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2005年12月14日  演技全般

へーんしん!

今週の土曜日に大規模なヘッドショット(俳優の顔写真)の撮影をするつもりだ。
様々な職種の衣装を完全に揃え、「本物の写真」を撮ろうと思ってるんだ。

昨日と今日とで結構な数の衣装が揃ったので、
友人のナオコと共に「テスト撮影」をしてみた。

ナオコのビデオカメラに付いている低性能のカメラ機能を使って
撮影しているわけだが、
「衣装のカメラ映り」や「それっぽいポーズ」を研究するには十分だ。

俺が撮影しようと思っているのは次の「職種」

・登山家
・日曜大工
・郵便屋さん
・整備士
・犯罪人
・トラックの運転手
・ホームレス
・店員
・オタク
・アスリート
・侍
・兵隊
・ヒップホップ
・スタイリッシュ
・カジュアル
・コック
・看護師
・医者
・警察
・科学者
・政治家
・CEO
・紳士
・ビジネスマン
・レポーター
・記者
・弁護士
・マフィア
・生徒

これだけの数になると、衣装の数も膨大な物だ。
特に「医者」や「警察」などの専門職になると、
その職種に合った専用の「制服」が必要になって来る。

テスト撮影では、これらの衣装がちゃんと写真上で「本物」に見えるか試した。


郵便屋さん

ヒップホップ

登山家・レンジャー

カジュアル

日曜大工


ヒゲ面なのは「ホームレス」を最初に撮影する為なのでご容赦頂きたい。

さぁ、頑張って衣装を揃えなければ!

投稿者 ユウキ : 15:03 | コメント (2) | トラックバック

2005年12月20日  演技全般

本気の力!

先週の土曜日、日曜日、月曜日の3日間を使い
過去最大規模のヘッドショット(俳優の顔写真)の撮影を行った。

今回のテーマは  ”「本物」になる事”


俺は今まで、様々な妥協をして来た。

 「ビジネスマンっぽい」「侍のように見える」

・・・だが、今回は違う!

 「ビジネスマンにしか見えない」「侍でしかあり得ない」

という、「完全主義」を貫くつもりだ。


・・・そう、今回の俺はかなり本気だ! やる気は150%くらいだ!


どうしてこんなにも必死なのか、その理由を話しておきたいと思う。


先月、俺のエージェンシーの「インパクト・タレント・グループ」の
オフィスにある1台のパソコンが壊れ、それを俺が直す機会があった。

その時、俺は自分のエージェンシーのオフィスに4時間ばかし居て、
担当のエージェントである「マイク」が
インターネット上でオーディションに応募する様子を眺めていた。


エージェントの応募方法はこうだ。


まず、コンピュータの画面にプロジェクトの概要と募集中の役柄が表示される。


・・・例えば、こんな感じだ。

======================
タイトル:ホニャホニャ大作戦
監督:ポンポコ
プロデューサー:パンパラ
キャスティング:ドンチャン

報酬:SAGの基本報酬
撮影開始:1月12日
2次オーディション期日:12月20日

この映画は低予算のコメディ映画です。
デモテープを含め、ネット経由で応募して下さい。


ホニャ刑事:30~40歳、男、白人。他人を信用する事ができない。
       些細な事ですぐ怒る (主役)

ホニャ婦人:20~27歳、女、白人。ホニャ刑事を常にサポートする
       献身的な妻。責任感が強い。(主役)

アァラ・マア:35~45歳、男、黒人。ホニャ刑事の親友。優しい。(脇役)

モジャモジャ:20~30歳、男、人種指定無し。弁護士 (端役)

======================


ここで、俺のエージェントの「マイク」が
「ホニャ刑事」の役に自分のクライアント(担当俳優)を
応募するプロセスを見てみよう。


マイクはまずクライアントのデータベースに行き、検索窓にこう入力する。

 「30~40歳」「白人」

すると、その条件に合う俳優が30人ほどリストで表示された。

マイクはそのクライアントの一覧を見ながら、
その役に合う役者を選んで行く。

 「ふーむ。この役に・・・・・・クリスは合うな。」

そうして彼はクリスの持っている写真一覧を表示させる。
・・・クリスは3枚の写真を持っていた。

そのうちの一枚が「刑事っぽい」ので、マイクはそれを応募に使った。


・・・同じような方法で、マイクは10人ほどの俳優を「ホニャ刑事」に応募した。


次に、「モジャモジャ弁護士」の役に合う役者を探す

 「さて、モジャモジャには誰を応募しようかな。」

表示された俳優一覧を見ながらマイクは考える。

 「・・・そうだ、ユウキも応募しよう。」

そう言って、マイクは俺の写真一覧を開く。

そこに表示されるのは・・・


マイクは悲しそうに頭を振る。

 「・・・なんて事だ。ユウキはこの役にぴったりなのに、
  弁護士に見える写真が一枚も無い!」

彼は「ユウキ」をこの役に応募する事を諦めた。

・・・エージェントの「応募」には常に責任が伴う。
エージェンシーの看板を俳優に背負わせるわけだから、
いい加減な写真は送る事ができないんだ。


・・・これがどういう意味か分かるだろうか


キャスティングディレクターは当然
応募されたヘッドショットを見て俳優をオーディションに呼ぶわけだが、
そこで「タイプキャスト」という作業を行う。

タイプキャストとは「彼は~~に見えるからオーディションに呼ぼう」
という行為の事だ。


 どんなにその俳優が名優でも、
 募集されている「タイプ」に見えなければ、オーディションには呼ばれない!


俺はこのプロセスを見て・・・ショックを受けた。

・・・だが、同時にある事を悟った。


試しにキャスティング・ディレクターの視点から考えてみよう。


 ・『郵便屋さん』の役を演じてくれる俳優が欲しい


そんな時、自分がキャスティングディレクターだったら、
どんな写真を持った俳優をオーディションに呼びたいだろうか?


・・・暗闇の中で不敵に笑う俳優? ・・・それは無い。

・・・鼻に割り箸を突っ込んだ俳優? ・・・そんな馬鹿な。

・・・明るい笑顔でにこやか笑う俳優? ・・・もしかしたらね。


・・・だが、そんな時、
もし「本当の郵便屋」の写真を持った俳優が居たら・・・?

俺がキャスティング・ディレクターだったら、
「本物」をおざなりにできるだろうか・・・?  俺にはできない!


・・・そうだ。 「本物」になればいいんだ!

「郵便屋」が欲しいなら「郵便屋」の。
「弁護士」が欲しいなら「弁護士」の。
「医者」が欲しいなら「医者」の。

いくつになるか知らんが、ニーズのある分だけ
「本物」のヘッドショットを作ってしまえばいいんじゃないか!

そうすれば・・・、「アジア人だから」という理由で
アジア人専用の役「しか」呼ばれないという現状を打破できるはずだ・・・!


これが、俺の閃きだった。

そして俺はこの撮影に全てを賭ける覚悟をした。


「本物」になる為に必要な物は全て揃える。
完璧な写真を撮ってやるぞ!   ・・・低予算で。


さぁ、もう「おしゃべり」はいい。

結果をご覧頂こう!


●撮影初日 撮影者:カンナさん 
  ロケ地:自宅、グリフィス公園
  照明:俺   メイク:俺


■郵便屋さん


衣装:
水色のシャツ $12
水色のTシャツ $4
紺のズボン $7
靴 $20
サングラス $1
サングラスの紐 $1

小道具:
メール
肩掛け鞄
USPSのバッジ (自作)


・・・「本物」だ!よっしゃぁああああ


次、行ってみよう!


■ホームレス

衣装:
くたびれた白シャツ
くたびれたジャケット
色あせたジーンズ $7

小道具:
毛布
ダンボール
スリッパ
ビニール袋
空パック

散髪前に撮影した画像。
さようならボサボサヘアー・・・


次、行ってみよう!


■整備士


衣装:
紺のYシャツ $6
水色のTシャツ
紺のズボン 
腰の道具入れ $1
帽子 $14

小道具:
俺のトヨタ車!
手に持ってるクリップのような物
道具箱
手袋
禁煙のマーク $1
謎のテープ×2

この帽子は色々と使えそうだ


次、行ってみよう!


■ナード(英語で言うオタク)

衣装:
危険なセーター $3
黄色いシャツ $6
眼鏡 1$
ズボン

小道具:
コントローラー
漫画本

屋外と違って室内での撮影は光の関係でかなり難しい。
眼鏡にほんのりゲーム画面を映すのに苦労した。


次、行ってみよう!


■電気工事士

衣装:
水色のポロシャツ $13
紺のズボン
サングラス
道具ベルト

小道具:
配電盤
ドライバー

「私達にお任せ下さい!」


次、行ってみよう!


■田舎者


「危ない人」と「擦れて無い青年」の2本立てでお送りします。


次、行ってみよう!


■日曜大工


お父さんは頑張るよ!


次、行ってみよう!


■トラックの運転手

衣装:
帽子
主張しない上着
トラック

「早くしろよ、ったく。」


次、行ってみよう!


■パークレンジャー

「おい、そこ何してる」


以上、撮影初日!

続いて2日目へ


●撮影2日目 撮影者:俺、ナオコ 
  ロケ地:学校
  照明:俺   メイク:俺


■外科医・看護師

衣装:
スクラブ $6
名札  (自作)

「大丈夫。きっと良くなりますよ」


次、行ってみよう!


■ヒップホップ

衣装:
ダウンジャケット
ネックレス(犬用の鎖+ペンダント)
ズボン
緑シャツ $6

小道具:
赤いソファ

「何か用?」


以上2日目終了!

続いて3日目!


●撮影3日目 撮影者:俺、ナオコ
  ロケ地:学校、グリフィス公園
  照明:俺   メイク:俺


■代表選手

衣装:
スポーツウェア $14
メダル

「ありがとう!みんな本当にありがとう!」


次、行ってみよう!


■バーのお客・ビール好き

衣装:
カジュアルなシャツ $12
カーキシャツ $4
カーキズボン

小道具:
バー(ピアノの裏側)
酒瓶たくさん
メキシコ帽

「かんぱーい!」


以上、3日目終了!


・・・疲れた。

衣装や小道具、そしてロケーションを揃える為に
寝不足でフラフラになりながら頑張った。

・・・だが、まだこれだけ残っている。


・サラリーマン
・CEO
・政治家
・弁護士
・記者
・レポーター
・科学者
・マフィア
・ギャンブラー
・殺し屋
・紳士
・富豪
・ウェイター
・シェフ
・店員
・警察
・刑事


次の撮影日は今週の木曜日。

それまでに・・・なんとしても準備を終わらせる!俺は・・・本気だ!!

投稿者 ユウキ : 08:18 | トラックバック

2005年12月23日  演技全般

暗闇の中で

「ヘッドショット(俳優の顔写真)の撮影の準備」
というと、衣装揃えが主になるわけだが、
そこで、「どうしても手に入らない物」がいくつか出てくる。

今回で言えば、「マフィア」を撮影する上で必要な

「タキシード」
「蝶ネクタイ」

なんかがそうだ。

俺の予算は限りなく少ないので、
通常何百ドルもするタキシードなんて買えるわけがない。


そこで・・・俺はとにかく古着屋を回る事にした。


アメリカにはビンテージ物専門の古着屋よりも
 「グッドウィル」
 「サルベーション・アーミー」
 「アウト・オブ・クローゼット」
のような、本来の意味での「古着屋」が多く存在する。

そこは一般家庭の倉庫に眠っていた古着の宝庫であり、
通常は手に入らないような衣装(?)が
破格の値段で手に入ったりする。

前回の撮影で使用した
 「医者用のスクラブ(青い医療関係者用の着衣)」
 「整備士用の紺シャツ」
などはそれらで購入した物だ。


だが・・・、いくら探しても
「ヒットマン用の黒のスーツ」
「弁護士用の茶色スーツ」
「マフィア用の黒タキシード」
の3点がどうしても見つからない!

スーツは・・・あるにはあるが、
明らかに安物だったりサイズが合わなかったり、
撮影に耐えられる代物では無い。

 ・・・ヤバイ。撮影は明日なのに。

焦る気持ちを抑えながら、次から次へと古着屋を巡った。


そして・・・、撮影前日の夜8時。

パサデナの古着屋で・・・・、とうとう見つけた!!


  タキシード $10


おおおおお!タキシード!! しかも・・・$10!!


サイズは・・・?  おおぉ、・・・合うぞ!

よっっっしゃぁああああぁああ!!


・・・本当にギリギリだった。
これが無きゃ明日の撮影は成立しない。

後は・・・「蝶ネクタイ」だが、それは心配していない。

蝶ネクタイくらい・・・自分で作ればいいんだ。


<蝶ネクタイの製作に必要な物>

・$1ショップで購入して来た赤いバッグ
・ハサミ
・瞬間接着剤

この赤いバッグの表地(赤)と裏地(黒)を使って、
赤と黒の蝶ネクタイを作る。

1、「縦4センチ」「横11センチ」の長方形に切り出す

2、真ん中を細長い生地で結ぶ


完成!


制作費 1$


・・・ひひひ。誰もこれが元はバッグだったとは気付くまいて。


 ~~~~


木曜日の撮影は朝の8時からスタートした。

親友のナオコと衣装の搬入を済ませ、
俺が照明と背景を設置していく。

背景には昔作った「赤い幕」を利用した。


まず撮影するのは「ヒットマン」と「マフィア」の2つだ。

俺は「悪人面」らしく、悪役としてキャストされる場合が非常に多いので
この「ヒットマン」と「マフィア」の2つはちゃんと撮影しなきゃいけない。

インターネット用(500×700pixel)の写真だけじゃなく、
8×10インチ(20×25センチ)のヘッドショット用に
どうしても「最高の一枚」が欲しい所。


数十回にも及ぶ照明の微調整の末、俺達は撮影を開始した。


●撮影4日目 撮影者:俺、ナオコ 
  照明:俺   メイク:俺

■ヒットマン

衣装:
黒いシャツ $10
黒いスーツ $6
赤ネクタイ $1

小物:
オモチャの銃 5$


■マフィア

衣装:
タキシード $10
白いシャツ $4
蝶ネクタイ $1
赤いバラ  $1


苦労して撮った写真を早速エージェントに見せに行った所、

 「雰囲気はいいが、暗くて顔が見えない」
 「印刷するヘッドショット用はカメラ目線がいい」

と言われた。


・・・そこで、もう1日使って「明るめ」の写真を撮る事にした。


●撮影5日目 撮影者:俺、ナオコ 
  照明:俺   メイク:俺

■明るめ写真1


■明るめ写真2


・・・確かに明るくなったが、今度は迫力が無くなった。
しかも「悪ぶって」撮ったものだから嘘っぽい写真になった、

・・・やっぱ俺は影がある方が好きだな。

照明って本当に難しいね。


~~~~


まだ撮ってない職業が多くあるけど、
撮影を一度ここで中断しなくてはいけない。

理由は・・・・・俺が「ヒゲを剃れない」から

何故ヒゲを剃れないか、その理由は・・・・・・またのお楽しみという事で。


今年のクリスマス~お正月は、
これらの写真を死ぬ気でデジタル修整し、
インターネット用オーディション応募サイトにアップロードするつもりだ。

キツイけど、充実した正月休みになりそうだ。 よっしゃやるか!

投稿者 ユウキ : 23:32

2005年12月30日  

廃屋の戦士

実は今、倉庫の中に住んでいる。

倉庫に引っ越したのは11月6日。
当時は壁や天井は無く、梁や柱が剥き出しだった。

当然断熱材など敷かれておらず、
「室温が外気と同じ」という地獄を見るハメになった。

部屋の中なのに風が吹いてる!
部屋の中なのに息が白い!


 ・・・だが、その苦しみも家賃「$150(1万7000円)」には敵わないっ!!!


俺は覚悟を決めた。


 ・・・寒いなら、自分で暖かくすればいいじゃないか!


俺は早速ホームセンターに出向いて断熱材を購入し
それを壁や天井に敷いていった。

それが済むと今度はベニヤ板を壁に張り、
天井に幕を張って断熱効果を高めていく。

大きな窓があったので、
そこは梱包用の(プチプチ)ビニールシートと
クラフトシートを張った。

床がアスファルトでボコボコなので、
不要な本でその穴を塞いだ。

10年以上放置されてた腐ったタタミが3畳あったので、
それを自分で修繕して床に敷いた。

通風孔から風が吹き込んでいたので、
小さく切った断熱材とベニヤ板でそれを塞いだ。


そして・・・俺の「部屋」が出来た!!(完成度70%)


殆ど一人で作業したので気が遠くなるような時間が掛かった。

・・・でも、これで一応人が住める環境にはなったはずだ!

まだ少し肌に風を感じるが、前ほどじゃない。
畳の上で寝れるだけで俺は幸せだ。

このホームベースから何かを変えてみせる!見てろ!

投稿者 ユウキ : 23:19 | コメント (2) | トラックバック

2005年12月31日  演技全般

気合の一撃

倉庫の中はクソ寒いけど、俺の魂は燃えている。

今回のヘッドショット(俳優の顔写真)のデジタル修正は、
今まで培ってきた技術を総動員して本気で取り組んでいる。

これの良し悪しがオーディションまでの道を作るんだ。


■電気工事士


・・・どうだろうか!!


・・・これならプロの撮った写真に負けまい!!!


写真のはレンズで決まってしまう部分が多いように思う。
限定的なフォーカスは、写真をよりドラマチックに見せる。

俺は友人の家庭用デジカメを借りてるだけなので、
足りない部分は気合でカバーする。


■修正前→修正後


さぁ、年越しソバを食って頑張るぞ!!

投稿者 ユウキ : 01:46 | トラックバック

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