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2005年08月02日  オーディション

超えなければならない試練

エージェントのマイクとの待ち合わせ時間は午後4時だった。


俺は例の「うさみみ」を着けて、堂々とオフィスに入った。

マイクは俺を見るなり爆笑。
なごやかな雰囲気の中ミーティングが始まった。


まずは彼に2つの事実を報告


・オーディションにて「うさみみ」が好評だった事


・・・そして、


・俺が明日、パイレーツ・オブ・カリビアンのコールバック(二次選考)に参加する事


・・・そう。なんと俺は二次選考に呼ばれたんだ!!


これは頑張らねばならない!

もちろん、明日のオーディションにも「同じ格好」で行く予定だ。
期待していて欲しい!


・・・で、マイクのオフィスに話は戻る。

報告の後、マイクから台本を手渡された。

マイク「ユウキ、今からこれに目を通してくれ。
    準備ができたら、これをシーバの前で読んで貰う。」

ユウキ「シーバって?」

マイク「このエージェンシーのオーナーさ。」


オーナーの前でコールドリーディング(台本読み)か。
・・・全力を尽くすぞ!

俺は台本に目を通すと、可能な限りセリフを覚えた。


マイク「・・・準備はいいかい?」

ユウキ「いいよ!」

「うさみみ」を装着するとシーバのオフィスに入り、
マイクをパートナーにして台本を読んだ。


台本の途中でシーバが言った。

シーバ「そこでいいわ。じゃ、次はこっちの台本を読んでちょうだい。」


ええ!?せっかく覚えたのに・・・

とりあえず読む時間はくれるそうなので、新しい台本に目を通す。
6ページもあったのに、さっきより準備時間は短かった。

シーバ「ではユウキ、お願いするわ。」


・・・どうやら俺は試されている!

・・・だが俺はそれに応える!


毎朝のトレーニングを生かして台本を読む俺。

シーバ「ありがとう。ユウキ。
     あなた、スタンド・アップ・コメディ(一人漫才)をやるのね。
     是非見たいわ。」

1分間のネタを披露する俺。

シーバ「ユウキ、あなたは本当に面白いわね!」

好評を頂いて素直に喜ぶ俺。

シーバ「・・・分かったわ。
     あなたが「本物」なのか、それともただの「うさみみ男」なのか、
     これからゆっくり見極めさせて貰うわ。頑張りなさい!」

彼女に認められる一人前になれるよう、これからも全力で走るつもりだ。

投稿者 ユウキ : 21:10 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月03日  オーディション

裸の海賊

朝、いつものようにエージェントのマイクから電話が掛かって来た。

マイク「ユウキ!コールバック(二次選考)だ!
    例の君が「うさみみ」を着けて行ったゲームのCMだ。
    明日の昼12時30分。頑張ってくれ!」

きたあああああああああ!!

・・・やはり来たか!
うさみみパワーで頑張らねば・・・!


映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の二次オーディションは
バーバンクに位置するディズニースタジオの中であった。

俺は「例の格好」で堂々と会場に入った。

会場内には100人くらいの参加者が居た。全員アジア人だ。
俺はサインインを済ませると、椅子に腰を下ろして呼ばれるのを待った。


オーディションは10人一組で行われた。

まずは上着を脱いで上半身裸でポラロイド写真を撮られた。
その後「そのままの格好」でオーディション室に招き入れられた。


せっかく「特別な格好」をして行ったのに、「上半身裸」じゃ意味が無い!


オーディション室内には10脚の椅子が横一列に並んでいた。
俺達のグループは機械的にその椅子に座らされた。

 「ようこそ。今から何をするのか簡単に説明します。
  これからみんなには海賊になって貰います。
  彼等はもう何日も水を飲んでいません。
  そこに置いてある水のボトルが最後の一本です。
  それを奪い合って下さい。くれぐれも怪我をしないように。

  しばらくするとキャプテンが帰って来ます。
  そこで恐れおののいて下さい。

  では、始めましょう。」


彼が言うが早いか、俺は水のボトルに飛び付いた。
そして他の9人から揉みくちゃにされた。

痛たたた・・・、誰か知らんが引きずるのは止めてくれ。


 「・・・はい、そこまで。」


1列に並ぶ10人。


 「・・・俺の水を飲んだのは誰だ!」


 「・・・さぁ?」
 「アイツです!」
 「知らないなぁ。」
 「コイツです!」


 「・・・お前、どこの出だ!」


・・・来た!

実はオーディション室に入る前、
キャスティングの一人からこういう説明があった。

 「オーディション室に入った瞬間から海賊として振舞ってくれ。
  もしキャスティングディレクターに出身地を聞かれたら、
  自分の出身地じゃなくて、海賊としての出身地を応えてくれ。」

俺はなんて言おうかずっと考えてた。

・・・とりあえず「俺は海の上で生まれた!」とでも言おうか。


「キャプテン」は端から順番に聞いていって、いよいよ俺の番になった。


 「・・・お前、どこの出だ!」


 「俺は上の生まれたで海です!」


・・・うわぁあああ!しまった!英語になってない!!

言う直す暇も無く、キャスティングディレクターは隣の人へ移動してしまった・・・


こりゃ駄目だ。がっくりしてオーディション室を出た。


約100人が全員揃った所で、
海賊として3次選考へ行く約30人が発表された。

当然俺の名前は呼ばれないわけで・・・


選ばれた人達はこれからトレーニングを受け、
最終的にカリビア海へ行く海賊を決めるらしい。

ちなみに海賊は頭頂部だけ丸く髪の毛を残した髪型になるそうだ。
それを聞いて海賊に選ばれなかった悔しさがちょっと和らいだのは秘密だ。


今回の失敗から2つの事を学んだ。

・オーディション会場に入った瞬間から悪役になりきると、
 キャスティングディレクターから本当に嫌な奴だと思われ嫌われる。

・喋る時はまともにはっきりと言う。


常に上手く行くわけじゃないけど、これからも全力を尽くすつもりだ!

投稿者 ユウキ : 23:53 | コメント (3) | トラックバック

2005年08月04日  オーディション

憔悴ウサギ

ゲームのCMのコールバック(二次選考)で、
俺のアポイントは12時半だった。

例の「うさみみ」を装着すると、一次選考の時と全く同じ格好で会場入りした。


サインイン用のリストには40人くらいの名前があった。
そこで順番を待ってる人はまたも俺以外全員白人だが、もう気にしない。

 「ユウキ、こんにちわ!」

キャスティング・ディレクターが声を掛けてくれた。

俺は彼女に名前を覚えられてる!!
・・・これだけ目立つ格好をすれば当然か。


サインインして待つ事1時間。俺の順番がやって来た。

オーディション室の中には4人居た。

CMの監督
カメラマン
よく分からない人
キャスティングディレクター

挨拶を済ませ、カメラに向かって簡単な自己紹介。
その後、監督からシーンの説明を受けた。

 「いいか。このウサギはよく居るニコニコ顔のウサギではない。
  全ての事に疲れ、心身共にボロボロのウサギだ。
  ここから・・・ここまで歩き、
  私が指を鳴らしたら、周りを警戒するんだ。
  そして私の「ネット」の合図で君は捕獲される。
  捕獲されたら暴れてくれ。
  「この○×#$野郎!!」と叫んでもいいぞ。」


・・・なるほど。一次オーディションの時とは違うようだ。


まずは1度やってみて、監督の指示を聞いてからもう一度。

青色のスクリーンの前でやらされたのは、
きっと後で背景を合成してCMをシミュレーションする為だろう。


自分ではベストを尽くしたつもりだが、コールバックでも競争倍率40倍とは。
・・・厳しい世界だ。だけど俺は怯まない。

投稿者 ユウキ : 23:45 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月07日  演技全般

電脳アクター

エージェントのウィリアム・マイケルは言った。

 「ユウキ、君はもっと写真を撮らなきゃいけない。
  今はオンライン上でオーディションに応募する際、
  写真のバラエティに乏しいのでかなり厳しい。
  今週中にでもデジタルカメラで写真を撮って欲しい。」

必要ならば、撮らなければならない。

俺は友人のカンナさんに頼んで
彼女のデジタルカメラで撮影会を催す事にした。

被写体は毎朝コールドリーディング(台本読み)のトレーニングをしている俺とナオコ。

この前デモテープ用に購入した照明を使って簡易スタジオを部屋内に作り、
約5時間掛けて500枚ほど撮影した。

・・・もしもこれをプロのカメラマンに頼んでいたら$1000以上掛かっている所だ。


当然、これはプロ仕様のカメラでは無いので出来あがりの差は歴然だ。

もしこれら画像をそのまま使っても、
 「なんだアマチュアか。」
と逆に見くびられてしまうだろう。


・・・では、どうすれば良いのか。


ここで登場するのが「デジタル修正」だ。

「安っぽい」画像をデジタル修正する事により可能な限り「プロっぽく」見せるんだ。

俺はこれから数日掛けて自分の写真にデジタル修正を施していく。
はっきり言ってかなり辛い。だがやらねばならない。

明日はその「デジタル修正」のテクニックに注目したい。期待していて欲しい!

投稿者 ユウキ : 23:16 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月09日  演技全般

顔写真のレシピ

最近の俳優のヘッドショット(顔写真)はカラーが主流になっている。

カラーになった事により、キャスティングディレクターは
俳優の輪郭や肌の色まで読み取れるようになった。

だが、カラーで高解像度の写真は「俳優が見せたくない物」まで
時として映し出すようになってしまった。

ニキビ痕の赤みや、濃すぎたアイシャドー。
撮影後に気付いてももう手遅れだ。

$300以上支払って得た写真が
納得のいかない代物だったらどんなにショックだろう。


・・・しかし、そこに現れた救世主があった。

  それが「デジタル修整」だ。


このデジタル修整によって、ニキビ痕やアイシャドーの色はもちろん、
照明の色具合やピンぼけ直しまでできてしまう。

今ハリウッドの一線で活躍する役者のヘッドショットはほぼデジタル修整されてると言っても過言じゃないだろう。


本来は、
プロの写真家に撮って貰った写真を
プロのデジタル修整家に修整して貰う、
というのがセオリーだと思う。

だが、それには結構な出費が必要で、俺にその余裕は無い。

そこで俺は、
アマの友人に撮って貰った写真を
アマの自分が気合を入れて修整する、
という方法を取る事にした。

幸い俺は5年間も色々な画像を作って遊んでいたので
素人並に少しのテクニックは身に付けてるつもりだ。


「そこまで修正する必要あるの・・・?」

と疑問に思うかもしれない。


・・・そこで、まずはこの写真を見て欲しい。


左側を撮ったのは先週の水曜日。

パイレーツ・オブ・カリビアンのオーディションに行った後、
泥を顔に付けたまま、ノーメイク、照明無し、
ヨレヨレで、しかも裏返しのTシャツを着て撮影した。

右側はその写真をデジタル修整した物。


・・・さて、どっちの方が「プロっぽく」見えるだろうか。


俺はこの修整で大きく5つの事を行った。

・撮影後のメイク
 撮影時にノーメイクで撮って、撮影した後にデジタル修整でメイクを施す。

・衣装直し
 ヨレヨレで裏返しのTシャツを、表向きの新品に!

・照明調節
 色をコントロールする事により、プロっぽい照明を当てる。

・顔のパーツをはっきりさせる
 特に目にフォーカスが行くように調整する。

・ぼかし
 目を頂点にして、周りを徐々にぼかす。


・・・疲れた。


デジタル修整は本来バレては意味が無い。
オリジナルの味を残して、バレない程度にやるのが良いと思う。

これからヘッドショットを作る方は、くれぐれもバレないように注意して欲しい。

俺は・・・もうバレてるからいいのだ!

投稿者 ユウキ : 23:37 | コメント (4) | トラックバック

2005年08月11日  演技全般

種植え

インターネット上のオーディション応募サイト
Casting Networksに8枚のヘッドショット(顔写真)を載せた。

ヘッドショットを追加する場合、最初の1枚は$25、
2枚以降は$10の料金が掛かる。

俺は8枚追加したので$95掛かった。

この8枚は先週水曜日に撮影した写真から
エージェントのマイクが選び出した物だ。

 
この種で大きな実がなってくれると嬉しいが、さてさて・・・

投稿者 ユウキ : 20:12 | コメント (5) | トラックバック

2005年08月14日  楽しい食事

豆腐にかける情熱と刻みネギと鰹節と梅肉と・・・

二日前、大家さんのジャッキーが真剣な面持ちで俺に言った。

 「ユウキ、明後日行くつもり?」

 「・・・行くってどこに?」


 「どこって・・・そりゃ、トウフ早食いさ!」


・・・な、・・・なんだってー!!

・・・明後日だと!?全く知らなかった!


俺は知る人ぞ知る「豆腐早食いチャンピオン」だ。

リトル東京で毎年行われている「豆腐早食い競争」で
2002年から3年連続でチャンピオンの座を護っている。


・・・参加はチャンピオンとしての 「義務」 だ!


  ~~~~


という事で、$8支払ってトウフ祭り(Tofu Festival)に参加してきた。


今年は4つの競争が行われるようだ。

子供の部:半丁豆腐の早食い
大人の部:一丁豆腐の早食い
納豆の部:納豆5パック早食い
大食いの部:4分間でどれだけ食えるか

1人につき1競技まで参加できるそうだ。


俺は・・・タイトルを防衛しなければならないので「大人の部」にエントリーした。


ステージ横でジャッキーと待機していると、見慣れた顔が。
・・・昨年の2位、ミッチだ!

 「やあユウキ、今年こそは負けないぞ!」

年に一度、
これまでに3度しか会った事がないのにとても親しく感じるのは何故だろう。


3年連続チャンピオンという事で、俺はステージ上に呼ばれた。

司会「みなさん!なんと3年連続チャンピオンが今年も参加するそうです!
    ・・・ご紹介しましょう!」

ユウキ「どうも!ユウキです。」

司会「何かメッセージはありますか?」


ユウキ「・・・今年こそは張り合いのあるレースになる事を期待します。」


俺の挑発に観客は盛り上がる。

しかしステージを下りると、ジャッキーが青ざめた顔で立っていた。


 「・・・ユウキ、・・・大ピンチだ!」


何が一体どうしたんだ?


 「あそこの麦藁帽子を被った彼、見えるかい?
  ・・・彼はユウキが早食いに参加する前のチャンピオンだ!
  彼は無敵の強さを誇り、3年連続でチャンピオンだった・・・」


な・・・なんてこった。俺の前にそんな人が居たなんて・・・。


 「彼の名前は確かチャーリー。
  彼は口がきけないが、食うのは恐ろしく早いぞ。」


チャーリーは俺の姿を認めるや、駆け寄って来た。
笑顔で握手を交わす俺とチャーリー。

・・・今年は面白いレースになりそうだ。


  ~~~~


司会「では、ルールをおさらいしましょう。
    ここにある、お皿の上に乗った1丁豆腐を
    他の誰よりも早くたいらげた人が勝ちです。


     ただし、手を使ってはいけません。


    ・・・では、用意ができたようなので、スタートしましょう。

    よーい・・・、  スタート!」


予選1組のレースが始まった。
ミッチ、ジャッキー、チャーリーの3人が参加している。
俺は2組だ。


1組目で一番早く立ち上がったのは、    ・・・やはりチャーリー!


タイムは25秒くらいだろうか?噂通りの早さだ。

2位は昨年2位のミッチ!
ジャッキーは・・・惜しい!4位で決勝進出ならず!


  ~~~~


・・・続いて2組目のレース。

俺は一番左の席に腰を下ろした。


司会 「では、2組目をスタートしましょう!

     よーい・・・、   スタート!」


俺は口を最大限まで開くと、真っ白な豆腐に思い切りかぶりついた!

そして、そのまま塊を喉の奥へと押し込む!


押し込めっ!押し込めぇええええっ!


・・・皿がキレイになった所で俺は立ち上がった!


結果は・・・     一位だ!!

・・・よし!決勝進出!


  ~~~~


決勝進出の6人が決まった所で、他の3つの部門が行われた。

・子供の部
・納豆の部
・大食いの部

面白そうだったのが「大食いの部」だ。
来年はこれにチャレンジしてみようかな・・・?


  ~~~~


・・・さぁ、いよいよ「大人の部」の決勝だ。

6人は気合十分で席に着いた。


司会 「・・・みなさん、準備はいいですか?
     では、決勝です!

     よーい・・・、    スタート!」


・・・うぉおおおおおおおおっ!

・・・行けえええええええええっ!!

俺はまたも最大級の口で豆腐に噛み付いた!
・・・負けるわけにはいかない!負けるわけには・・・!

無我夢中で豆腐を胃の中に送り込む。

チャーリーは2つ向こうの席だ。
彼はもう立ち上がってたりするのだろうか・・・?


・・・うおおおおおおおおおっ!


皿を空にすると同時に俺は勢い良く立ち上がった!


 ・・・どうだ!?


俺が立ち上がったのとほぼ同時に、チャーリーが立ち上がった!


 ど、どっちが勝ったんだ・・・!?


司会 「・・・勝ったのは・・・、    ユウキです!」


・・・よっしゃぁあああああああああああっ!

2位のチャーリーとがっちり握手。
3位はミッチだ。

司会者のパトリックによれば、俺の記録は16秒。
自己最高記録だ!

チャーリーと身振り手振りで会話し、再戦を約束した。


・・・今年は今までで最高に面白かった!
来年はどうするかって・・・?   ・・・聞くまでもあるまい!

投稿者 ユウキ : 23:10 | コメント (8) | トラックバック

2005年08月16日  オーディション

オーダーメイド

急造のデモテープを送った映画"Want of Opportunity"から
オーディションの通達があったのは8月2日だった。

チャッド「君のデモテープは素晴らしかった。
     是非ともオーディションに来て欲しい。」


デモテープその1
1分32秒 .movファイル (5.6Mb)


オーディションの期日は16日。今日だ。

Eメールで届いた台本を毎朝のコールド・リーディング(台本読み)で練習し
俺は今日という日に備えていた。


オーディション会場はダウンタウンにある高級ホテルの会議室。

俺の呼び出し時間は午前9時20分だ。


会場に入ってサインインすると、奥から白いシャツを着た男性が出て来た。

彼こそがこの映画の監督「ブライアン」だ!


ブライ「やぁユウキ!おはよう!」


・・・おおっ!名前を覚えられている!!


ブライ「君のデモテープ見たよ!素晴らしかった。

    僕は何百枚ものヘッドショット(顔写真)をずっと見ていて、
    本当に退屈していたんだ。
    みーんな同じようなポーズで同じような顔をしている。
    オリジナリティの欠片も感じられない。

    ・・・でもそこで、君のヘッドショットに出くわしたってわけだ。」


そのヘッドショット

 

ブライ「自分の目を疑ったよ。「なんなんだこれは!」ってね。
    こんなヘッドショットは今までに見た事が無い!

    で、裏側の履歴書を見て見ると「ラストサムライ」と書かれてる。
    さすがに意味が分からなくなってね。
    そこで君にデモテープの電話をしたってわけだ。
    届いたデモテープを見てみたら、素晴らしい出来じゃないか。
    ここでまた驚かされた。「こいつはタダ者じゃない」と思ったよ。

    ・・・そこで、だ。
    
    今日君に読んで貰いたいのは「ネッド」という役だ。

    彼は・・・オリジナルの設定は台本を読んで
    分かってくれてると思うが、主人公の弟であり・・・

              白人だ。

    ・・・でも、もしかしたら日本人なのかもしれない・・・?

    では、健闘を祈る!準備ができたら教えてくれ!」


・・・どういう事だ?


彼が言うように俺が呼ばれた役の設定は明らかに日本人じゃない。
「白人の主人公の弟」という設定なんだ。


まさか・・・俺が役を取ったら・・・、
      ・・・台本の方を書き直すという意味か・・・?


そんな馬鹿な! ・・・そんな事があり得るのか?

もしもそれが本当だとしたら・・・、これは恐るべきチャンスなんじゃ・・・


 ・・・とにかく今は自分の役に集中しよう。


俺は気持ちを落ち着けるとオーディション室内に入った。


ブライ「よーし、では始めよう!
    そっちのカメラで君を撮るのは・・・君もご存知のチャッドだ。」


シーンが始まった。

3つのシーンのうち、最初の2つは車内という設定だ。
俺は役の設定に「麻薬中毒者、人生の敗北者」と書かれてあったので、
ちょっと嫌な奴を演じた。


ブライ「・・・オッケー。そこで一度ストップ。

    ・・・いいかいユウキ。
    このネッド、根はいい奴なんだ。
    常にジョークを飛ばして皆を笑わせる。
    失敗を犯しても持ち前の人懐っこさで誤魔化してしまう。
    ただ、自制心は人一倍弱い。
    それを考慮した上でもう一度やって欲しい。」


今の説明を聞いて、俺はキャラクターを反転させた。
セリフがちゃんと入っているとキャラクターを変えるのも楽だ。


ブライ「・・・素晴らしい!何も言う事無いね!
    ユウキ、わざわざ来てくれて本当にありがとう!」


彼等はコロラド州からオーディションの為だけにLAに来ていて、
今日と明日の2日間に渡ってオーディションを行うそうだ。

奇跡は・・・起こるのだろうか。急造のデモテープを送った映画

投稿者 ユウキ : 23:51 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月17日  オーディション

予測不可能

映画"Want of Opportunity"のチャッドから電話があり、
なんと・・・コールバック(2次選考)に呼ばれた!

コールバックは金曜日の朝8時。

・・・不可能が可能になるかもしれない。
このチャンスを逃してはいけない!

投稿者 ユウキ : 23:34

2005年08月18日  オーディション

自分の個性

エージェントのマイクからオーディションの通達があった。

マイク「ユウキ、ゲームのCMのオーディションだ。
    君のアポイントは5時。
    スケートボーダーっぽい格好で行ってくれ。」


スケートボーダーねぇ・・・

あいにく俺はそれっぽい格好が無かったので、
GOODWILLという古着屋さんへ行って物色した。

$4.99のダボダボのズボンがあったので、それを購入。

・・・よーし、いっちょ行って来るか!


場所はウエストハリウッドにあるキャスティングオフィス。

他のプロジェクトのオーディションも行われているようで、
オフィス内は沢山の俳優でひしめいていた。

サインインを済ませると、
キャスティングディレクターからポラロイド写真を撮られた。

 「これが一応台本だけど、読む必要は無いよ。」


・・・え?


 「・・・今から君の個性を見せて欲しい。
  気負う必要は無い。
  ただ僕の質問に答えてくれればいいだけさ。」


そう言うと、彼はカメラを回しだした。


キャス「君の名前を教えて欲しい」

俺  「ユウキ・マツザキです。」

キャス「君は今年の夏、どんな事をした?」

俺  「泳いだり、スタンド・アップ・コメディ(一人漫才)に行ったり・・・」

キャス「ほう。じゃぁ、スタンド・アップ・コメディができるのかい!?」

俺  「・・・見たい?」

キャス「いや、今はいいよ(笑)」


キャス「・・・はい。OK。お疲れ様。」


早っ!事態を飲み込む前に終わってしまった。

台本には何が書かれてあったんだろう?
・・・なんとも不思議なオーディションだ。

投稿者 ユウキ : 23:55 | コメント (6) | トラックバック

2005年08月19日  オーディション

選ばれる為の試練

映画"Want of Opportunity"のコールバック(2次選考)は朝8時からだった。

会場には7人の俳優が居た。

監督のブライアンが説明する。

ブライ「君達は600人の中から残った最終の7人です。
    今回は600人の応募があり、
    その中から120人がオーディションに呼ばれ、
    更に素晴らしかった7人をコールバックに呼びました。

    君達は本当に素晴らしかった。それを誇りに思って下さい。」


・・・600人の中から自分が残ったなんて信じられない。
しかも俺の役は白人だし・・・


ブライ「今日は、これを読んで頂きたいと思います。」


そこで手渡されたのは、なんと91ページもある分厚い台本。


  ・・・まさか・・・


ブライ「今からこの台本を、役を交代しながら読んでいきます。」


で、出たーーーーーーーー!!
超特大のコールドリーディング(準備無しの台本読み)だ。

ゆっくり読む時間なんて全く無い。
開いたページにちょっと目を通して、いきなり演技しなきゃいけない。
しかも俺以外の6人はアメリカ人ときてる。

俺にとってかなり不利な状況だ。


・・・やるしか無い。


ブライ「では、まずはジェイソン、ラフィエロ、ユウキ。
    オーディション室へどうぞ。」


オーディション室ではチャッドがカメラを回していた。


ブライ「・・・それでは始めよう!」


台本読みが始まった。

自分のセリフの前にどのような場面があるかは予測できないので
他の役者のセリフをよく聞き、そこから自分のセリフに感情を乗せていく。

・・・感情をあらかじめ用意しておくのは不可能だ。

4ページ進んで、とりあえず一度終了。

他の3人が呼ばれ、同じシーンを演じる。

他の俳優がオーディション室内に居る間は
みな少しでも状況をつかもうと必死で台本にかじり付く。

やがてまた俺の名が呼ばれた。

・・・また5ページくらいのシーンをいきなり演じる。


・・・次は3ページくらいのシーンを。


・・・4ページくらいのシーンを。


・・・7ページくらいのシーンを。


2時間の間、俺達は何度もオーディション室に出入りしてシーンを演じた。

監督のブライアンはその様子を注意深く見ていた。


ブライ「・・・皆さん、結果は追って連絡します。本当にお疲れ様でした。」


全力は尽くした。後は・・・それが認められる事を祈ろう。

投稿者 ユウキ : 23:30 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月22日  オーディション

100%フィット

今日はAARP(全米退職者協会)のCMのオーディションだ。

俺の演じる役名は・・・、「魅力的じゃない男」


なんと素晴らしい役名だろうか!
もう俺にぴったりじゃないか!

エージェントに言われた通りトレーニング系の格好で会場入りした。


オーディションは2人一組で行われた。

カメラに名前を言った後、パートナーの女性に向かってセリフを言う。

 「・・・ジーナ、デートに行かないか」

 「・・・ジーナ、デートに行かないか」

 「・・・ジーナ、デートに行かないか」

全く同じセリフを3回。

最初は全く同じイントネーションで。
2回目はそれぞれ別のイントネーションでやった。

さあ、俺の熱い「魅力の無さ」が彼等に伝わるといいけどなぁっ!

投稿者 ユウキ : 23:59 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月23日  オーディション

お引越しは3人で

今日は「FOXスポーツ」のCMのオーディション。

最近はオーディションが増えていい感じだね!


俺が演じるのは「引越し屋」。

先にインターネットで検索して引越し屋の格好を研究し、
それと似たような格好で会場へ向かった。


オーディションは3人一組で行われた。

 「今から3人で24秒以内にこれらの荷物を運び出して頂きます。
  慎重に運ぶ必要はありません。こっちのソファに投げ捨てちゃって下さい。
  24秒以内に終わったら、ブザーと同時に勝ち誇って下さい。」


・・・これ、一体何のオーディションなんだ?バラエティ番組?


オーディションがスタートした。

乱れ飛ぶダンボール箱。 ・・・とても危険だ。


・・・あと10秒。 急げ! 運べ運べ!!!

ブザーが鳴る2秒前に最後のダンボール箱を運び終えた。


 ブーーーーーーーーーーーー


よっしゃぁぁ!!

3人でガッツポーズをして喜び合った。


・・・これ、一体何のオーディションなんだ?バラエティ番組?

投稿者 ユウキ : 23:09 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月25日  オーディション

ミクロの世界

「魅力的じゃない男」のコールバック(2次選考)に呼ばれたので行って来た。


・・・いやぁ、認められて嬉しいなぁっ・・・!


前回と同じセリフで2人一組でやったんだけど、
何故かキャスティング側には8人くらい居た。

それも俺の方を全く見ないで、コーヒーを飲んだりしてくつろいでる。


・・・非常にやり難い。


パートナーの女性とシーンを演じると、
キャスティングの一人がやる気無さそうに言った。


「えーと、うん、まぁ、んじゃ、そうね、・・・もう一度やってみてよ。」


なんだその言い方は!
まるで
 「君達は多分無理だけど、まぁ適当に頑張って」
とでも言いたげじゃないか。


・・・不快なオーディションもあったもんだ。

投稿者 ユウキ : 23:08 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月26日  オーディション

オーバーロード

明日の土曜日は、3つのオーディションが入っている。

"The Unobtrusive Plot"(映画)
"Disarmed"(映画)
"????"(CM)
の3つだ。

・・・一日で3つのオーディション。耐えられるだろうか。

映画のオーディションは当然台本を読んで演技しなければならない。
台本はそれぞれ14ページと4ページだ。


シャワーを浴びて、さぁ読むぞと気合を入れた時に電話が鳴った。

 「ユウキ。オーディションが入った。
  今日の2時と4時の2つだ。頑張ってくれ!」

なんてこった!・・・台本いつ読もう?

嬉しい悲鳴をあげるヒマも無く、俺は車に飛び乗った。


~~~~


最初のオーディションはガソリンスタンドのチェーン、"Arco(アーコ)"だった。

俺の役は寿司職人の弟子。
サインインするのと同時にオーディション室内へと通された。

俺の「師匠」を演じる方も日本人男性で、
2人の日本人が英語でオーディションする事となった。

まずは一度2人で演技して、キャスティングディレクターの指示を聞いてもう一度。

俺は身体がデカいから「弟子」って感じはしないけど、できる限り頑張った。


~~~~


「寿司職人」の会場から車を走らせる事、約20分。
次のオーディション会場へとやって来た。

今回はファーストフードチェーン店、"Del Taco(デルタコ)"のCMだ。
俺の役は「コミカルな大学生」。
黄色いシャツを着ると、中々コミカルな感じになった。

サインインを済ませると台本を渡された。俺のセリフは2行だ。

・・・この2行をできるだけ早く覚えなきゃいけない。

オーディション室内に台本を持ち込めないんだ。

2行というと簡単だと思うかもしれないけど、
日本人の俺は冠詞(a, the)を勝手に付けたり、
複数形(~s)を忘れたりする癖があるから注意しなきゃいけない。


オーディションは2人一組で行われた。

俺のパートナーは「ジョーセ」だ。

ジョーセと俺はオーディション室内の椅子に座ると、
カメラに向かって自己紹介をした。

 「今からシーンを説明をするよ。
  そこにあるトルティア(タコスの皮)を、
  本物のタコスだと思って美味しそうに食べて欲しい。

  では、始めよう。」

カメラが回りだした。

俺とジョーセは小麦粉で出来た味無しの「皮」を
さも肉汁滴り落ちるジューシーなタコスのように頬張った。

・・・そこでキャスティング・ディレクターがおもむろにシーンをスタートする。

・・・俺達2人はそれに応える。


俺の役名にもあるような「コミカル」な感じが伝わればいいんだけど。

投稿者 ユウキ : 22:22 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月27日  オーディション

怒涛の3連戦!

地獄の土曜日がやって来た。

今日の予定としては、朝10時にハリウッドでCMのオーディション。
その後、12時~1時にダウンタウンで映画のオーディション。
最後に1時~4時にロングビーチで映画のオーディション。

会場がそれぞれ離れているので大変だ。


最初のCMの会場はハリウッドにあるCNNビルの4階だった。

俺の演じる役は「サムライ」。エージェントからは

 「キャラクターはサムライだけど、
  衣装はカジュアルな洋服でいいんだって。」

と言われてたんだけど、
俺はなんとなく着物の方が良いような予感がしたので
前に映画で使った侍風の着物を着て会場入りした。

会場内にはたくさんの日本人、アジア人が居た。

サインインを済ませてしばらく待つと、
キャスティングディレクターに名前を呼ばれた。


オーディション室内には、2人の日本人CM製作関係者が居た。

 「マツザキさん、日本語ペラペラです。」

アメリカ人のキャスティングディレクターは流暢な日本語で
俺をCM製作の方達に紹介した。


さて、このCMのオーディションでは、
日本から来る俳優さんが演じる「メリーゴーランドに乗ったサムライ」の
すぐ後ろにいるサムライを探しているらしい。

簡単な自己紹介の後、色々と日本語で質問された。

「お名前をよろしくお願いします」
 「松崎悠希です。」
「松崎さん、それは天然パーマですか?」
 「そうです。」
「武道の経験はありますか?」
 「柔道をやっていました。」
「段位をお持ちですか?」
 「いえ、段位は持っていません。」
「おいくつですか?」
 「23歳です。」

「えーと、360度回転して頂けますか?」
 「縦ですか?」
「いや、横です(笑) 面白い方ですね。」

「松崎さん、もしも出演が決定した場合、
 ヅラに入りきらない部分の髪の毛を少し切ってもいいですか?」
 
 「問題ありません。」

「では、今からその場でメリーゴーランドに乗っていると仮定して、
 戦の後で勝ち得た平和を噛み締めながら笑っているという設定で、

 ・・・笑ってみて下さい。」


・・・およそ20秒間くらい、
俺は言われるままに空想上のメリーゴーランドに乗って笑っていた。
随分と長く感じた。


「・・・はい、ありがとうございました。」

 「ありがとうございました。」


さあ、次のオーディション会場へ向かおう!


 ~~~~


次のオーディション会場はUSC(南カリフォルニア大学)だ。

現在の時刻は11時40分。
まだ少し時間があるので車のオイル交換をしてしまおう。


行きすがらMobilのサービスステーションがあったので、
そこでオイル交換を頼んだ。

半年以上交換して無かったのでエンジンオイルは真っ黒だった。


 ~~~~


さぁ、オイルも新しくなったので、張り切ってオーディションへ行こう!

現在の時刻は・・・12時20分。


・・・やべえええええええええええええっっ!!

このままでは遅れてしまう!

俺は「安全に」、「スムーズに」、「法定速度を守って」、
「急いで」運転すると南カリフォルニア大学へ向かった。


着いたのは・・・12時50分。
・・・何とか間に合った。

会場入りしてサインインすると、見慣れた顔に出会った。

映画「オンリー・ザ・ブレイブ」で同じく日系人兵士を演じた
デリック(ゴーストというあだ名)だった。

そこでオーディションを待つ間、デリックから衝撃の事実を聞いた。


デリック「ユウキ、どうして映画の試写会に来なかったんだい?」

ユウキ「え?試写会があったの?」

デリック「あったよ、この前。カートとユウキだけ見当たらなかったけど。」

ユウキ「・・・おかしいなぁ。」


試写会の事なんて、俺には一言も知らされて無かった。


ユウキ「・・・映画内で、俺のシーンまだあった?」

デリック「・・・いや、待てよ・・・、無かったかなぁ。確かカートも無かったよ。」

ユウキ「・・・げ、カット・・・されたのか。」

デリック「ユウキはデカ過ぎるから目立つし、
     カートは歳を食い過ぎてて目立つからじゃないかなぁ。」


・・・なんてこった。
「主要エキストラ」に選ばれたのに、映画ではカットされてしまった。

「デカ過ぎる俺」をキャストしたのは向こうなんだがなぁ・・・


ちょっとショックを受けたが、これは「良くある事」なので驚かない。
撮影に参加したのに完成版には登場しなかったという話は頻繁に聞く。

伝え聞いた話では、
ラストサムライに出演した脇役の日本人女性達のセリフは
「何らかの理由」で全てカットされたらしい。

・・・彼女達の気持ちを考えれば、俺のショックなど何でも無い。


俺は目の前にある台本に集中する事にした。


やがて名前が呼ばれ、俺はオーディション室内へと通された。

監督は若い男性だった。
たぶん南カリフォルニア大学の生徒だろう。

学生なのにお金を払って俳優を雇うなんて、頑張るなぁ・・・


さて、俺の演じる役だが、これまた俺の「デカさ」がネックになった。
「身長175センチ以下」と台本にしっかり書かれている。

一応頑張ったが、まぁ、駄目だろう。


気持ちを切り替えて、次のオーディションへ向かおう!


 ~~~~
 
 
次はロングビーチにあるCSU(カリフォルニア州立大学)だ。

車を南に走らせる事、約1時間。
巨大な大学キャンパスへと辿り着いた。


サインインを済ませると、監督が俺を呼んだ。
室内に居たのは「グレッグ」、「マット(1)」、「マット(2)」、「ローレン」の4人。

まずは俺が持参したデモテープを鑑賞した。


それから、監督と台本を読み始めた。

この台本は2部構成になっていて、
「現実世界」と「ファンタジー世界」に分かれている。

俺の役は「封筒の開封係」。
現実世界ではオフィスで働いている。

俺が台本を読んだ限りでは・・・、
ファンタジー世界で求められているのは、
「現実味の無いコメディ演技」では無いだろうか。


そう思った俺は、2つの全く異なる演技をする事にした。

現実世界では、「凄く自然で、40%くらいの演技」
ファンタジーは、「凄く不自然で、150%くらいの演技」

するとこれが大ウケ、大好評だった!

監督「そう!そうなんだよ!
    ファンタジーの世界ではアホみたいな演技をして欲しかったんだけど、
    誰もそれを理解してくれないんだ!
    みんな真面目にセリフを読んでしまう。でもそうじゃないんだ!」


監督も随分とご機嫌だ。

コールバック(2次選考)は2週間後らしい。
俺のコメディ魂は伝わっただろうか・・・?

投稿者 ユウキ : 23:29 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月28日  CM

秘密の会合

さて、今日はとあるCMの打ち合わせとリハーサルに参加する。

残念ながらこれは極秘のCM撮影なので、
プロジェクトの詳細をまだ書く事ができない。

言えるのは「日本でも良く知られたメーカー」のCMって事くらいか・・・

俺の演じる役は元々は脇役だったんだけど
主役を演じる人がドタキャンしてしまったので、
急遽、俺が彼の代わりに主役を演じる事になった。

撮影は来週の土・日・月を予定している。

プロダクション側の期待に添えるよう、頑張りたいと思う。

投稿者 ユウキ : 23:51 | コメント (2) | トラックバック

2005年08月29日  オーディション

マッスル!マッスル!

今日は日産のCMのオーディションだ。

俺が演じるのはサーファー。

サーファーねぇ・・・

1、2回ほどサーフィンはした事あるけど、
サーファーのファッションとなると分からない。

・・・こういう時のインターネット!

「サーファー」で検索して「典型的なサーファーの格好」を学んだ。


会場は、いかにもサーファーという感じの人で溢れていた。
みんな筋肉ムキムキだ。

俺は・・・ムキムキじゃないなぁ。

サインインしてポラロイド写真の撮影後、
3人一組でオーディション室内へと通された。


 「どうもこんにちわ。
  今から皆さんにはサーファーになって頂きます。
  まずは上半身裸になって下さい。」


言われるままに服を脱ぐ3人。

 「このパイプ椅子をサーフボードに見立てて、
  テーブルの上を、車内の収納スペースだと思ってそこに収納して下さい。
  それでは、始めましょう。」


・・・車にサーフボードが乗る・・・?

少し疑問に思ったが、多分そういう型の車なんだろう。

カメラに向かって名前を言った後、
キャスティング・ディレクターに言われた通り、
パイプ椅子をテーブルの上に「収納」した。


どんなに良い衣装を着ても、筋肉はごまかせない。
・・・少し鍛え直すとするか。

投稿者 ユウキ : 23:19 | コメント (0) | トラックバック

2005年08月31日  声のお仕事

いかがっすかー!

ロサンゼルスの日本語放送局UTBから急遽、声の仕事の依頼が入った。

H.I.S.のCMのナレーションを読んで欲しいとの事。

・・・やった!まだ見捨てられて無かった!


俺はスキップしたい気持ちを抑えながら収録スタジオへ向かった。

15秒のCMなので、ナレーションもかなり短い。
収録はリハーサルも含めて5テイクで終わった。

少しづつ、少しづつキャリアを積み上げていこう!

投稿者 ユウキ : 15:37 | コメント (2) | トラックバック

歌う謎の人

夜の8時半から「秘密のCM撮影」のリハーサルだ。

このプロジェクトは、「CM撮影の予行練習」の意味合いが強い。
とある会社の広報部が自分達の宣伝能力を会社側に
知って貰う為に製作するので、もしかしたら世に出ないかもしれない。

・・・でも、俺は頑張る。

会社側を唸らせてやる!笑わせてやる!


俺の役は、とりあえず「歌手」と言っておこうか。

とりあえず今問題なのは・・・
撮影開始まであと3日なのに肝心の歌が完成してない事か・・・

色々とドタバタがあって俺は主役になった。
その余波が歌の制作に影響しているらしい。

明日の夜に歌のミーティングをして、多分そこで覚える事になるだろう。

撮影に困難は付き物!これくらいで臆しはしない!

投稿者 ユウキ : 23:42 | コメント (3) | トラックバック

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