え??」


ユウ「・・・いやさ、友達を呼びたいんだけど、

     『本来の入場料は$25です。
      でもユウキの友達は5ドル割引になります。
      支払った$20のうち、$7が震災募金に行きます』

    ってのが、ややこしすぎて、
    まっっっったく伝わってないんだよね。

    ・・・ただ単に、

     『チケット代、$25・・・高っ!
      5ドル割引でも、$20・・・高っ!』

    って思われてる。

    このままじゃ、全然人が集まらないから、
    震災募金も集まらない。

    それだったら、むしろ、$15で劇を観てもらって、
    あとは好きなだけ募金して貰う方が、
    結果的にお金が集まる気がするんだ。

    デビッドの本来の取り分は$13だったから、
    それが$15に増える分には問題無いでしょ?

    ・・・どうかな。とりあえず明日の日曜日、
    それでやってみるってのは。」


デビ「・・・うん。いいよ。よし、やってみよう。
    俺も、どうにかして観客を増やしたいから。」


・・・という事なので、是非ぜひ、明日の日曜公演にお越し下さいな!
入口で「ユウキの友達です」と言って、$15で入場して下さいな!


これで少しでも人が集まれば、$15で固定して貰うつもりだ。

さーて、どうなる事やら・・・。


■今日の募金額:$37.00
■募金総額:$136.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:04

2011年11月18日  舞台劇『ブリッジ』

りべんじ

今日は舞台劇「BRIDGE」の公演4日目。
公演前、相手役のスタンが俺に聞いた。


スタ「ユウキ、デリック(仮名)って覚えてるか?」

ユウ「・・・デリックって、あのデリック?」

スタ「そう。俺と同じくアクターズ・スタジオの正会員で・・・、」

ユウ「前回の公演で、本番2週間前に監督と大喧嘩をして
    主役をクビになった・・・?」

スタ「そう・・・!その、いかれ野郎のデリック!」

ユウ「そりゃ、もちろん覚えてるよ。
    そのデリックがどうしたの?」


スタ「・・・日曜日に観に来るってよ。」


ユウ「え"・・・?マジで?」


スタ「・・・ああ。マジで。

    俺らの演技で、あの野郎に、
    ギャフンと言わせてやろうぜ!」


そして、幕が開いた。


今日の観客は20人ほどだったんだけど、俺を観に来た客は0人。

公演後、プロデューサーのデビッドが寂しそうに言った。


 「・・・おかしいなあ。

  ユウキがこの前レッドカーペットを歩いたから、
  日本人のお客がたくさん来るハズなのに・・・。」


う"・・・。


皆さん!!!!!ぜひ観においで下さいまし!!


■今日の募金額:$15.00
■募金総額:$99.51 (※チケット販売分は未集計)

投稿者 ユウキ : 23:54

2011年11月17日  舞台劇『ブリッジ』

鉄の心臓・ガラスの心

今日は舞台劇「BRIDGE」の代役公演のお手伝いに行って来た。

劇場に着くと、監督のケリーの様子がおかしい。
公演直前にも関わらず、大声でキャストに愚痴を言っている。


 「もー、どーしよーかしら!!
  人生最悪の日だわ!!!」


・・・監督として、本来こういう事はすべきではない。
舞台裏の雰囲気が悪くなると、公演に影響が出てしまう。

まあ、ケリーが荒れている理由は分かっている。


・・・批評家に叩かれたからだ。


最初の一週間で「BRIDGE」はいくつかの批評を書かれたけど、
その内容は、どれも似通っていた。


>キャストについて
・演技が素晴らしい
・心に響く

>脚本について
・セリフが生々しくてリアル

>セットについて
・グラフィティアートなど、
 橋の情景をリアルに再現できている

>照明について
・夜景の電飾がキレイ


>監督について
・冗長
・単調
・退屈


そう。監督だけが叩かれたんだ。

・・・だから、荒れるケリーの気持ちは分からないでも無いけど、
それを代役キャストに八つ当たりするのは、ひじょーーにマズイ。

監督なんだから、感情的にならず、冷静に批評を分析し、
どのように改善すれば良いか、対策を練って欲しい。


・・・この業界で仕事をする人は皆、
批判を受ける事に慣れなければならない。

100%賞賛される事は、絶対にあり得ないのだ。

批判されて、自分がその批判に納得できる時は、
謙虚に受け止め、自分の糧としなくてはならない。

批判されても、自分がやっている事に絶対の自信があるのならば、
堂々と胸を張り、批判を跳ね飛ばさなければならない。

・・・果たしてケリーは、どちらの道を選択するのか。

投稿者 ユウキ : 23:46

2011年11月16日  舞台劇『ブリッジ』

どうぞこちらへ

今日は舞台劇「BRIDGE」のリハーサルだった。

公演はもう始まっているけど、
まだ改良しなければならない部分が残っているんだ。


舞台上に上がる直前、相手役のスタンが話しかけて来た。


 「日曜日の公演に、ペギー・マケイが来てたんだけど、
  ユウキの演技を凄く褒めてたよ。」

 「ペギー・マケイってどなた?」

 「ペギーは俺と同じくアクターズ・スタジオの正会員で、
  『デイズ・オブ・アワー・ライブズ』っていう昼ドラに
  30年近く出演している大ベテラン女優だよ。
  ユウキの事をかなり気に入ってた。

  ・・・なあ、ユウキもアクターズ・スタジオに入らないか?
  正会員のオーディションを受ければ、おそらく受かるぞ。

  もし正会員になれれば、『アクターズ・スタジオ』の
  全てのクラスが一生、無料で受講できる。
  しかも、クラスで隣の席に、超有名俳優が座ってたりする。

  ・・・今アクターズ・スタジオにいるアジア人は、女優が二人だけだ。
  アジア人の男は一人もいない。

  なあ、どうだ?唯一のアジア人俳優になってみないか?」


うううううううぅぅむ。。。。

気持ちは嬉しいけど、
俺の中でのアクターズ・スタジオは「変人の巣窟」なので、
どうも魅力を感じない・・・。

演技法も、納得が行かない部分があるし・・・。
でも、超有名俳優と演技できるのはいいなぁ・・・。


・・・とりあえず、お礼だけ言って、この話は流した。


リハーサルが済むと、妙に寒気を感じて、
頭がクラクラしてきた。

・・・イカン、風邪を引く前触れだ。

さすがに、公演疲れが出てきた。
金曜日までに、何としても治さねば。

投稿者 ユウキ : 23:08 | コメント (6)

2011年11月13日  舞台劇『ブリッジ』

目隠しスロー

舞台劇「BRIDGE」公演3日目
今日は日曜日なので、昼公演だ。


舞台上で相手役のスタンと演じていると、
スタンの「演技のピント」がズレている事に気がついた。

セリフは一応俺に向かって喋っているんだけど、
目がどことなくうつろで、少しぼやけた印象を受ける。

公演終了後、監督のケリーにこの話をすると、
スタンが膝の痛みを抑えるために、
かなり強い鎮痛剤を飲んでいた事を教えてくれた。

なるほど、それでか。・・・俳優って大変だな。

まだまだ先は長い。
俺もケガだけは、常に気をつけなければ。


何はともあれ、1週目の公演は無事に終了。
あと・・・残り5週間!!

■今日の募金額:$29.00
■募金総額:$84.51

投稿者 ユウキ : 23:20

2011年11月12日  舞台劇『ブリッジ』

三叉路

今日は舞台劇「BRIDGE」の公演二日目だ。

朝、マネージャーのマイクから電話があった。

 「・・・なあユウキ、BRIDGEから降りよう。

  水曜日に俺が観た『例のキャラクター』を
  これから6週間もの間、演じてたら、
  ユウキが批判されて、経歴に傷が付く。

  君のマネージャーとして、それだけは絶対に許せない。

  月曜日に俺から監督のケリーに電話するよ。
  だから・・・、役から降りよう!」


すっかり頭に血がのぼったマイクをなだめ、
俺は重い足を引きずりながら、本番前のリハーサルへと向かった。


・・・このリハーサルで全てが決まる。

ここで監督のケリーを「演技」で説得できなければ、俺は終わりだ。


・・・大丈夫。勝算はある。

「自分のキャラクター」に、「ケリーのキャラクター」を、
上手い具合に、少し混ぜ込めばいいんだ。

さあ、覚悟を決めて、舞台に上ろう。


~~リハーサル中~~


今日のリハーサルは、


 これまでで、 最 高 の出来だった。


演技中、相手役のスタンとの間に、
昨日の本番では生まれなかった「絆」が生まれ、
全てがビシッと決まった。

監督のケリーも、相手役のスタンも、
もちろん俺も、みーーんな目を丸くした。

まさかたった一晩で、ここまで良い方向に変わるとは、
誰一人として予想してなかったんだ。


ケリーは、シーン自体のクオリティが格段に上がったので、
キャラクターの事なんかもうスッカリ忘れて、大喜びしている。

なんとまあ、ゲンキンな方・・・。


舞台裏に引っ込むと、スタンが話し掛けてきた。

 「・・・昨日はすまなかった。
  俺は・・・緊張してたんだ。

  映画の追加撮影から戻ってみたら、
  照明とかが全部決められてて、
  立ち位置も色々と変わってただろ。
  その事や、セリフの事で、頭が一杯だった。

  それに加えて、昨日はケリーが
   『今日はLA Weeklyの批評家が来るわよ!』
  ってアナウンスしただろ?
  あれで、焦りに拍車が掛かったんだ。
  LA Weeklyは辛口で有名だから・・・。

  ・・・すまなかった。今日は良い舞台にしよう。」


そして、公演二日目の幕が開いた。


今日の公演は・・・、


 これまでで 最 高 の出来だった。


監督のケリーも、相手役のスタンも、
そして、もっちろん俺も、大喜び。


ケリー「ね!?言ったでしょ!?
     私の言う通りにすれば、良くなるって!!!」

ユウキ「え"・・・? ええ、まあ、あの、そうですね・・・。」


おっかしいな・・・。いつの間にそんな事になってたんだろう。


まあ・・・、いいか!!


公演終了後、70歳ぐらいのおばあちゃんが俺に歩み寄って来た。

 「前回の公演も観たけど、
  今日の公演も・・・、本当に素晴らしかったわ!

  私、すっかりあなたのファンになっちゃった。
  サイン頂けるかしら・・・?」


うおおおおおおおおおおおおお、嬉しい!!!!
嬉しいぃいいいいいいいいいいいいい!!!!!

・・・そうだよ!!!!これだよ!!!

俺が求めていたのは、これだ!!!

「前回の方が良かった」じゃないんだよ!!!

よっしゃあああああああああ!!!!!


よーし、公演二日目にして、光が見えた。
さあ、明日も頑張ろう!!!!

うおおおおおおおおおお!!!


■今日の募金額:$5.00
■募金総額:$55.51

投稿者 ユウキ : 23:35 | コメント (2)

2011年11月11日  舞台劇『ブリッジ』

コック長とお客

LA EigaFestのレッドカーペットイベントは、午後6時半からだった。

ハリウッドの中心に位置する
「チャイニーズシアター」の一角に、レッドカーペットは敷かれていた。



名前を紹介されて、カーペットの上に移動し、
写真を撮られて、俺の出番は終了。


滞在時間、およそ45分。


それから舞台劇「BRIDGE」の
公演初日に参加すべく、劇場にトンボ帰り。

ペーパータオルを水で濡らしてメイクを落とすと、
公演の準備に入った。


公演初日は・・・それほど大きな問題は起こらなかった。

演技している間に、相手役のスタンが一生懸命
セリフを思い出そうとしているのが分かったけど、
彼は隠すのが上手いので、おそらく観客にはバレて無いハズだ。


・・・問題は、公演後に起こった。


監督のケリーが、俺のキャラクターを、
「監督が作ったキャラクター」に戻せと、俺に迫ったんだ。

でも俺は・・・、既に不評だと分かってるキャラクターに、
どうしても戻したくない。

だって、実際に観た観客が、

 「好感をもてない」

 「同情が沸かない」

 「見てて面白く無い。」

 「前回の方が良かった。」

と、言っていた不評なキャラクターを、
6週間も演ずるなんて、まさに生き地獄だ。


ケリーは、俺が言う事を聞かないので、

 「代役はいるんだからね!!」

と俺を脅している。


・・・こんな時、俳優は一体どうすればいいんだ。


監督の言う事を聞いて「不評なキャラ」を演じ、
観客から「つまらない」と批判されるのを、
甘んじて受け入れるべきなのか?

それとも、観客の反応を尊重し、
監督をブチ切れさせながらも、
「不評なキャラ」を封印すべきなのか?

はあ・・・、このまま監督の指示を聞かなかったら、
俺、クビになるのかなあ。

でもその代わり、批判を受けなくて済むから、
それでもいいのかもなあ。

全く、なんちゅう公演初日だ。
明日の公演は、一体どうなる事やら・・・

■今日の募金額:$33.00
■募金総額:$50.51

投稿者 ユウキ : 23:07 | コメント (5)

2011年11月10日  舞台劇『ブリッジ』

金の針

今日はまず、明日の「レッドカーペットイベント」に備え、
生まれて初めて美容室に行って、髪を切ってもらった。

5月に人生で初めて美容師さんに
髪を切って貰った場所は、美容室では無かったんだ。


 「よろしくお願いします。」

 「今日はどういった感じにしましょう?」

 「日本の方々が見ても、大丈夫な感じでお願いします。」


なんと美容室って、髪も洗ってくれるのだ!!
・・・・君は知ってたかなッ!?


それが済むと、今度は舞台劇「BRIDGE」の
最終リハーサルへと向かった。

・・・素晴らしい「立ち稽古」だった。

これまでで、最高のリハーサルだった。

俺のキャラクターも命を取り戻し、
「舞台上で生きる」事ができるようになった。

これなら、明日の本番で、
良い物が出せるかもしれない。


さあ、ここまで来たら、あとは覚悟を決めて、
一歩前に踏み出そう。


明日は公演初日!

投稿者 ユウキ : 23:15 | コメント (1)

2011年11月09日  舞台劇『ブリッジ』

デスマッチ

今日は舞台劇「BRIDGE」の
一般公開リハーサルの日だ。

主役のスタンは映画の追加撮影で不在なので、
今日は代役のレスリーが「ミュージシャン」を演ずる。

リハーサル本番まであと1時間半。

舞台の上で仕上げの「通し稽古」をしていたところ、
舞台の下で、とんでもない大問題が持ち上がった。

・・・脚本家の「ウィル」が、舞台上の「金網」を
取り外さないと、降板すると言い出したんだ。


・・・は?

金網を外さないと、脚本家が降板??
全く意味が分からない。


「ウィル」が言っているのは、この金網の事だ。



観客席と舞台上を、完全に仕切っている。

ウィルは、これは観客の視界を遮るので、
良く無いと思っているんだ。


設置した当人であり、監督のケリーは、
「ウィル」の越権行為と脅しに大激怒。

 「脚本家に、どんな権利があって
  舞台のセットに口出しするのよ!
  そこは、監督である私のフィールドでしょう!
  辞めるなら辞めなさい!!」

と、もの凄い剣幕で息巻いている。


・・・そうこうしているうちに「通し稽古」の時間は無くなり、
公開リハーサルが始まってしまった。


 ~公開リハ中~


・・・リハーサル後、ケリーは舞台上に上ると、観客に尋ねた。


「皆さん、今日は公開リハーサルにお越し頂き、
 本当にありがとうございました。

 ・・・ここで、ぜひ皆さんにお尋ねしたい事があります。

 このセットの金網について・・・、どう思われましたか?

 邪魔でしたか・・・?
 それとも、リアリティを感じました・・・?

 金曜日の本番に生かしたいと思うので、
 ぜひ、感想をお聞かせ下さい。」


ケリーが、こうして客の感想を聞いた理由はただ一つ。

観客の好意的な反応を「録音」し、
それを脚本家のウィルに叩きつけるためだ。

そうすれば、ウィルも納得するだろうと踏んだのだ。

・・・ところが。


客 「うーん、僕は邪魔だと思ったなあ。
   俳優の顔が見えないし。
   もっともっと低くていいんじゃないかな。」

客 「俳優と自分との間に壁があるように感じて、
    感情移入できなかった。」

客 「無い方がいいと思う。」


・・・大不評。

ケリーの思惑は大ハズレ。


結果、金網を30センチほど低くする事になった。


++++


舞台の下の問題が一段落したと思いきや、
今度は舞台の上で、「別の問題」が持ち上がっていた。


・・・俺の役のキャラクターについてだ。


今日の公開リハーサルには、
前回の公演を観た人が、3人ほど観に来ていた。

その3人が、3人とも、口を揃えてこう言ったんだ。


 「前のキャラクターの方が良かった。」


あああああああああああ、・・・やっぱり。


 「前の方が、ドラマチックで観ていて飽きなかった。」

 「今回の第2幕は凄いドライで、あんまし面白く無かった。」

 「前の方が、好感のもてるキャラクターだった。」


うううう、酷い。

・・・でも、自分でもそうだろうなぁ、と予想はしていた。


だってこの2ヶ月間、俺の第2幕は
完全にドライになるように、演技指導を受けてきた。

新しい俺のキャラクターは、劇中で「一度だけ」しか
笑う事を許されていなかったので、必然的に
憮然とした、好感の持てないキャラクターになっていった。

・・・本当にもう、勘弁してくれ。

俺は、前回の公演よりも、悪い演技をするために
今回の公演に参加してるんじゃないんだ。
良い演技をするためにここにいるんだ。

これから2ヶ月間、観客が見ていてツマラナイ役を
演じるなんて、俺には堪えられない!


そこで、自分の正直な気持ちをストレートににケリーに伝えたところ、
前回のキャラクターに戻す許可が貰えた。

そして、キャラクターが笑いたい時は、笑って良い事になった。

・・・ほっ。

よし。このキャラクターを、
主役のスタンと舞台上で交流しながら改良するんだ。

そして、より良い舞台にするんだ。


・・・さあ、盛り上がって参りました。

本番は、明後日!!


■募金総額:$17.51

投稿者 ユウキ : 23:13 | コメント (1)

2011年11月07日  舞台劇『ブリッジ』

でぷろまし

LA EigaFest という映画祭を主催している方から、
今週金曜日のオープニングイベントで、
レッドカーペットを歩いてくれないか、と要請があった。

今週金曜日・・・というと、舞台「BRIDGE」の公演初日じゃないか!!

レッドカーペットイベントは、午後6時スタート
舞台劇「BRIDGE」の集合時間は、午後7時。

・・・これは厳しい。


そこで、プロデューサーのデビッドと相談した。


デビ「うーーーん、それは難しいな・・・。
    公演初日だから、ユウキがいないと困る。

    ・・・でもなぁ、レッドカーペットを歩いてくれたら、
    舞台の宣伝になるからなぁ・・・。

    ちょっと待ってて、監督と相談してくる。」


・・・待つ事5分。


デビ「オッケー、ユウキ。幸いイベント会場が
    『チャイニーズシアター』で、この劇場から近いから、

    7時15分までにイベント側が責任を持って、
    ユウキを送り届けてくれるならいい、と伝えて欲しい。

    ・・・でも念を押すけど、絶対に遅れないでくれよ。」


という事で、レッドカーペットを歩く事になった。

さーて、困った。何を着よう・・・。
またメイクさんを雇わなきゃ・・・。


舞台劇「BRIDGE」本番まであと4日!

投稿者 ユウキ : 23:46 | コメント (2)

2011年11月05日  舞台劇『ブリッジ』

さくらさくら

舞台劇「ブリッジ」の公演が目前にまで迫ってきた。

リハーサルを始める前に、プロデューサーの
「デビッド」が、キャストに向かって話し始めた。


デビ「もうすぐ本番なので、そろそろ知り合いへの
    呼びかけを始めて欲しい。


    ・・・まず、何よりも重要なのは初週の客足だ。

    初週は、新聞やら週刊誌やらの
    批評家が観にやって来るから、
    空席ばかりだと、レビューの内容に響いてしまう。

    そこで、どーにかして『満席』にしなきゃいけない!


    ・・・いや、決して冗談なんかじゃなくて、本当なんだ。


    もちろん、『裏技』を使えば、すぐにでも満席にできる。

    舞台専用の『エキストラ派遣会社』に電話して、
     『20人お願いします』と言えば、確実に20席埋まる。


    ・・・でも、それにはお金が掛かるし、チケット代も入らない。
    できればその手は使いたくない。

    だから、ぜひ君達の方で呼びかけを行って、
    初週に観に来るよう、薦めて欲しい。」


・・・という事ですので、

ぜひぜひ皆さん、初週におこし下さいませませ!!


■題名:「BRIDGE」

■公演日時:11月11日~12月18日
金曜日・土曜日・・・  午後8時開演
日曜日・・・・・・・・・・  午後2時開演

■場所:
Ruby Theatre at the Complex
6476 Santa Monica Blvd.
Los Angeles, CA, 90038

■入場料:$25
5ドル割引クーポンコード: 2052 

■予約
http://www.plays411.com/bridge
(323)960-7740

■英語バージョン
http://www.facebook.com/event.php?eid=303982862946169

■ポスター
http://www.yukimatsuzaki.com/press/bridge.jpg


チケット予約の際に、クーポンコード「 2052 」を入力すると、
チケット代が5ドル割引になり、20ドルになります。

このクーポンコードを使ってお支払い頂いたチケット代20ドルのうち、
7ドルが「福島県災害対策本部」への募金にあてられます。

前回の公演よりも、より多くの募金を集めたいと思うので、
この舞台の事を、ぜひ多くの方々に教えてあげて頂けると嬉しいです。


・・・では、劇場でお会いしましょう!

投稿者 ユウキ : 23:59 | コメント (3)

2011年11月04日  舞台劇『ブリッジ』

れごれご

プロデューサーの「デビッド」、監督の「ケリー」、
そして俺の3人で、舞台劇「ブリッジ」のポスターの
アイデアを出し合った事があった。


それぞれ、思い思いにアイデアを紙に描いていく。


デビ 「僕は、こんな感じのを想像してる。


    ・・・まずね、ポスターの両側に、靴が見えるんだ。


    そして・・・、奥には水面が見える。

    真ん中には・・・、『ブリッジ』の文字。

    ・・・見た人が、少し考えると、
    これが橋の欄干の上だと分かる。


    ・・・どうかな。ゾクッとすると思うんだけど。」



俺  「ははー、なるほど。

    でも逆に、『カメラ』を引いてみるってのはどうかな。」


デビ 「・・・・というと?」


俺  「今、このポスターを撮影した『カメラ』は、
    足と足の間にあるよね。」



デビ 「・・・確かにあるね。」


俺  「このカメラを引いて、橋全体を写すのはどうかな。


    ・・・こんな感じで、橋と欄干が見える。

    奥には・・・水面、そして月。

    そして、デビッドのアイデアと同じように、
    欄干の上に立つ男。


    ・・・どうかな。」



デビ 「ああ、いいね!」


ケリ 「私も、こっちの方がいいと思うわ。

    ・・・でも、ここにどうにかして、
    『ミュージシャン』を入れられないかしら。


    ほら・・・、こんな感じで。



俺&デビ 「・・・なるほど。」


・・・そんなこんなで、完成したポスターがこちら。



じゃじゃーん。


本番まで、あと一週間!

投稿者 ユウキ : 23:00 | コメント (4)

2011年11月02日  舞台劇『ブリッジ』

急カーブ

今日は午後2時から舞台劇「BRIDGE」の立ち稽古。


監督の「ケリー」がキャストに話し始めた。

 「これまでのリハーサルでは、
  それぞれの役のリアリティを出す事に重点を置いてきたけど、
  今日からは、『作品』としてまとめる事に重点を置いていきます。

  だから私が、
   『このシーンは、こういう風に演じて』
  と演技指導をしたら、絶対に従ってね。

  ・・・では、自分のためではなく、
  良い舞台を作るために、一つになりましょう。

  さあ、リハーサルを始めるわよ!」


昨日までと違い、今日はキャストが一丸となって
「ストーリーの流れ」を付けていったので、
ようやく、劇としての「まとまり」が出てきた。

俺が登場する第二幕のクオリティも、かなり上がった。

・・・いいぞ!この調子だったら、何とか間に合うかもしれない!


本番まで、あと9日!

投稿者 ユウキ : 20:10 | コメント (2)

2011年10月31日  舞台劇『ブリッジ』

仮面のかぶり方

今日は午後2時から、舞台劇「BRIDGE」のリハーサル。

俺が劇場内に入ると、不穏な空気が流れていた。


そして、どういうワケか、女装男役の「ドナルド」と、
ミュージシャン役の代役である「レスリー」が
舞台上でリハーサルをしていた。

実際のキャストである「スタン」は・・・、
なぜか観客席に座っている。

・・・また、何かあったのか?


なんでも、昨日のリハーサルで
またも口論になったらしい。


・・・公演初日まであと一週間ちょっとしかないのに、
いまだに「立ち位置」が頻繁に変わる事、
そして、主役の「スタン」が相変わらず
台本を読みながら演技している事に、
「女装男」役の「ドナルド」がブチ切れたのだ。


前回の公演の時、監督の「ケリー」は、
キャストにこう言っていた。

 「台本を持ちながらの演技だと、
  行動が制限されてしまうから、
  できるだけ早くセリフを覚える事!!」

だから前回の公演のキャストは、
早々にセリフを覚え、リハーサルに臨んでいたんだ。


・・・しかし、今回の公演は違った。


主役を演じる「スタン」が、キャストに向かって、

 「俺は公演初日の前日まで、
  台本を持ちながら演技するよ。
  ・・・それが俺のやり方だ。」

と、思い切り宣言してしまったんだ。


監督のケリーは「アクターズスタジオ」の
先輩にあたるスタンに全く頭が上がらないので、

 「スタンは三幕とも出演するから、セリフも三倍。
  彼は仕方がないけど、他のキャストは
  セリフを覚えてちょうだい。」

と、スタンの特別扱いを認めてしまった。


女装男役の「ドナルド」からしてみれば、
こんなに面白くない話はない。

彼自身は、もうとっくの昔にセリフを覚えているんだ。


「ドナルド」と、代役の「レスリー」の立ち稽古が終わった後、
俺と「スタン」がリハーサルを始めた。

シーンが終わるや否や、今度は「スタン」がブチ切れた。


 「もう我慢がならん!
  人を馬鹿にするのもいい加減にしろ!!
  俺に向かって、敵意をぶつけやがって!!!
  お前の事だ。  ドナルドと、 ユウキ!!
  ふざけるな!!」


・・・ええええええええええええええ!!!!!!


ちょちょちょちょ、ちょっと待って。 ・・・俺!?


 なぜ俺!? ウっソぉ!!!


俺は、スタンに敵意なんか持っていない。

むしろ、今回の公演でスタンと
演技できる事を楽しみにしていたんだ。


一体全体、スタンは何の話をしてるんだ!?


・・・スタンの話を聞くと、・・・ナゾが解けた。


なんとスタンは、舞台上で俺が演じている
「シローの敵意」の事を言っていたんだ。

・・・つまり、「俺の演技の敵意」を、
「俺自身の敵意」だと、勘違いしていたんだ。


 一体なぜ、こんな勘違いが起こるのか。


監督のケリーによれば、
これは「アクターズ・スタジオ」の演技法の弊害らしい。


通常、俳優は「役」を演じている時は、「役」になりきる。

・・・まあ、当たり前って言ったら、当たり前だ。



・・・でも、その「役になる」プロセスは、俳優によって全く違う。


例えば、多くの俳優は、こういうプロセスで「役」になる。



役を演ずる前に、自分が用意した「役のお面」をかぶるのだ。


・・・もちろん、このお面は目には見えない。


この「お面」の製作過程を「役作り」と呼んだりもする。

作るのに1秒も掛からない役者もいれば、
数ヶ月かけて、凝った「お面」を作る役者もいる。


「お面のかぶり方」も、人それぞれだ。

いきなりパッとお面をかぶれる人もいるし、
かぶるのに、数時間、または数日掛かる人もいる。


「透明なお面」をかぶる人もいれば、
「ぶ厚いお面」をかぶる人もいる。


・・・とにかく、共通しているのは、
「演じている役」と、「俳優自身」の区別がある事だ。


そして、「お面」を脱ぐ事ができる。


ところが、スタンの演技法は違う。

スタンの演技法では、
「演じている役」と、「俳優自身」の区別が殆ど無いのだ。

そして、自分自身を役に変形させてしまうんだ。


・・・すると、どうなるか。

 「スタン」は「ミュージシャン」で、
  「ミュージシャン」は「スタン」

という事になってしまう。


・・・でもまあ、それはいいんだ。


ここでの問題は・・・、

 「ユウキ」は「シロー」で、「シロー」は「ユウキ」

と、思ってしまう事だ!


そして、俺が演ずる「シローの敵意」を
「俺自身の敵意」だと本気で思ってしまう事だ!


・・・なんつー、迷惑な演技法だ。ちょっと勘弁してくれ。


前回の公演で、開演2週間前に
監督と大喧嘩をしてクビになった、「デリック(仮名)」

前回の公演に、客としてやってきて、
観劇中にずっと大声で喋りまくり、公演を妨害した、「アリサ(仮名)」

前回の公演を、何度も観に来て、頼まれてもいないのに、
なぜかキャスト達に偉そうに演技指導をしていた、「テッド(仮名)」。

・・・そして、監督の「ケリー」と今回の主演の「スタン」。

みーんな、「アクターズ・スタジオ」の正会員だ。


一体、どーーーなってんだ! ここは。


なんにせよ、誤解が解けて良かった。
色々な俳優がいるなぁ。ホントに。

公演初日まで、あと11日!

投稿者 ユウキ : 23:16 | コメント (5)

2011年10月27日  舞台劇『ブリッジ』

4人で綱引き

舞台劇「BRIDGE」の公演初日まで、あと2週間。

劇場に入ると、舞台上に「橋」の骨組みができていた。



リハーサルの方は・・・、相変わらずバラバラだ。

シーンの方向性を決めていないので、
俳優はみんな「その場しのぎの演技」をしている。

ストーリー運びに「一貫性」や「まとまり」がまるで無いので
観ている方は、3分で興味を失ってしまう。


うーーーーーーむ・・・、だ、大丈夫か、コレ。


公演初日まで、あと14日!

投稿者 ユウキ : 23:55

2011年10月23日  舞台劇『ブリッジ』

羊の反乱

午後2時から予備劇場で
舞台劇「ブリッジ」の立ち稽古。

俺が劇場に着くと、第三幕に登場する
女装男役の「ドナルド」と、主人公の「スタン」とが
舞台上でリハーサルを行っていた。


・・・しかし、どこか雰囲気がおかしい。


何やら言い争いが起こっているようだ。



ドナル「・・・もう私、ガマンできません!

    前回のリハーサルで、4時間かけて、
    それぞれのシーンの『立ち位置』を決めましたよね。
    スタンは、どうしてそれを無視するんですか?

    そしてケリー(監督)は、
    どうしてそれを、とがめないんですか?」


スタン「仕方がないだろう?
    その瞬間の感情が、違う動きを要求してたんだから。」


ケリー「そうよ。感情優先よ。
     それに、まだリハーサル中なんだから。」


ドナル「・・・じゃあ、どうして私の場合は駄目なんですか?

    私が、決められた『立ち位置』を無視したら、
    ケリーは絶対に、そこでシーンを止めて、
    やり直すじゃないですか。

    スタンは良くて、私は駄目って、どういう事なんですか!

    ・・・大体、前回のリハーサルで『立ち位置』は
    もう完全に確定したんじゃなかったんですか?

    私は、立ち位置が変わる度に、
    『ああ、また変わった』という余計な思考が入って来るので、
    すごくやり辛いんです。役に集中できない!

    無視するんだったら、どうして前回、
    わざわざ4時間もかけて決めたんですか!」


ケリー「私は、その瞬間の感情がリアルであれば、
     どんな動きをしても、シーンを止めないわ。

     いい?感情は、腹から来るのよ!
     頭からじゃないの!!」


ドナル「・・・ケリー、
     あなたは私を一人前の俳優として
     見ていないのでは・・・?

     私の『演技力』を、私の『演技法』を、
     全く信頼していないのでは・・・?

     だから、スタンと私の扱いが
     こんなにも違うのでは・・・?


     ・・・あなたが、私をまるで『生徒』のように
     扱っているのには、薄々気付いていました。

     毎日のように、『演技法の宿題』は出されるわ、
     舞台上で、『演技』指導ではなくて、
     『演技法』を指導されるわ・・・、


     ・・・私とあなたとの演技法は、違うんです!
     あなたの演技法を、私に押し付けないで!

     私は、私のトレーニングを受けて、
     一人前の俳優として、今ここにいるんです。
     だから、私の演技法にも、敬意を払って下さい!

     大体、私の演技法が気に食わないのなら、
     どうしてオーディションしてまで、
     私をキャストしたんですか!

     自分の好きな演技法の俳優を
     キャストすれば良かったじゃないですか!!」


ケリー「私は、みんなに敬意を払っているわ!

     ただ、もう時間が無いの!!
     配慮している余裕が無いの!」


・・・。


 ・・・やはり、こうなったか。


「女装男」役のドナルドは、
今回の舞台ではキャストのうちの一人だけど、
実は、監督であり、プロデューサーでもあるのだ。

だから、彼は舞台全体を「流れ」として捉え、
全体としてのメッセージ性を重視し、
その「流れ」の中での自分の「役割」を
果たすために演技する。

リハーサルを円滑に進めるために、
決められた「立ち位置」は、もちろんちゃんと守る。

言ってみれば、本来あるべき姿、優等生だ。


・・・ただ、ケリーはそうじゃない。


そもそも、彼女は「監督」ではなくて「俳優」なのだ。

しかも、例の「アクターズ・スタジオ」が採用している、
「センサリー・メモリー法」という演技法を
教えている、演技の先生でもあるのだ。

だからケリーは、舞台全体を「流れ」として見ないで、
その瞬間、その瞬間に、
「センサリー・メモリー法」で演技できているか、
という事に、特にこだわっている。

当然、ストーリーにおけるそれぞれの「役割」という
意識も殆ど無いため、
作品として何が言いたいのかという「メッセージ」は、
未だに誰も知らない。わからない。(ケリー自身も)


・・・ただ、まあ、
鑑賞したら、心に傷を負うほどのパワーを持った、
荒削りで、尖った作品になる可能性を秘めているもの事実だ。


とにかく、ドナルドとケリーは、水と油なのだ。


ドナルドには、作品としてのメッセージを軽視し、
「センサリー・メモリー法」に固執するケリーが全く理解できない。

通常あり得ない話だけど、ケリーはリハーサルの度に
「センサリー・メモリー法の宿題プリント」を
を俳優に提出させていたので、

 「これじゃまるで演技学校の生徒だ!」

とドナルドがブチ切れるのも頷ける。


ケリーも、ドナルドの「作品中の役割を演ずる」
優等生の演技法が気に食わない。

彼女は、「役割」なんて完全に無視して、
キャラクターとしてリアルになって
舞台上で生きて欲しいだけなのだ。


・・・ううむ、確かに、
なんでドナルドをキャストしたんだ、
と思わず突っ込みたくなる。


さーーー、今回の舞台も、波乱万丈です!


はっはっは。
面白いですねー!舞台のリハーサルって!!!

本番まで、あと19日!

投稿者 ユウキ : 23:36 | コメント (4)

2011年10月20日  舞台劇『ブリッジ』

タコ足配線

今日は、予備劇場を使っての
舞台劇「ブリッジ」の立ち稽古。

本番まで3週間に迫り、
監督の「ケリー」の焦りは最高潮に達している。

焦るあまり、演技指導で言っている事がコロコロ変わったり、
俳優の立ち位置が5分ごとに変更になったりしている。


・・・でもまあ、ケリーが焦るのも分かる。

前回の公演と同じく今回も監督をしている「ケリー」と、
主人公を演じている「スタン」は、どちらも
かの有名な俳優養成所、「アクターズ・スタジオ」の正会員だ。

なんでも今回の公演には、
そのアクターズ・スタジオの役員達が、観劇に訪れるようなのだ。



・・・ただ、ここでマズイのは、そのケリーの焦りが、
出演俳優にダイレクトに伝わって来る事だ。

監督の言っている事に一貫性が無いので、
どうしても、劇の全体像が見えていないまま、その場その場で、
場当たり的に演技指導しているように感じてしまう。

・・・こうなると、今度は俳優まで不安になって来る。


まあ、舞台で問題が起きるのは、
毎度の事なので、もう慣れた。

本番まであと22日。
さてさて、どうなる事やら・・・

投稿者 ユウキ : 23:04

2011年10月16日  舞台劇『ブリッジ』

金網要塞

今日は舞台劇「BRIDGE」の初リハーサルだった。

昼の12時から午後4時まで、
実際の劇場を使っての立ち稽古。

初っ端からかなりぶっ飛ばしたので、
ヘトヘトになった。



今回主役を演じている「スタン」は
これまで映画やテレビなどに、
60作品以上に出演している、超ベテラン俳優だ。

これから2ヶ月もの間、彼と1対1で演技ができるという事は、
俺の俳優人生にとって、最大の糧となるだろう。


よーし、頑張ってレベルアップするぞ!

本番まで、あと3週間!

投稿者 ユウキ : 23:41

2011年10月09日  舞台劇『ブリッジ』

スタッカート

舞台劇「BRIDGE」のリニューアル公演に向けた
リハーサルが始まった。

今日はキャストの「初顔合わせ」と
台本の「読み通し」だ。

まず、勢ぞろいしたキャストを前に、
プロデューサーのデビッドが
今回の料金体制の説明を始めた。


「皆さん、もう聞いているとは思いますが、
 今回の舞台では、給料が出ます。

 舞台のフライヤー(チラシ)が完成し次第、
 キャストにはそれぞれ『クーポン番号』が
 割り当てられます。

 そのクーポン番号を、皆さんの友人や家族が
 オンラインストアで入力すると、
 通常$25のチケットが、$20に割引になります。

 そして、その$20のチケット代のうち$5が、
 それぞれの俳優に還元される、というシステムです。

 割引になる + 俳優に還元される、という
 二重に美味しいシステムになっています。」


・・・なるほど。そういうシステムだったのか。

俺の場合は、例の募金の交渉で、
その還元される「$5」が「$7」になってるってワケか。


それから、「メインキャスト」と「代役キャスト」が揃ったところで、
台本の「読み合わせ」を行った。



今回の舞台は、6週間の長期公演なので、
「もしもの事態」に備えて、
それぞれのキャラクターに代役が用意されている。

俺の代役は、俳優仲間の「ユタカ」だ。

「木・金・土・日」の公演日のうち、
木曜日の公演は、代役キャストが演じ、
金・土・日曜日の公演は、メインキャストが演じる予定だ。


本番まであと1ヶ月!頑張ろう!

投稿者 ユウキ : 23:04

2011年08月24日  舞台劇『ブリッジ』

ひも状の織物

一週間前に幕を閉じた舞台劇「BRIDGE」を
別のとある有名劇場で、また公演する運びとなった。

しかも今回は、週4回、6週間もの長期公演だ。


なんでも、その劇場は何もかもがプロフェッショナルらしく、
劇場スタッフにも、出演俳優にも、
ちゃんと給料が支払われるそうだ。


それは凄い!


舞台に出演して給料を貰うって、
かなりレアなんですぜ、ここでは。


・・・でも今はまだ、ぬか喜びできない。


実は今回の公演は、「追加公演」では無い。

「再公演」でも無い。


 「リニューアル公演」だ。


 全く新しいプロデューサーの下、
 全く新しい劇場で、
 全く新しいキャストと公演するのだ。


という事は、つまりどういう事か。


・・・前回の公演で震災募金を集めるのを手伝ってくれた、
「アレックス」も、「ジョナサン」も、「アニー」もいない、という事だ。


心強い味方が、一人もいなくなってしまった。

・・・仕方が無い。
新しい劇場の協力を取り付けるべく、
俺自身で新プロデューサーと直接交渉する事にしよう。


俺 「はじめまして。ユウキです。」


デ 「デビッドです。
   この前の公演、凄く良かったよ!」


俺 「ありがとうございます。」


デ 「いやー、うちでの公演は、そりゃ凄い事になるよ!

   まずセットを、もっとリアリティのある物にするんだ。

   プロの『グラフィティ・アーティスト』を雇って、
   コンクリートの質感を再現したボードの上に
   実際にスプレーでペイントして貰うんだ。

   すると・・・リアルな橋の風景になるだろ?

   それに、霧を表現するために、スモークも焚くし、
   ちゃんと音響を使って、
   カモメの鳴き声や、船の汽笛も流す。

   観客は、実際に『橋』にいると錯覚するよ!」


俺 「とても楽しみです。」


デ 「・・・で、今日はどうしたのかな。」


俺 「一つお伺いしたい事がありまして。」


デ 「なんだろう。」


俺 「実は、募金の事なんです。

   ご存知の通り、僕が演じているキャラクター設定には、
   3月に日本で起こった震災が大きく関わっています。
   
   僕は、前回の公演でこの役を演じるにあたって、
   被災地に対して何も貢献しないのはおかしいと思い、
   募金集めを条件に、参加していたのです。」


デ 「そうだったんだ。」


俺 「・・・幸い、劇場が募金集めに協力的だった事もあり、
   たくさんの募金を被災地に送る事ができました。   

   こちらが、募金の詳細と、送金完了の証明書になります。」


デ 「・・・へえ。」


俺 「・・・そこで、ご相談なんですが、
   今回の公演でも、募金に協力して頂けないでしょうか。」


デ 「・・・うちの劇場は方針として、俳優やスタッフに、
   できるだけ給料を支払うようにしているんだ。

   例えば、俳優が知り合いや友人を劇場に連れて来ると、
   20ドルのチケット代金のうち、
   5ドルがその俳優自身に還元される。」


俺 「その仕組みについては、あらかじめ聞いていました。

   僕はどちらにしても、
   そのお金は募金に回すつもりだったので、
   それプラス、劇場として何らかの協力を
   お願いできませんでしょうか。」


デ 「・・・というと?」


俺 「・・・今回の劇場の、座席数はいくつですか?」


デ 「50席だよ。」


俺 「20ドルで、50席ですね・・・。


   ・・・では、10ドルで、どうでしょうか。


   入口で僕の名前を出せば、
   20ドルのチケット代のうち、
   10ドルが、震災募金に回される。」


デ 「・・・うーーーーん。。。 10ドルかぁ。


   10ドルは・・・・、ちょっと痛いかなぁ。


   ・・・僕は、他のロサンゼルスの劇場主と違って、
   純粋にビジネスとして劇場を運営している。

   他の劇場はビジネスとして成立していないから、
   俳優やスタッフをタダでこき使っているけど、
   僕は、それは間違った姿だと思っているんだ。

   俳優やスタッフにも、生活があるからね。


   今回、「BRIDGE」をうちの劇場に誘致したのも、
   この舞台なら、たくさんお客を呼んで、お金を稼いで、
   みんなに給料を支払えると思ったからなんだ。


   でも、10ドルだと、劇場が回せなくなってしまう・・・。」


俺 「・・・では、7ドルで、どうでしょう。

   20ドルのうち、7ドルが募金箱へ行き、
   13ドルが、劇場に入る。」


デ 「13ドルか・・・。」


俺 「・・・いかがでしょうか。」


デ 「・・・うん、それなら、なんとかなる・・・かな。


   分かった。協力しよう。13ドルでいいよ。」


俺 「ありがとうございます!」


・・・よし! なんとか劇場の協力を取り付けた。


予定では、10月からリハーサルが始まり、
11月から12月にかけて、6週間の公演予定だ。

新しいスタッフとキャストの下で
「BRIDGE」がどう生まれ変わるのか、今から楽しみだ。

投稿者 ユウキ : 23:38 | コメント (7)

2011年08月18日  舞台劇『ブリッジ』

お届け物でーす

舞台劇「BRIDGE」で集めた募金、$1551.50
全額を「福島県災害対策本部」に送金した。

おそらく約12万円くらいになったハズだ。
これで、円高でなければなあ・・・



アメリカで集めた人々の優しさが福島まで届きますように!

投稿者 ユウキ : 12:02 | コメント (7)

2011年08月17日  舞台劇『ブリッジ』

お花畑

舞台劇「BRIDGE」l、公演12日目。

とうとう公演最終日がやってきた。


俺は・・・、

 いつも通り劇場入りし、
 いつも通り準備をして、
 いつも通り舞台に上がり、
 いつも通り全力で演じた。


・・・そして、全ての公演が終わった!



今日は千秋楽という事もあって、
公演後には軽食が用意されていた。

そこで、今回のスタッフとキャストは
お互いの労をねぎらい、乾杯した。


・・・お疲れさまでした!!


震災募金の最終合計金額は、$1551.50


・・・当初の予想以上に集まった。

これは全て、ジョナサン、アニー、アレックスの3人のおかげだ。

彼らが体を張って募金集めに協力してくれなければ、
ここまでの金額にはならなかっただろう。


ありがとう、ジョナサン、アニー、アレックス!!!



集めた募金は全て「福島県災害対策本部」に
直接送金で送る予定だ。

みんなの暖かい心が詰まった募金だ。
責任持って届けよう。


・・・ああ、終わった。終わった!・・・・終わった!!!!!


今はとりあえず・・・、寝よう。

おやすみなさい!!!!!!
そして、ありがとうございました!!!


■今日:$  82.18
■合計:$1551.50

投稿者 ユウキ : 23:54 | コメント (4)

2011年08月16日  舞台劇『ブリッジ』

しょーじ

舞台劇「BRIDGE」、公演11日目。

劇場に着いてみると、
カウンターに置いてあった募金箱が見当たらない。


ま、まさか・・・


・・・・あああ!!

俺の部屋だ!俺の部屋の入口にある!
壊れた部分を修繕するために、
家に持って帰ったんだった!


・・・これは困った。

募金箱が無かったら、
募金を集められないじゃないか。


開演まで、あと1時間。

・・・仕方が無い。
こうなったら、そこら辺の物をかき集めて
もう一つ募金箱を作ろう。



とりあえず、この箱でいいか。

プリント用紙を貼り付けて、日の丸を付けて・・・と。



・・・できた! 何とか間に合った。

まるで小学1年生が書いたみたいな字になったけど、
それは・・・、まあ、そういう事にしておこう。


 「開演15分前です!」


うぎゃー。大至急、準備しなきゃ!


++++


今日の公演は、明日が最終日だというのに、
観客が20人前後という、寂しい結果となった。

なんでも宣伝のミスで、
追加公演を周知する事ができなかったらしい。

でも、来てくれた方々が
たっくさん募金してくれたので、かなりの額が集まった。


 ありがとうございました!!!


明日はいよいよ公演最終日だ。
・・・さあ、全力で行こう。


■今日:$ 170.00
■合計:$1469.32

投稿者 ユウキ : 23:58 | コメント (5)

2011年08月10日  舞台劇『ブリッジ』

遠投合戦

舞台劇「BRIDGE」、公演10日目

開演の準備をしていると、
ステージマネージャーの「アレックス」が
いつものように笑顔で控え室に入って来た。

 「ジェリー、昨日借りた1ドルを返すね!
  ちゃんと一割、利子つけといたからね!」

アレックスはテーブルの上に1ドル10セントを置くと、
また笑いながら部屋を出て行った。


・・・ん、待てよ。 昨日1ドル借りた・・・?


もしや昨日、募金に1ドル足した時、
持ち合わせが無くて、わざわざジェリーに借りてたのか?

・・・まったくもう。この人は本当に凄いな。


++++


今日の公演は、いつもより静かな舞台となった。

どうやら月、火、水の三日連続公演で、
主人公のジェリーがかなり疲れていたようだ。

あと一週間だ!!ジェリー、ファイト!!!


今日も多くの方々が募金してくれたので、
これまでの合計募金額は、なんと約$1300にもなった。

全ては、アレックス、ジョナサン、アニーなどの劇場スタッフが、
今日まで体を張って、「募金するなら、入場料はタダ!」
という約束を必死に守り続けてくれたおかげだ。

彼らの協力無しでは、この数字は絶対に不可能だった。


・・・確かに、一昨日に起こった「例の問題」の影響で、
もう入口で「募金したいです!」と言っても、
タダで入場する事はできなくなってしまった。

でも、この良心的な劇場を存続させるため、
皆さん是非、チケットを買って、舞台をご覧下さいませ!!


・・・さあ、残すところあと二日間。全力で行こう!


■今日:$ 142.00
■合計:$1299.32

投稿者 ユウキ : 23:42 | コメント (3)

2011年08月09日  舞台劇『ブリッジ』

ゼリー公演

舞台劇「BRIDGE」、公演9日目

今日は、舞台のビデオ収録日だった。

開演前の控え室にもカメラマンが入り
キャストのインタビューなどを収録した。

俺は、もう役作りの準備に入っていたので、
はしゃがないように気をつけた。



それから・・・、何の問題もなく、公演が始まった。


・・・なんか、すごく新鮮だ!

特にここ数回の公演は、問題続きだったから・・・。


公演後、アレックスと一緒に募金額を
カウントしてみると、$199だった。


 「・・・ん、ちょっと待って!」


アレックスはそう言うと、どこからか1ドル持ってきた。


 「よーし。これで、$200ピッタシ!」



・・・明日は、「募金するなら入場料タダ」の最終日だ。
ぜひぜひぜひぜひぜひぜひお越しくださいな!!


<募金額>
■今日:$ 200.00
■合計:$1157.32

投稿者 ユウキ : 23:23 | コメント (7)

2011年08月08日  舞台劇『ブリッジ』

アジフライ

舞台劇「BRIDGE」、公演8日目

・・・今日も、開演前に大きなゴタゴタがあった。

全ては、ステージマネージャーの
アレックスの電話から始まった。


「ユウキ・・・、もしかしたら、
 例の入場料を募金に回すのが
 できなくなるかもしれない。

 ・・・詳細は後で話すよ。」


一体何が起こったんだ・・・?

心配しながら劇場に着くと、
最悪の事態が俺を待っていた。


++++


今回の劇場は、震災募金集めに、
総力をあげて協力してくれていた。

雇われステージマネージャーの「アレックス」を陣頭に、
劇場スタッフの「ジョナサン」、そして演劇プロデューサーの
「アニー」の3人が協力体制を敷き、

 「ユウキを観に来た人は、全員タダで入場させ、
  その代わりに、いくらか募金して貰う。」

という方針を、これまでずっとサポートしてくれていたのだ。


でも一つだけ、心配事があった。


・・・劇場のオーナーの許可を取っていなかったんだ。


経営者のオーナーにそんな事聞いたって、
駄目って言う決まってる。

そこで、「アレックス」、「ジョナサン」、「アニー」の3人は、
日本の被災地に少しでも多くの募金を届けるため、
体を張って、秘密裏に今回の募金集めに協力してくれていたんだ。


 ・・・しかし、それゆえに事件は起こった。


今日は、月曜日という事で、先週と同じく、
代役の「ザマラ」が出演する事になっていた。

おそらく今日が、彼女にとっての出演最終日なので、
「ザマラ」は親戚12人を、今日の舞台に招待した。

親戚一同は車で5時間かけ、はるばるハリウッドまで
「ザマラ」の晴れ舞台を観にやって来たのだ。

・・・そしてザマラは、
そんな親戚一同が皆タダで入れるよう、劇場に電話をした。


ザ 「12人、お願いします。」

劇 「・・・え?どういう事?」

ザ 「ですから、タダ券を12人分お願いします。」

劇 「いや、タダ券は一人2枚のハズだけど。」

ザ 「でも私、これまでずっと毎日、
    代役として公演に来ていたけど、
    タダ券使ってないから・・・。」

劇 「タダ券は、一人につき一日2枚で、
    積み上がらないんだよ。」

ザ 「そんな・・・!!!
    車で5時間かけて来るのに!!!」

劇 「そうは言われても・・・。」

ザ 「じゃあ、ユウキはどうなの!?
    ユウキは何人でも招待できるじゃん!!」

劇 「それは、募金を効率的に集めるために、
    そういう約束をしたからだよ。
    タダで入場させれば、浮いたお金が募金に行くだろ?

    でもユウキとの約束は、今に始まったわけじゃなくて、
    一番最初から決めていた事だよ。

    そもそもユウキは、募金集めが条件で出演しているんだから。」


ザ 「もういいわ!他を当たってみる。」


自分の親戚のために必死になるあまり
頭に血が昇ったザマラは、
ここで、劇場のオーナーに電話をしてしまった・・・


ザ 「ユウキは、募金集めのために何人でも
    タダで入場させられるのに、
    私は親戚も入れられないのは、不公平だわ!
    タダ券を12枚、お願いします!!」


オ 「?????」


当然、劇場のオーナーはザマラが何を言っているのか
さっぱり分からない。

募金を促すためにタダで入場させるって話は、
オーナーは全く知らされていなかったのだから・・・。


オーナーは、演劇プロデューサーの「アニー」に電話をして
詳しい事情を聞いた。

・・・なるほどね。そんな事が起こっていたとは。


意外な事に、オーナーは募金には
一定の理解を示してくれたそうだ。

ただし、「12枚のタダ券」は絶対にダメだと念を押した。


・・・でもザマラは引かない。

$15のチケットが12枚で、$180だ。
そう簡単には引き下がれない。


ザ 「私は、これまでずーーーっと代役として毎日待機してきた。
    みんなのメイクも手伝って来た。
    だから、そんなに多くを求めてるとは思わない。、
    自分の最終公演に家族ぐらい入れてくれてもいいじゃない!
    私にも、少しぐらい融通きかせてくれてもいいじゃない!!」


もし俺達がオーナーだったら、
喜んでザマラの親族を入れてあげただろう。

・・・でも、ここの劇場のオーナーは、そう簡単には例外を認めない人なのだ。
だからそもそも、オーナーには秘密だったんだけど・・・


ザマラがあまりにも激しく要求するものだから、
ここでとうとう、オーナーの堪忍袋の尾が切れてしまった。


オーナー 「これ以降、全員、特別扱い、一切無し!!

        全員のタダ券も、今後一切無し!! 以上!!」


そして・・・、今に至っているワケだ。


ザマラは控え室で泣きじゃくっている。
とてもじゃないが、公演前だとは思えない雰囲気の悪さだ。

ステージマネージャーのアレックスは、
ザマラに秘密をバラされるも、
彼女の状況にも理解を示し、
劇場関係者のジョナサンと協力して、
12枚で$60という破格の値段を提示した。

そしてそれを、俺と主演のジェリーが
ザマラのために、二人で肩代わりして出す事にした。

これでとりあえず、ザマラの家族はタダで入れる。
ザマラはようやく落ち着きを取り戻した。


・・・あと問題は、募金の方か。

これまでは、オーナーにバレていなかったから
大丈夫だったけど、オーナーが「一切無し!!」
と宣言してしまったから、どうしようも無い。

・・・さすがに、
 「劇場に$15支払って、募金しに来て下さい!」
とは言えないぞ。


俺が今回の舞台に参加した一番の目的は
募金集めだったので困り果てていると・・・

アレックスとジョナサンがやってきた。


「・・・ユウキ、今から言う事は、
 他のキャストには、絶対に秘密だ。

 とりあえず、今週の水曜日までは、
 どうにかしてタダで入れる。

 大丈夫。俺達に任せてくれ。

 気兼ねせず、何人でも呼んで欲しい。
 少しでも募金が余分に集まれば、
 俺達はそれでいいんだ。

 ・・・でも、来週の約束は、残念ながらできない。

 一応頑張ってみるけど・・・、どうなるか分からない。

 だから、とにかく今週の水曜日までに、
 できるだけ多くの人を呼んで欲しい。

 ・・・もちろん、他のキャストには、絶対に内緒だよ。」


かぁーーーー!!!そこまでするか!!!!!

この二人には、どれだけ感謝しても、感謝しきれない。
日本のために、どうしてそこまでしてくれるのか。

俺は、この二人の好意を無駄にしないよう、
明日と明後日の二日間、全力で人を集めよう。

・・・他のキャストにバレないように。


++++


あ そういえば 今日もこの後で公演でした 


 ぼくは  とても  がんばりました

 ほんとうに  とても  がんばりましたよ

 じょうだん  じゃ  ないよ!

 ざまら も がんばりました

 ざまら は うれしい

 ぼく も うれしい


・・・さあ、明日も頑張ろう!!

アレックスとジョナサン、そしてアニーの好意を無駄にしないよう、
明日(火)と明後日(水)、是非劇場までお越しください!!

そして入口で、

 「Yuki Matsuzakiの知り合いです。入場料を募金したいです。」

と言ってタダで入場し、入場料を募金箱に入れて下さいな!!!!


・・・舞台って、毎日毎日問題が起こってにぎやかね~


<募金額>
■今日:$141.77
■合計:$957.32

投稿者 ユウキ : 23:35 | コメント (4)

2011年08月03日  舞台劇『ブリッジ』

橋でも空でも地底でも

舞台劇「BRIDGE」の公演7日目。

今日は開演前に、ちょっとしたゴタゴタがあった。

キャストと代役の「ザマラ」が揃ったところで、
監督のケリーが持ち出した。


「みんなも良く知ってる通り、
 代役のザマラは本当に一生懸命
 今回の舞台に尽くしてくれていると思うの。

 リハーサルにも一番最初から参加してるし、
 「女装男」のメイクも手伝っているわよね。

 ・・・そこで相談なんだけど、
 ザマラにあと2公演、
 舞台に立つチャンスをあげれないかしら。

 本当は、今週の月曜日と、
 来週の月曜日だけの予定だったけど、
 追加公演の16日(火)と17日(水)も、
 ザマラを出してあげたいの。

 その二日間のうち、どちらか一方で「ヤク中女」を演じて、
 もう片方で「女装男」を演じるってのはどうかしら。

 ツーラン、ジョジー、あなたたちはどう思う・・・?

 もちろん、「ヤク中女」と「女装男」は
 本来あなた達の役だから、
 あなた達の同意がなければやらないけど、
 私はどうしてもザマラの努力に報いてあげたいの。」

 どうかしら・・・?」


・・・・・・。


ツーランも、ジョジーも、
いきなりの事に、言葉を失っている。


・・・言葉を失って当然だ。
だって17日(水)は、公演最終日なのだ!

もしかしたら、自分の役を演ずるのは、
その日が最後になるかもしれない。

でも、その日に自分の役でザマラが出演するとなると、
本来のキャストである自分自身は、
公演最終日に舞台に立てない事になる。

俳優は自分の役に命をかけているので、
これだけは、どう考えても承諾できるワケが無いのだ。


・・・しかし、ここでこの提案をむげに断ると、
ザマラの事を思いやらない
冷たい人間のように聞こえてしまう。

ザマラがどれだけ頑張っているか、
俺達が一番良く知っているんだ。


・・・とにかく、どう考えても、
二人はこの質問に簡単に答えられるハズがない。


そこで、俺が助け舟を出す事にした。


「・・・ケリー、
 おそらくツーランもジョジーも、
 かなり答えにくい質問だと思うから、
 俺が代わりに答えるけど・・・、

 思うに、ツーランも、ジョジーも、
 17日の最終公演日だけは、
 絶対に出演したいと思うんだ。

 その日が、自分のキャラクターを演ずる
 最後のチャンスだから。

 ・・・そこでさ、15日の月曜日に、
 もう一日だけ公演を増やすってのはどうかな?

 もし15日もやるんだったら、
 15日(月)と、16日(火)をザマラにやらせて、
 17日(水)の最終公演日は、本キャストで終われる。

 どうかな?」


「・・・それがね、劇場に確認したんだけど、
 もう完全に先のスケジュールが埋まってたの。

 ・・・唯一可能性があるのは、7日(日)だけ。

 でも、確かにユウキの言ってる事は一理あるから、
 ちょっと7日を押さえられるか、
 劇場に確認してみるわ。

 そしたら、7日(日)と16日(火)にザマラを出して、
 17日(水)は本キャストで終われる。

 ジョジー、ツーラン、・・・どう思うかしら?」


「・・・私は、やっぱり、ユウキが言ったように、
 17日だけは、どうしても出演したいかな・・・。」


「私も、17日は・・・。」


「・・・じゃあ、そうしましょう。
 できるだけ7日(日)にできるよう、
 劇場にかけあってみるわ。」


・・・おそらくこれは、開演前にする話題じゃなかった。

このミーティングの後、キャストのみんなは、
意図的にこの話題を避けていたので、
控え室のムードがおかしな事になってしまった。


・・・これがどのように影響したかは知らないが、
俺の身にも、異変が起こった。


通常、舞台に上がる時、
ちゃんと役になりきっていれば、
目の前に、こういう風景が広がっている。



橋の上から、川や夜景、満月などが望める。


 ・・・しかし、今日は違った。


舞台に上がった瞬間に、俺が見た風景は・・・、



うぎゃあああああああ、客席が見える!!!
月があるべき場所に、照明がぶら下がってる!!!


一瞬取り乱したけど、もう自分は舞台上だ。
逃げる事は絶対に許されない。

俺はストーリーの流れに身を任せながら、
役に入って行く事にした。


中盤ぐらいに差し掛かったところで、
ふと客席の方に目をやると・・・


そこには・・・川が広がってた。


・・・ほっ。良かった。
どうやら「役者」から、「役」に戻れたようだ。


こうして・・・何とか今日も無事に公演を終える事ができた。


・・・ちっくしょおおおお!ミスった!!!
俺のミスで、舞台のクオリティを下げてしまった!!

そもそも、こんな事が起こったのは、
今日の準備が甘かったからだ!

俺が手を抜かないで、しっかりと開演前の役作りをやっていれば、
客席が見えるハズが無いのだ!


俺にとっては何回もある公演のうちの一回に過ぎないが、
観客にとってみれば、たった一度限りの観劇なんだ。

だから、一度だって、手を抜くことは、許されない!!!!


・・・この反省を深く胸に刻み、残りの公演を全力で走りぬこう。


 (オフィシャルフォトより)


<募金額>
■今日:$90.55
■合計:$815.55

投稿者 ユウキ : 23:50 | コメント (6)

2011年08月02日  舞台劇『ブリッジ』

天の竪琴

舞台劇「BRIDGE」の公演6日目。

いつものように控え室で開演の準備をしていたんだけど、
今日は監督ケリーの様子がどうもおかしい。

・・・なんか妙にソワソワしてる。

うーむ、誰か有名人でも招待しているんだろうか?

・・・まあ俺は、観客が誰であっても、
常に全力でやるだけなんだけどね。


そんなこんなで準備を続けていると、
ステージマネージャーのアレックスが、
ニコニコしながら控え室に入って来た。


 「ユウキ!今日は君の友達がたっくさん来てるぞ!!
  ちゃんと、みんなタダで入場させたから!」


ほっ。良かった。さすがはアレックス!


 ・・・そして、舞台の幕が開いた。


なんと今日は・・・、特に問題が起こらなかった!

どうやら3週目にして、公演が安定してきたようだ。


公演後に募金箱を持って入口に立っていると、
これまでに例を見ないほど多くの募金が集まり、
なんと、現時点での最高募金額を超えてしまった!!

合計金額も、$700を突破!


 みなさん、ありがとうございました!!!


・・・よし、明日も公演だ。全力で行こう。


 (オフィシャルフォトより)

<募金額>
■今日:$252
■合計:$725

投稿者 ユウキ : 23:43 | コメント (6)

2011年08月01日  舞台劇『ブリッジ』

牧師の泣き所

舞台劇「BRIDGE」公演5日目。

今日は月曜日だけど、舞台公演があった。

本日の主役は、「ヤク中女」と「女装男」の代役を務めている「ザマラ」だ。

・・・実は今日の公演は、
「ザマラ」のために用意された、特別公演だったんだ。

「ザマラ」は代役なので、キャストが何らかの理由で
出演できなくなった時に備え、
セリフも、キャラクターの動きも、全てしっかり覚えている。

でもそれは、逆に何も問題が起こらなければ、
全く出番が無いまま公演が終わってしまう、という事だ。

・・・せっかくセリフを全部覚えているのに、
一度も舞台に立てないのは可哀相なので、
そんなザマラにも出演の機会を与えるために、
今日の公演がセットアップされたというワケだ。


ザマラはセリフを3行すっ飛ばすも、見事に「ヤク中女」を演じ上げた!


++++


・・・公演が始まってもう三週目に入るけど、
今日から、第三幕の役設定が変更になった。

第三幕の登場キャラクターは、「女装男」と「サックス奏者」だった。

しかし、「女装男」を演じている「ツーラン」は女なので、
やっぱりちょっと、設定に無理があった。

どうやら監督の方にも、
 「残念ながら、どう見ても女装した男には見えない」
という反応が、いくつか来ていたらしい。

・・・そこで、完璧主義の監督ケリーは、
今日から、「女装男」の役設定を、
「女性ホルモン療法を受けている男」に、変更する事にした。

「心と身体の性の不一致」で女性ホルモン剤を服用しているので、
身体が女っぽく見えても問題無い!・・・というワケだ。

さて、この変更が吉と出るか。


++++


今日の観客数は、月曜公演の宣伝不足もあって、たったの7人。
しかも、そのうちの4人が劇場関係者だ。

必然的に募金額も・・・とても寂しい結果となった。


明日と明後日は通常公演なので、たくさんの来場が予想される。

さー、気合を入れて、公演と募金集めを頑張ろう!


<募金額>
■今日:$2
■合計:$473

投稿者 ユウキ : 23:31 | コメント (3)

2011年07月27日  舞台劇『ブリッジ』

招かれざる客

舞台「BRIDGE」の公演4日目は、
とても奇妙な公演となった。

それというのも、一人の女のせいだ。

・・・仮にこの女を「アリサ」と呼ぶ事にしよう。


なんとこのアリサ、観客として最前列に座り、
公演中、ずーーーーーっと喋り続けたのだ。

当然、舞台を観に来ていた他の観客は、
彼女のせいで舞台に集中できないし、何より興を削がれる。

・・・でも実は、それこそが彼女の狙いだった。


アリサの目的はただ一つ。公演をぶち壊す事。


しかし一体なぜ、彼女はそんな事をするのだろうか。

・・・それは、今回の舞台の監督、「ケリー」を恨んでいるからだ。


なんと、監督のケリーと、このアリサは、
20年以上前に同じ演技学校で演技を学び、
一人の男を奪いあった仲だったのだ。

アリサは今でもその事を根に持っていて、
こんなメールを何百通もケリーに送りつけていた。


 「私の男を取ったわね!この汚いメス犬!」


・・・ケリーは、こんなアリサに出来るだけ関わらないように
していたそうなのだが、ある日突然、アリサは舞台「BRIDGE」の
オーディションに参加したい、とケリーに申し出てきた。

怪訝に思いながらも台本を送ってあげたところ、
アリサは、堂々とオーディション会場に現れた。


監督「ではアリサ、どうぞ。」


アリ「・・・無理よ。」

監督「・・・は?」

アリ「・・・まだ準備ができてないの。」

監督「・・・でも今日が、オーディションの最終日よ?」


アリ「まだ準備ができてないの!!!!
    セリフ覚えてないの!!!!」


・・・当然、ものの見事に落選。

まあ、シーン自体を演じていないので、
受かるワケが無いんだけれど。


でも、ここからがアリサの凄いところ。

なんと、今度はオーディションに落ちた事を根に持って、
キャストされた女優達に、恨みのメールを送り始めたのだ。


 「私の役を取ったわね!この汚いメス犬!」


・・・そして、とうとう今日、
嫌いな監督と嫌いな女優が出演している演劇を
最前列から、ぶっ潰しにきたというワケだ。

アリサは、「演技で」笑うのではなく、「演技を」あざ笑った。
役者のセリフに、わざと大声で応えたりもした。


・・・でも、なぜだか、俺のシーンの間は比較的静かだった。

おそらく、俺の役ではオーディションに参加していないので、
俺の事はそんなに恨んでいないのだろう。


・・・こうして、奇妙な公演はなんとか幕を閉じた。


公演を壊された監督や、
ステージマネージャーの「アレックス」は怒り爆発だ。


 「次に来たら、確実に叩き出す!!!」


ひいー


公演後、募金箱を持って出口に立っていると、
今度は観に来てくれた友人達が、驚くべき行為に出た!

・・・なんと、財布の中に入っていた現金を、
1ドル残さず、全て募金箱に入れたのだ!!!


 なんたる軽率な行動!!

 なんという暴挙!!!!

 素晴らしい!!!! ありがとう!!!!


友人達のおかげもあり、募金額はこれまでの最高額を記録した。


よし、来週も公演と募金集め、頑張ろう!
ぜひぜひお越しくださいな!!


<募金額>
■今日:$172
■合計:$471

投稿者 ユウキ : 23:54 | コメント (6)

2011年07月26日  舞台劇『ブリッジ』

はなったれ

今日から舞台「BRIDGE」の公演二週目だ。


キャストの控え室で、公演前の準備をしていると、
劇場関係者のジョナサンがやってきた。


 「・・・ユウキ。例の福島の募金の折り込みチラシの事だが・・・」


・・・どきっ。何を言われるのだろうか・・・。
まさか、チラシをプログラムに折り込むのに反対とか・・・。


 「・・・チラシ、もう無いのか?
  ・・・全部折り込んだから、もう無くなった。」


はぁーーー。びっくりした。

・・・ほらね。やっぱりジョナサンも募金に協力的なのだ。


舞台の方は、今日から全体的なまとまりがでてきた。
昨日のリハーサルの成果が出ているのかもしれない。


公演後の募金集めは、
観に来てくれた友人が、大金を募金してくれたので、
予想外のトンでもない額になった。ありがとう!!!!

さあ、明日も頑張ろう!


<募金額>
■今日:$146
■合計:$299

投稿者 ユウキ : 23:44 | コメント (4)

2011年07月25日  舞台劇『ブリッジ』

平行線ビーム

今日は実際の劇場を使って、午後3時から6時まで、
舞台の立ち稽古を行った。

公演はもう始まっているけど、俺達は「一週間遅れ」なので、
全体のクオリティを上げなきゃいけないのだ。


今日の稽古は、「ストーリーの流れ」と、
「繋がり」に重点を置いて行われた。


監督が、主役のジェリーに語りかける。

「あなたが演じているサックス奏者の役は、
 他のどの役よりも人生経験があって、
 言ってみれば、「悟っている」、というキャラクターなの。
 他の役を、できるだけ暖かい目で見守って欲しいの。

 そこで今日は、こういうリハーサルをします。

 まず、それぞれの演技パートナーと向き合い、
 お互いの目を見ながら、セリフを通します。

 ・・・ジェリー、あなたには、
 自分のパートナーが一体何を考え、
 何をしているのか、注意深く見ていて欲しいの。」


そこで、それぞれのパートナーは向き合って椅子に腰を下ろし、
お互いの目を見ながら、最初から最後までシーンを通した。

監督の狙い通りだったのかは知らないが、
一番大きな変化が表れたのは、ジェリーだった。

それまでは、大声で怒鳴って言っていたセリフの数々が、
優しく、語りかけるような口調に変わったのだ。


明日から公演2週目だ。
気合を入れて頑張ろう!

投稿者 ユウキ : 23:26 | コメント (2)

2011年07月20日  舞台劇『ブリッジ』

せきむ

舞台「BRIDGE」、公演二日目。

劇場に入ると、ステージマネージャーのアレックスは
さっそく開演の準備に取り掛かっていた。

・・・俺は、例の「募金」の話をするため、アレックスに歩み寄った。


俺「・・・アレックス。昨日は本当にありがとう。
   さっそく今日、6人くらい来るかもしれない。」

ア「え?そ、そう?・・・うん、何とかするよ。」


あれれ??なんだか少し、自信が無さそうだぞ。


ア「・・・実は、まだ劇場関係者のジョナサンに、
   この事を、まったく話して無いんだ・・・。」


・・・え? なんだってー!!!


アレックスは、今回の舞台だけのために雇われた、
ステージマネージャー(雑用担当)で、
実際にチケットを販売するのは、劇場関係者のジョナサンなのだ。

ジョナサンに話が通ってないと、
当然、タダで劇場に入る事なんて、できやしない。

・・・それはマズイぞ。

俺はもう確定済みだと思って、思い切り、

 「Yuki Matsuzakiの知り合いだと言えば、タダで入れます!
  その代わり、震災の募金箱に募金して下さい!!!」

と、皆に宣伝しちゃったぞ!!


・・・そこで、俺はアレックスと連れ立って、ジョナサンの所へ、


ア 「・・・ジョナサン、ちょっといいかな。」

ジョ「どうした?」


ジョナサンは手を止めて、こちらを見上げた。


ア 「・・・君もユウキが震災の募金を集めてる事は知ってるよね。

ジョ「ああ、知ってる。」

ア 「・・・それでね、・・・あの、例えば、チケットの割引とかって、
   普段はどういうふうにやってるのかな。」


ジョ「・・・チケットは$15、学生やシルバー、そして団体(4人以上)は$12。
   それとは別に、出演者は一公演につき2枚ずつ、タダ券が貰える。」

ア 「・・・なーるほど。
   それで・・・、ユウキがどれだけ頑張ってるかは、
   舞台を見ている君も知ってるよね。」

ジョ「・・・・・・。」

ア 「ユウキの知り合いで、募金が目的で来る客を、
   無料で劇場入れて、代わりに募金にして貰うってのは・・・どう思う?」

ジョ「・・・・・・。」

ア 「・・・もちろん僕も、劇場に利益が出るようにしたいと思ってる。
    だから、僕が劇場に寄付してるワインを売店で売れば、
    劇場にも、いくらかお金が入るよね。」

ジョ「・・・・・・。」

ア 「それにほら、こういう慈善活動をすれば、劇場に
   お客さんがたくさん来るし、劇場の評判だってあがるしさ。

   ・・・お互いに、損にはならないと思うんだ。」


ジョ「・・・まあ、何らかの形で劇場お金が入って来るなら俺自身は、」
ア 「ありがとうジョナサン!!」


大声でお礼を言って、
そそくさとジョナサンの元を離れる、アレックスと俺。


本当に今ので、了解が得られたと解釈していいんだろうか・・・?


アレックスは、自信満々だ。

「ユウキ、大丈夫。心配いらない。
 俺がどうにか入れるから。気にせず、人を呼んでくれ。

 ・・・実はさ、さっきもちょっと言ったけど、
 ユウキの客をタダで入れるために、
 ワインを大量に買って、劇場に寄付したんだ。

 劇場は、そのワインを売店で売ってるから、
 元手が0で、儲けが出るって寸法だ。

 ・・・だから、嫌とは言わせない。

 大丈夫。心配いらない。
 ジョナサンも絶対に反対しないハズだ。」


凄いなアレックス。日本のために、そこまでするか。
俺はアレックスの好意を無駄にしないよう、頑張らねば。


・・・公演二日目の舞台は、昨日より、静かな舞台となった。


定員80人の劇場に98人がひしめいていた昨日とは違い、
今日の客は、20人前後しかいない。

昨日が「熱い演技のぶつかり合い」という感じだったのに対し、
今日は「静かな演技のオーケストラ」という感じだ。


・・・やはり、舞台は生き物だ。
毎回毎回、違った舞台になる。

でもきっとそれが、舞台の魅力なんだろう。


・・・今日はもの凄い勢いで募金が集まった。
プログラムに募金のチラシを折り込んだのが良かったのだろうか。


集合して監督からコメントを貰った後で、セットの後片付けをしていると、
劇場関係者のジョナサンが歩み寄って来た。


ジョ「・・・今日の募金、どれぐらい集まった?」

俺 「$84ドルも集まったよ。」

ジョ「それは凄い!・・・良かった。」


ジョナサンはにっこり微笑むと、どこかへと歩いて行った。
彼もまた彼なりに、裏で募金に協力してくれているのだろう。


・・・さあ、来週も頑張ろう!!


LAにお住まいの方は、
ぜひぜひお越し下さいませませ。

そして劇場の入口で、

「Yuki Matsuzakiの知り合いで、
 募金をするために来ました。」

と伝えて下さいな。
おそらく・・・タダで入れるハズなので。

もしもダメな時は・・・、許して!!ごめんなさい!!


<募金額>
■今日:$84
■合計:$153

投稿者 ユウキ : 23:19 | コメント (6)

2011年07月19日  舞台劇『ブリッジ』

月明かり

今日はいよいよ公演初日だ。

・・・気持ちは、不思議と落ち着いている。


控え室で役の事を考えていると、
ステージマネージャーの「アレックス」が、
嬉しそうな顔で、ドアから入ってきた。


 「みんなの座ってる椅子を、貰ってもいいかな?」

 「どうしたの?」

 「席が足りないんだ。」

 「・・・え?」

 「満席で、席が足りないんだ!!」


アレックスは、椅子を何脚か抱えると、
また笑顔でドアから出て行った。


・・・満席か!


キャストの4人は、
控え室にあるモニターの前へと移動し、
モニターで客席の様子を伺った。


・・・ほー、すげえ。舞台のすぐそこまで、客が座ってる。

でもこれで、俺が昨日みたいに客席に落ちたりしたら・・・、
それは、大事故になってしまうぞ。


危機感を持った俺と主役のジェリーは、
昨日のような事故が起こらないよう、
いくつか振り付けの変更を行った。


 さあ、開演の時間だ!!


公演は・・・、今までで、最高の出来だった。

満席の観客の熱気に煽られ、
俳優達は、より一層、演技に熱が入った。


・・・公演が終わると、俺は自作の募金箱を持って
劇場の入口に立ち、チラシを配って、募金を呼びかけた。


実に、たくさんの方々が、募金してくれた。


今日の公演を観に来ていた友人が、
大金を手に、俺に言った、


 「なぜかね、私をタダで劇場に入れてくれたの。
  だから代わりに、募金箱にお金入れるね。」


・・・そう、どういうワケか、ステージマネージャーの「アレックス」が、
客が俺の知り合いだと分かり次第、
タダで入場させているようなのだ。

なぜなんだろう・・・と、不思議に思っていると、
アレックスが真面目な顔で、俺に近づいて来た。


「ユウキ、この前、君は俺に

  『自分がこの舞台に出演するのは、
   震災の募金を集めるためだ。』

 ・・・と、言ったよね。

 俺は、本当に心から君に協力したいと思ってるんだ。
 だから・・・、これから言う話を、良く聞いてくれ。


 これからの公演で、劇を観に来た客が、入口で俺に、

  『私は、Yuki Matsuzakiの知り合いです。』

 と言ったら、俺はその人をタダで入場させる。


 ・・・うん、俺は本気だ。何人だろうとタダで入れる。

 20人でも。100人でも。本当に。


 そして・・・、その人達に、

 『代わりに、そのお金をユウキの募金箱に入れて下さい。』

 と言うつもりだ。

 そうすれば、その人達の入場料が、
 ダイレクトに被災地に行く・・・だろ?


 ・・・劇場のオーナーが何と言うか、なんて知ったこっちゃない。

 だってユウキ、君は毎日、募金を集めるために、
 全身全霊を込めて、演技してるじゃないか!

 君を観に来る客が出すお金は、被災地の為に使われるべきだ!
 それが劇場の収入になるのは、俺は違うと思う!


 ・・・だから、どうぞ、たくさんの人を呼んでくれ。

 そして、その人達に、

  『Yuki Matsuzakiの知り合いです。』

 と入口で言うように、伝えてくれ。


 ・・・これが、俺自身が被災地のために出来る事なんだ。」


アレックスは、心から被災地の事を思ってくれている。

ここは彼の好意に甘えて、泥臭く募金を集めようと思う。



■題名「BRIDGE」
公式サイト(英語)

■公演日時:
7月 ・・・ 19日(火)、20日(水)、26日(火)、27日(水)
8月 ・・・ 2日(火)、3日(水)、9日(火)、10日(水)

■開演:午後7時半

■場所:
Write Act Repertory Theatre
6128 Yucca St., Hollywood, CA. 90028
(North of Vine St – two blocks east of Historic Landmark Capitol Records Building)
Free parking in the lot on the south side of St. Stephen’s Church at 6125 Carlos Ave.

■入場料:
一般 ・・・ $15.00  |  学生・シルバー・グループ ・・・$12.00

■予約
電話 323-469-3113
オンライン http://www.brownpapertickets.com/event/180057


どうぞみなさま、お誘い合わせの上、お越しください。

そして入口で、

 「Yuki Matsuzakiの知り合いです。」

と言ってタダで入場し、

その入場料を、代わりに震災の募金箱に入れて下さいな。



今回の舞台で集まった募金は、赤十字などの団体を一切通さず、
最終公演が終わり次第、俺自身が
 「福島県災害対策本部」
に国際送金で、直接送る事になっている。

国際送金に掛かる約30ドルの手数料は、俺が負担するつもりだ。


さあ、明日も公演&募金集め、頑張ろう!


<募金額>
■今日:$69
■合計:$69

投稿者 ユウキ : 23:26 | コメント (6)

2011年07月18日  舞台劇『ブリッジ』

ひゅ~すとん

昼の12時から、実際の劇場を使って、舞台の最終リハーサル。

まずは、可能な限り感情を抑えて、
最初から最後まで、二度、通し稽古を行った。

今回の舞台は、精神的にかなり消耗するシーンを
全身全霊を込めて演じなければならないので、
本番用に、スタミナを温存しなきゃいけないのだ。


・・・そして、いよいよ、招待客を入れての、最終リハーサル。

最終リハーサルでは、実際に客が入っているので、
舞台上でたとえ何が起こっても、演技を続行しなければいけない。


 そう、たとえ何が起こっても・・・。


俺が出演している第二幕は、実に順調なスタートだった。
全てが、リハーサル通りに進んでいた。

異変が起こったのは、5分後。

主役の「サックス奏者」を演じている「ジェリー」が
橋(舞台上)から、川(観客席)に飛び降りようとしている俺を、
力ずくで止めるシーンがあるのだけれど・・・、


・・・ジェリーの手が滑って、俺が川(観客席)に落ちてしまったんだ。


 スタッフ全員が息を呑んだ。


・・・俺自身、これはマズイぞ!と焦った。
だって、俺が川(観客席)に落ちたら、そこで話が終わってしまう!


・・・そこで、咄嗟の判断で、なんとか「悪あがき」をする事にした。


俺は自分の左足をどうにか舞台の上に残し、
「橋の欄干」に、自分の足が引っ掛かってるフリをしたんだ。


もっちろん、上半身は、もう完全に川の中(観客席)だ。


予想外のハプニングでパニック状態のジェリーは
その足を掴み、俺をなんとか舞台上に引きずり戻す。

どうにかこうにか舞台上に戻った俺は、
一連の動きが、さも「台本通り」だったかのように、
そのまま、シーンを続行する。

セリフを言いながら舞台の反対側へと移動し、
そこで振り返って、ジェリーの目を真っ直ぐ見てみて・・・、驚いた!


 うわーっ!ジェリーの目が、完全に素に戻ってる!!


・・・おーい!!ジェリー!シーンを続行するぞ!!!

ジェリーをキャラクターに戻すため、
俺はいつもよりも感情を込めて、セリフをぶつけた。


そして・・・、なんとか・・・、第二幕を終える事ができた。


控え室に戻ると、監督が全力で駆け寄って来た。

 「ユウキ!!!大丈夫!?ケガしてない!?」

・・・幸い、ケガはヒジをすりむいた程度だ。

 「良かった!大怪我してないか、本気で心配したのよ。
  ・・・でも、あなたのおかげで、なんとかシーンが成立したわ。
  本当にありがとう。
  ジェリー、ちゃんと掴まないと、ダメでしょう!!」

 「掴もうとしたけど、手が滑ったんだ・・・。ごめん。」


・・・実際の公演で同じ事故が二度と起こらないよう、
落下防止用の「滑り止め」を設置する事に。


リハーサルが終わった後、監督がキャストを集めて言った。


「現時点の舞台の完成度は、『公演一週間前』って所です。
 ここまで来たら、とにかく全力を尽くしましょう。」


うわーお。公演初日は、明日だ。

・・・一週間遅れらしいから、
少なくとも最初の一週間は、人は呼べないな。

投稿者 ユウキ : 23:29 | コメント (3)

2011年07月17日  舞台劇『ブリッジ』

どっかーーーん

昼の12時から夜の11時まで、
実際の劇場を使ってのリハーサル。

今日のリハーサルは、11時間とかなり長いので、
みんなで食べ物を持ち寄った。

俺は、飲み物担当だ。



今日は、台本を最初から最後まで
ノンストップで通す、「通し稽古」を二度やった。

一度目は、照明の最終確認がメインだったのでスタミナを温存し、
二度目の通し稽古で、キャスト全員が演技を爆発させた。


・・・おおおおお、中々サマになってきたぞ。



今回の舞台は三幕構成になっている。

 第一幕 20分 サックス奏者&ヤク中女
 第二幕 20分 サックス奏者&日本人ミューシ゛シャン
  (休憩)
 第三幕 40分 サックス奏者&女装男

俺が登場するのは、第二幕だ。

現時点でちょっと心配なのは、唯一未完成な第三幕だ。
一番長くて、重要なシーンだから、それだけに難しい。


・・・きっと大丈夫さ。あと1日ある。


明日は、招待客を客席に入れて、
本番通りのオープンリハーサルが行われる。

・・・さあ、全力を尽くそう!

投稿者 ユウキ : 23:38 | コメント (3)

2011年07月16日  舞台劇『ブリッジ』

光のダンス

今日は、午後1時から5時まで、
実際の劇場を使っての、舞台のリハーサル。


今日のリハーサルは、
主に舞台照明の打ち合わせだった。

どのタイミングで、舞台のどこを、どれだけ照らすか、
照明機材に、デジタル入力していく。


 「次は、『離せ!』というセリフのタイミングで、
  41番の照明を、25%の明るさでお願い。」



・・・公演初日まで、あと3日。

投稿者 ユウキ : 23:23

2011年07月15日  舞台劇『ブリッジ』

心の噴水

とある稽古場を使って、
午後2時から6時まで舞台の立ち稽古。

主役のジェリーがフロリダから帰って来たので、
1週間ぶりのリハーサルだ。

今日は、主役のジェリーと息がピッタリ合い、
俺が出演する第二幕のクオリティが大幅にアップした。

監督も大喜びだ。


公演初日まで、あと4日。

投稿者 ユウキ : 23:12

2011年07月07日  舞台劇『ブリッジ』

ようかん

舞台のリハーサルが一週間、キャンセルになった。

というのも、主役のジェリーが、
フロリダに行かなきゃいけなくなったからだ。

なんでも、裁判所から呼び出しが来ていて、
出廷しなければ、ジェリーが所有している土地を
没収されてしまうらしい。

・・・主役のジェリーがいないとリハーサルが成立しない。

このタイミングで1週間のロスは、かなり痛い。

再来週には本番だ。
さーて、どうなる事やら・・・

投稿者 ユウキ : 23:40

2011年07月03日  舞台劇『ブリッジ』

怒り面にアブ

とある稽古場を使って、
午後5時から8時まで立ち稽古

「サックス奏者」の役を新たに頼むハズだった「有名俳優」は
術後の経過が思わしくなく、ドクターストップが掛かったそうだ。

・・・そこで、代役のジェリーが正式なキャストに昇格した。

ジェリーは、クビになったデリック(仮名)ほど
経験は無いけど、とても真面目で、信頼のおける人だ。

この人だったら、何とか公演にこぎつける事ができるかもしれない。


公演まで、残すところ2週間ちょっと。

現時点では、とてもじゃないけど
お金を取れないクオリティだ。

・・・とにかく全力を尽くそう。

投稿者 ユウキ : 23:20

2011年06月29日  舞台劇『ブリッジ』

どらまてぃっく

実際の劇場を使って、
6時から真夜中まで立ち稽古


今日は、監督が客席の最後列に座り、
声量のチェックを行った。


今回の舞台では、当然ながら、「舞台演技」が要求されている。


「舞台演技」と「テレビ・映画演技」の大きな違いは、
演技の距離と、演技の間だ。

・・・テレビ・映画では、自分の演技パートナーが、
30センチの距離にいたら、
30センチの距離の演技をする。

5メートルの距離にいたら、
5メートルの距離の演技をする。


しかし舞台では、たとえ相手が30センチの距離にいても、
観客席の最後列まで届く声で、演技をしなくちゃいけない!!

客席の大きさに合わせ、仕草や演技を大きくしたりもする!!

まあね!!今回の客席は80席程度なので、
そこまで大きくしなくてもいいんだけどね!!


・・・もう一つは、・・・間だ。


特にテレビでは、番組の尺が決まっているので、
本当に必要な時しか、間を取らない。

「これ、あなたがやったんでしょ?」
「いや、俺じゃない。」
「でもね、あなたがやったという証拠があるの。」

高速キャッチボールのように、セリフが飛び交うのだ。


・・・しかし舞台では、・・・独特の間が存在する事が・・・かなり多い・・・。

「・・・これ、・・・・・・あなたがやったんでしょ・・・?」
「・・・いや、俺じゃない・・・。」
「・・・・・・でもね、・・・あなたがやったという証拠があるの・・・。」

・・・なぜか、それぞれのセリフの後に、間が開くのだ・・・。

・・・・・・しかも、これがコメディ舞台だったりすると・・・、
観客の笑い声が収まるまで・・・、
・・・・・・ひたすら待たなきゃいけなかったりする。


俺自身も、今回の舞台は、監督の要望で「舞台演技」をしている。


・・・間も・・・・・・、十分すぎるほど取る。 声も張る!


・・・・・・さあ、リハーサルも残り少ない・・・。

・・・頑張ろう・・・。 頑張ろう・・・。 頑張ろう!!

投稿者 ユウキ : 23:58 | コメント (1)

2011年06月28日  舞台劇『ブリッジ』

エンジン交換

実際の劇場を使って、
午後6時から12時まで立ち稽古


まずは監督よりコメント。

「キャストのみんなに連絡があります。

 デリック(仮名)をキャストから降ろしました。

 ・・・理由は、みんな言わなくても分かってると思うので、
 ここでは、あえて言いません。

 代わりに、とある有名俳優を連れて来る予定です。
 彼はつい最近、大腿骨の手術を受けたので、
 公演初日には、おそらく間に合いません。
 もし参加するとしても、2週目以降になる予定です。
 
 それまで期間は、デリック(仮名)の代役として
 最初から参加していたジェリーが、サックス奏者の役を演じます。
 ジェリー、お願いね。

 それと、サックス奏者が実際にサックスを吹くシーンをカットして、
 代わりに、本物のサックス奏者に演奏して貰います。
 ちなみに今日は、アランにお願いしています。

 では、リハーサルを始めましょう。」



・・・公演まで、残りあと3週間

投稿者 ユウキ : 23:58

2011年06月27日  舞台劇『ブリッジ』

ダビデの噴火

午後8時から、11時半まで、
とある教会の聖堂跡で、舞台の立ち稽古。


今日のリハーサルは、荒れに荒れた。

問題を起こしたのは、
またも、主役のサックス奏者役の俳優だ。

・・・仮に、この俳優を「デリック」と呼ぶ事にしよう。


発端は、デリックが観客席に背を向けて
セリフを言っていたのを、監督に注意された事だった。

すると・・・、なんとデリックは逆ギレ。

 「んな事、言われなくたって、分かってるよ!
  俺を何だと思ってるんだ?俳優だぞ!
  これまで、70個以上、舞台に出演してんだぞ。」

と、自分の方が舞台の経験があると言わんばかりに、
監督を小馬鹿にした態度を取り始めたのだ。


・・・監督は、その時は何とか堪えたけど、
「デリック」が更に調子に乗って、自分がセリフを覚えていないのを
監督のせいにし始めたので、監督も爆発。

30分以上に渡り、大喧嘩が始まってしまった・・・。



デ「あのさ、さっき、俺のセリフが出てこなくて
   シーンが止まったのを注意されたけど、
   セリフが出てこない時に、俺にセリフを教えてくれるのは、
   アンタの責任だろう?それでも監督のつもりかよ。」

監「デリック、今、あなたとケンカをしている暇はないの。
   来週までに、必ずセリフを覚えて来て頂戴。
   じゃ、リハーサルに戻りましょう。」

デ「いや、これだけはハッキリさせて貰う。

   俺は別に、アンタに俺のセリフを言えと言ってるんじゃない。
   代わりに、別の誰かを用意してくれりゃいい。
   でもそれは、アンタの責任だ。俺の責任じゃない。

   俺のセリフが出てこないでシーンが止まったのは、アンタのせいだ。」

監「デリック、お願いだから、今はやめて。
   リハーサルしなきゃいけないから。ね?
   あなたも、いい大人なんだから、分かるでしょ?

   来週までに、セリフを覚えて来てね。
   はい、この話は、これで終わり。」

デ「はぐらかすな!!
   何でもかんでも、俺のせいにしやがって!」

監「デリック、座りなさい!
   いい加減にしなさい!」

デ「なあ!!みんなそう思うだろ!?
   俺のせいじゃないんだ。コイツのせいなんだ!
   コイツが監督として無能だから・・・」

監「デリック、いいから座れっ!」

デ「なあ!!おい!!どう思うよ!!
  俺のせいだと思うか?なあ!!」


・・・なんなんだ、このガキは。
これが、良い年したプロの俳優のやる事か?

今日は、デリックのせいで、
リハーサルの半分近くが無駄になった。


・・・だめだこりゃ。

投稿者 ユウキ : 23:51 | コメント (3)

2011年06月26日  舞台劇『ブリッジ』

ダビデの暴走

午後6時から、9時まで
とある稽古場で、舞台の立ち稽古。



俺がリハーサルに参加し始めて、もう一週間が経ったけど、
どういうワケか、主役の「サックス奏者」の俳優が
未だ、俺のシーンのセリフを全く覚えていない。

台本を手に持ち、自分のセリフが来る度に
その場しのぎの演技をしているので、
リアリティがまっっっったく感じられないのだ。

・・・公演まで、もう3週間しかないのに!


しかも、それどころか、
その俳優が監督の指示を全く聞かなかったせいで、
監督と大喧嘩になり、リハーサルが15分も中断した。


・・・だ、大丈夫か、この公演。

投稿者 ユウキ : 23:31

2011年06月20日  舞台劇『ブリッジ』

ハウリング

午後7時から11時まで、舞台のリハーサル。

今日のリハーサル場所は、
とある教会の聖堂を利用して作られたホールだった。

幸い、セリフはもう全て覚えているので、
今日は、「立ち位置」を決める作業に入った。


・・・よし、このペースならば、
何とか公演に間に合うかもしれない。

残された数少ないリハーサルを
大切にしなければ。

投稿者 ユウキ : 23:39

2011年06月19日  舞台劇『ブリッジ』

橋の上で

スケジュールの都合で舞台劇に
出演できなくなった友人の代わりに、
急遽、俺が代役で出演する事になった。

ハリウッドの演劇の多くはタダ働きなんだけど、
今回のこの演劇も、例にたがわず無報酬だ。

公演までもう一ヶ月しか無いので、
さっそくリハーサルに参加してきた。



今日は、俺が初参加だったので、
台本の読み合わせを行った。

今回のキャストはとても少なく、

 ・サックス奏者
 ・麻薬中毒女
 ・日本人ミュージシャン
 ・女装男

の4人しかいない。

・・・俺が演ずるのは、日本人ミュージシャン。

役設定に、東日本大震災が大きく関わっているので、
劇場のロビーに募金箱を設置してもいいか、と監督に尋ねたところ、

 「ええ。劇場に確認してみるけど、問題無いと思うわ。」

と快諾して貰えた。

よーし。公演まであと一ヶ月。
募金がたくさん集まるよう、頑張って演じよう。

投稿者 ユウキ : 23:33