« 2005年10月12日 | メイン | 2005年10月14日 »

2005年10月13日  オーディション

ぐにゃぐにゃ人間のテーマ

エージェントのマイクから留守電が入っていた。

「ユウキ。オーディションだ。
 テレビシリーズの「モンク」で、
 君の演じる役は「太極拳の達人」だ。
 頑張ってくれ!」


・・・え、ちょっと、待って!
  太極拳なんて俺できませんよ!


・・・困ったな。どうしよう。

友人が太極拳を習っているので少しは教えて貰えるけど、
付け焼刃の武術で「本物の達人」に敵うわけが無い。


こうなったら・・・、「アレ」で行くか・・・


 ++++


オーディションは12時30分からだった。

ハリウッドにあるとあるテレビスタジオの中の一室。

5人のキャスティングの方々を前に、俺は覚悟を決めた。


 「では、君の太極拳を見せて下さい。」


・・・俺は胸の前で両手を合わせ、スッと一礼した。


それから・・・、両手を腰の後ろで組み、
組んだ手を外さないまま・・・、背中を通し・・・、頭の上を通し・・・、
顔の前を通して・・・胸の前での合掌のポーズまで持って来た。

2005-10-13-001.jpg

こんな感じだ・・・分かるかな。

俺は後ろで組んだ両手を、足の下を通さずに前に持って来る事ができるんだ。


・・・見た目がかなり気持ち悪いから滅多に見せないんだけど。


唖然とするキャスティングの方々。

「これは・・・凄いな」

俺は前に持って来た両手をまた頭の上を通して背中に戻すと、
もう一度胸の前で両手を合わせ、一礼した。


・・・当然これは「太極拳」では無い。
でも、下手な太極拳を見せるよりかはずっとインパクトがあったはずだ。

やっぱアジア人は「武術の達人」じゃないと役は貰えないのかなぁ。
どうにかしてその殻を破りたいんだけど・・・

投稿者 ユウキ : 14:23 | コメント (0) | トラックバック

徒労も明日の糧となるか

昨日間違えて行ってしまったオープンコール(公開オーディション)へ
気を取り直してもう一度行って来た。

・・・でも、こんな目に会うとは予想だにしていなかった。


確かに「オープンコール」はあった。

狭い室内にはロサンゼルス中から集まったアジア人俳優達が集結し、
凄い熱気で息が詰まりそうだった。

オープンコールの時間は4時から7時。
その間なら誰でも参加できる。

会場内に居たのは約50人。
それぞれ男女別に2人づつのペアになった。

俺と演技パートナーのナオコは11番目。
・・・まぁ、悪く無い方だ。


俳優達はオーディション室前に列を作って自分達の番を待った。


10分・・・

20分・・・

30分・・・経った。


・・・何かがおかしい。

会場に居た誰もが訝しく思い始めた。


・・・明らかにオーディションの進みが遅い。
  30分経ったのに・・・まだ2組しか終わっていない!

「一体どうなってんだ・・・」

列を成してる20組超の俳優達は痺れを切らし始める。

この調子では10組ちょっとで7時をオーバーしてしまうんじゃ・・・


・・・一人、また一人と俳優達は帰り出した。

彼等にもやるべき事がある。
一つのオーディションに2時間以上も費やすわけにもいかないんだろう。

俺はただ待った。ひたすら待った。


オーディション室内に招き入れられた時・・・時計は6時10分を指していた。

会場入りしてから2時間30分。
・・・流石に俺も疲れた。

キャスティングディレクターの支持に従い即興のシーンをやった。

でも・・・俺もナオコも疲れてて、どうも上手くネタが噛み合わない。

監督「はい、ありがとうー」


・・・これの為に2時間半。

車での移動時間を含めて「4時間」費やしたと思うと・・・少し悲しかった。

投稿者 ユウキ : 23:23 | コメント (0) | トラックバック

« 2005年10月12日 | メイン | 2005年10月14日 »