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2012年03月06日  テレビ

青き衣

先日出演した「とある新作テレビシリーズ」から
出演料が送られてきたので、宣言どおり、
税金とマネージャーに支払う「マネージング費」を除いた
俺の手取り全額を、「福島県災害対策本部」に送金した。



これで、とりあえずのケジメはついた。


・・・なぜ、ここまでしなきゃいけなかったのか。
それは実際の出演シーンを観れば、分かって貰えるハズだ。

さあ、次の仕事を探そう。

投稿者 ユウキ : 18:56 | コメント (2)

2012年03月08日  演技全般

小さな家

かの有名な「アクターズ・スタジオ」の
監督・脚本家部門が主催する「台本読み」に、
俳優の一人として参加する事になった。


 ・・・ええ、なんで!?どうして??


と、思いますよね。ええ、俺もそう思います。

・・・なんでも、俳優&監督である、
「トミー」直々の推薦らしいのだ。

彼はアクターズ・スタジオ「正会員」の俳優で、
アクターズ・スタジオ「出身」の俳優ではない。


 何が違うのかって?


・・・実は「アクターズ・スタジオ」には2種類あるんだ。


一つは「俳優養成所」としての「アクターズ・スタジオ」で、
もう一つは「プロ集団」としての「アクターズ・スタジオ」だ。


「アクターズ・スタジオにいました。」
 "I was in Actors Studio."
「アクターズ・スタジオで演技を勉強しました。」
 "I studied acting at Actors Studio."

という感じで、「過去形」を使ってアクターズ・スタジオ「出身」を
名乗っているのは、こちらの養成所の方で演技を勉強した俳優だ。

例のテレビ番組、「アクターズ・スタジオ・インタビュー」の
収録が行われているのも、こちらの養成所の方だ。


・・・一方「プロ集団」としての「アクターズ・スタジオ」は、
一度加入すると一生涯会員なので、こちらの所属俳優は、

「アクターズ・スタジオ生涯会員です。」
 "I'm a lifetime member at Actors Studio."

という風に「現在形」を使い、会員であると言う。


一度「正会員」になれば、スタジオの全ての勉強会に
無料で参加できるようになるけど、加入するには、
厳正なるオーディションがある。

現在のオーディションの待ち時間は・・・、約半年だそうな。


・・・では、話を「台本読み」に戻そう。


確かに、ご存知の通り、
俺は「スタジオ」にあまり良い印象を持っていない

・・・でも、実践経験豊富なスタジオ正会員と
舞台上で一緒に演技ができて、なおかつそれを、
一流の監督&脚本家に見てもらえるのは、
これは・・・、すんばらしい経験だ!!!

俺は未熟な俳優なので、このチャンスに、
しっかり勉強させて貰おうと思っている。


今日は初の読み合わせだ。
さあ、アクターズ・スタジオへと向かおう。

投稿者 ユウキ : 12:50 | コメント (3)

木のテーブル

「台本読み」の初リハーサルは、
アクターズ・スタジオ内の会議室で行われた。

「スタジオ」といっても、見た目は至って普通の一軒家だ。
会議室も、10人くらいしか入らない。


今回俺が演ずる役は、アメリカに亡命した
人権活動家でもある中国人作家。

この「台本読み」はあくまで、
スタジオ会員の前での「発表会」なので、
この役を日本人の俺が演じても問題ないけど、
これが実際の舞台だったら、大問題になってしまいそうだ。


他のキャストとの挨拶を済ませると、
それぞれ着席し、台本を最初から最後まで通して読んだ。


 「はい。今日のリハーサルはこれで終わりです。」


早っ!! え?・・・もう終わり!?


 「明日のリハは、午後6時からです。
  場所は、隣に建ってるスタジオの劇場です。
  遅れないようにね。」


・・・明日が本番前、最後のリハーサルだ。
みんなに置いて行かれないよう、頑張ろう。

投稿者 ユウキ : 23:47 | コメント (0)

2012年03月09日  演劇・ミュージカル

犬の遊び場

アクターズ・スタジオ主催の「台本読み」の、
最後のリハーサルは、スタジオに隣接された小劇場で行われた。


昨日のリハーサルでは、テーブルの周りに腰を下ろして
ただ台本を読んだだけだったけど、
今日は台本を手に持って、動きをつけながらリハーサルした。


・・・ひぃー、セリフのペースが速い!
ついて行くだけで精一杯だ。


月曜日はもう本番だ。
・・・とにかく、やれるだけやろう。

投稿者 ユウキ : 23:12 | コメント (0)

2012年03月12日  演劇・ミュージカル

ゆーりんもく

アクターズ・スタジオ主催の「台本読み」は、
ハリウッド中心部に位置する、とある小劇場で行われた。



「これから、アクターズ・スタジオ、
 監督・脚本家部門の勉強会を始めます。」


リハーサル通り、キャストはそれぞれの位置につくと、
台本を手に持ちながら、演技を始めた。

特に何の問題も起こらず、最後まで無事に読み終えると、
今日の勉強会の司会を務めるお二方が、舞台に上がった。

・・・二人とも、アカデミー賞受賞者だ。


「では皆さん、今日の脚本について、
 コメントをお願いします。」


・・・すると、観客席に座っていた他の監督&脚本家の
メンバーが、言いたい放題に論評を始めたではないか。


 「最初のシーンはいらないと思う。」

 「題材があちこちに飛びすぎてる」

 「コメディを書こうとして失敗してる。」

 「セリフで説明し過ぎている。」


ひゃー、辛口!


・・・しかし、ははあ、なるほど。

こういう風に、お互いがお互いを批評をしあって、
全体のクオリティを底上げするのか。

誰か一人の「先生」が指導するワケではないんだ。


・・・全てが終わると、100作品以上に出演している
「とある超ベテラン俳優」が、俺の元に歩み寄って来た。


 「君はこの前、ブリッジって舞台に出てたよね。」

 「ええ、出てました。」

 「やはりそうか。君の演技は『ブリッジ』の時と、
  今日と、2回見せて貰ったよ。
  君は・・・、ものすごくいい俳優だ。
  でも、時々どもって、セリフが聞き取れないから、
  発音を磨きなさい。もったいないよ。」

 「ありがとうございます。
  ブリッジの時も、『時々セリフが聞き取れない』
  と言われていました。頑張りたいと思います。」

 「うん、それと水曜日に、アクターズ・スタジオの
  俳優部門の勉強会があるから、見学に来なさい。」

 「え・・・?でも正会員でないと、入れないのでは?」

 「本当はそうだけど、私のゲストだと言えば、入れるから。」

 「ありがとうございます!」


・・・というワケで、特別に、
アクターズ・スタジオの勉強会を
見学させて貰える事になった。

何か、知らぬ間に、どんどんスタジオに
飲み込まれて行っている気が・・・

投稿者 ユウキ : 23:37 | コメント (1)

2012年03月14日  演劇・ミュージカル

すたんだーど

プロ俳優集団「アクターズ・スタジオ」の勉強会は、
この前参加した「台本読み」と、ほぼ同じ方式で行われた。

まず、小劇場を埋め尽くした会員の前でシーンを発表し、
その後、他のメンバーからの批評を聞く、という方式だ。


最初のシーンの発表が終わり、
今日の司会を務める方が前に進み出た。


・・・俺は、その方の「最初の一言」に、びっくり仰天した。


「俳優にはそれぞれ違った演技法があるから、
 演技の方法論についてはとやかく言いたくは無いんだけど、
 自分の役の『目的』は、ハッキリとさせた方がいいよ。」


・・・な、なんですとーーーーっ!!


この人、いきなり、

 「俳優にはそれぞれ違った演技法がある」

と、演技法の多様性を認めてしまったぞ!!


俺がアクターズ・スタジオに対して警戒感を持っていたのは、
これまで関わった正会員が・・・、

 ・・・そう、あのー・・・、

「ユニーク」な方々だったから、という、それだけではないのだ。

・・・俺は、アクターズ・スタジオが教えている、
「メソッド法」という演技法に、
どうしても同意できない部分があったからなのだ。

でもこの人の話を聞く限り、正会員は別にガチガチの
「メソッド法」で演技しなくても、大丈夫みたいじゃないか!

・・・こりゃあ驚いた!おでれーた!


 「ユウキ、この後に『発音』のクラスがあるんだが、
  それもついでに見学しておいで。」


ぜひぜひぜひぜひ!!!


発音のクラスでは、シェイクスピアを使って、
17世紀の「古典アメリカ発音」を勉強していた。

特に今日は、「ア」の音について、詳しく学ぶ事ができた。


・・・あまり興味が無い話かもしれないけど、
具体的には、こんな感じの事だ。


「 cat 」という単語の「 ア 」の音と、
「 can 」という単語 の「 ア 」の音は、

アメリカ英語の辞書を見ると、両方とも、
「a」と「e」がくっついたような発音記号で書かれている。



発音も、「ア」と「エ」をくっつけたような、少し潰れた音だ。

ところが、「現代アメリカ発音」では、
この二つの音は、実は微妙に違っているんだ!

「 cat 」の「ア」の音は口を比較的縦に開くのに対し、「 can 」の「ア」の音は口を横向きに引くため、更に潰れた音になる。これに対し「古典アメリカ発音」ではこの二つの単語は両方とも「 cat 」のアの音で・・・


・・・やぁーーーーーめたっ!!


とにかくッ、俺の大好きな題材だったのだッ!!


発音の先生であるジョンは、俺があまりに熱心に
話を聞いてるもんだから、嬉しくなったようで、
特別に、俺に発音のクラスを毎週見学する許可をくれた。


うぉおおおお!!嬉しい!!!
このクラス!おもしれーぞ!!

本来は、正会員でなければ絶対に受けられないクラスなので、
他の会員の邪魔をしないよう気をつけながら見学させて貰おう。


・・・ああ、楽しかった。

くそぉ、アクターズ・スタジオ、想像以上だった・・・。

投稿者 ユウキ : 22:07 | コメント (3)

2012年03月20日  オーディション★2

喜びの谷

とある、「新作コメディドラマ」のオーディションに呼ばれた。

俺が演じるのは、科学者の役だ。
・・・アジア人の役ではない。

セリフを覚え、衣装を揃え、
気合十分でオーディション室に入った。


 結果は・・・5点。


近年まれに見る、大失敗。

「次は、見下すようにセリフを言ってみて」

という演技指導を貰ったんだけど、
それを、ペラッペラの、表層だけの演技でやってしまった。


くっそぉおおおおおおおおお!!!悔しい!!

・・・この悔しさを、次に生かそう。


よーし、確実に落ちた!次行ってみよう!

投稿者 ユウキ : 23:39 | コメント (2)

2012年03月22日  オーディション★2

小石で塔を築け

今日、マネージャーの「マイク」と協議して、
とある「重大な決断」をした。


ユウキ「・・・マイク、
    役名の無い、チョイ役をやらせて欲しい。」


マイク「え?・・・でも、『チョイ役要員』として
    キャスティングに見られないよう、
    最低限『役名』がある役を狙うって、決めたじゃないか。」


ユウキ「確かに4年前、『8人目の侍』の時、そういう話をしたし、
    マイクの言う、『最低限役名が欲しい』という
    その理由も、よーーーく分かってる。

    ・・・だって現に、そのおかげで、俺は主役級の
    オーディションを、いくつも受ける事ができたしね。


    ・・・でも、思い出してみて欲しい。


    俺があれから受けた、『主役級のオーディション』で、
    セリフが英語の役は・・・、ほぼ全て、
    アジア系俳優に取られてしまっているんだ。」


マイク「・・・確かに。」


ユウキ「このままでは、差は広がる一方だ。

    アジア系俳優は、どんどん実力を付けて行っているのに、
    俺は、英語の演技の実践経験が全く積めていない。


    ・・・正直に言うよ。


     このままでは絶対に勝てない。


    これから先、主役級のオーディションがいくつ入ろうとも、
    セリフが英語である限り、俺はこれからも、
    アジア系俳優に負け続ける。


    ・・・俺には、実際にセットに立ち、
    極限の緊張感の中で英語で演技をする、
    その生の経験が必要なんだ。

    そして、その経験に裏打ちされた実力で役をもぎ取るしか、
    彼らに勝つ方法は無い。


    ・・・だから、役名の無いチョイ役を、やらせて欲しい。」


マイク「分かった。

    ・・・では、例えばこの『コック』の役に、
    応募していいんだね。」

ユウキ「うん。」

マイク「この、『店員』の役に応募していいんだね。」

ユウキ「ぜひ。」


マイク「うん、分かったよ。最大限、協力する。」

ユウキ「ありがとうマイク。
    二人でなんとか、道を切り開こう。」


・・・さあ、新たなる出発だ。なんでもかかって来い!!!

投稿者 ユウキ : 22:54 | コメント (6)

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