2011年01月10日  テレビ

三者三様

マネージャーの「マイク」から電話が入った。

 「ユウキ、今年初のオーディションだ!
  テレビのファミリーコメディで、
  一話だけに登場する、『ゲスト主役級』の役だ。
  頑張ってくれ!」

おおおお、オーディションが入ったぞ!
2011年初のオーディションだ!

・・・しかも、「ゲスト主役級」だそうな。
という事はつまり・・・、「編集でカットされない」という事だ!


こ、これは何としても取りたい。
全力で頑張ろう。


よし、まずは衣装を揃えねば!

今回の役は日本人のビジネスマンなので、
日本のファッション誌を参考にするとしよう。

・・・ふふふ、実は前回日本に帰国した時、空港の書店で
 「自分が逆立ちしても、絶対に買いそうに無い雑誌」
をあえて購入しよう、と思い付き、
買っておいたファッション誌が何冊かあるのだ。



・・・なになに、
袖丈はシャツが1CM見える長さがジャスト・・・、
ジャケットの着丈はヒップがギリギリ隠れる程度・・・、か。

よし。これをお手本にして、
仕立て屋さんに俺のスーツを仕立てて貰おう。


掛かった料金は・・・$50。

ぐ・・・、仕方が無い。
全ては「ゲスト主役級」のためだ。


うむ、これで衣装は揃った。
あとは・・・、「ジョーク」を決めれるかどうかが勝負だ。


『フルハウス』を始めとする「ファミリーコメディ」というジャンルは、
だいたい4行に一回ぐらいの割合で、ジョークが入っている。

ここで一番重要なのは、
「よい演技」ではなくて、「笑える演技」をする事だ。
ウケなければ、どんな名演技も役に立たない。

あらかじめ、このシリーズを視聴して、予習しておこう。


オーディション会場に着くと、
エントリーシートに名前を記入し、
待合室で自分の名前が呼ばれるのを待った。


 結果は・・・55点


ジョークの成功率は、約4割。

しかも、思いきり日本語のセリフで噛んだ。
でも、間違えたことを表情に出さないで、何とか乗りきった。


オーディションを終えて、昼飯を食べていると、
マネージャーの「マイク」から電話が掛かってきた。


 「ユウキ、今朝のオーディションのコールバック(2次選考)だ!
  時間は今日の午後5時。場所はテレビ局。
  頑張ってくれ!」


うおっしゃぁああ!!
2次選考に呼ばれたぞ!

俺は気合を入れ直すと、車に乗り込んだ。


2次選考の会場は、とあるテレビ局の一室だった。
俺はカメラの前の椅子に腰を下ろすと、シーンを始めた。


 結果は・・・、65点。


ジョークの成功率は、約6割。
一応それなりにウケたので、ほっとした。


自分としてはベストを尽くしたので、悔いは無い。
・・・さあ落ちた!次へ行こう!

今年はオーディションが増えるといいなぁ。

投稿者 ユウキ : 23:05 | コメント (1)

2010年10月15日  オーディション★2

セントラル物置

「とある大作映画」のオーディションが入った。

なんと・・・イギリスでオーディションだ!
こりゃぁ貴重な体験だぞ。


貰った台本のシーンをできる限り分析し、セリフを覚えた。

・・・準備期間は今夜のみ。やるだけやるしかない。


結果は・・・60%。 うん、できる限りの事はやった。


オーディションは、終わった瞬間から
落ちたと思わなければいけない。

もともと受かる可能性の方が低いのだ。
受かったと信じていつまでもぶら下がっているのは時間の無駄だ。

・・・さあ、落ちた!次行ってみよう!

投稿者 ユウキ : 23:33 | コメント (1)

2010年04月14日  オーディション★2

地に足をつけて

今日は、新作映画のオーディションだ!

セリフはバッチシ。衣装も揃えた。

・・・前回のオーディションから、はや一ヶ月。
本当に少ないチャンスを、何とかモノにしなければ。


オーディション会場の待合室に置いてあった、
エントリー用紙に書かれた名前は・・・殆どがアジア系アメリカ人だ。

今回のセリフは全て英語。
・・・厳しい戦いになりそうだ。


しばらく待った後で、待合室のドアが開き、
キャスティングディレクターが顔を出した。

「次は・・・、ユウキ。」


隣の部屋へと移動し、
キャスティングディレクターと、1対1でのオーディションが始まった。


結果は・・・60点。

やれる事は、全てやった。悔いは全く無い。
それでも点数が低いのは、
自分の英語力のつたなさを、痛いほど自覚しているからだ。

さあ、落ちた!次へ行こう!

投稿者 ユウキ : 23:42 | コメント (2)

2010年04月02日  オーディション★2

縁の下で舞踏会

「とある新作映画」の為に、オーディションテープを作成した。

台本を受け取ってから、5時間休まずに練習し、
マネージャーの「マイク」の家で、ビデオカメラで演技を撮影。
その後、それを編集してDVDに焼いた。

明日の朝一番で、速達でプロダクションに送る予定だ。


・・・さあ、どうにかなるかな? どうにかなるといいなあ!

投稿者 ユウキ : 23:43 | コメント (2)

2010年03月15日  オーディション★2

早送り

今年に入って、俺はまだ一度たりとも、
オーディションに呼ばれて無い。

・・・いつの間にやら、もう3月中旬だ。
ちょっと、いくら何でも、オーディション少なすぎるだろう!!


と、憤慨していたら、電話が鳴った。


「ユウキ、オーディションだ!
 テレビドラマで、レストランの従業員の役だ。
 時間は今日の午後5時。頑張ってくれ!」


おおおおおお!! オーディションが入った!!
2010年初のオーディションが入った!!

・・・今日の5時か。
準備に残された時間は・・・あと4時間。


よっしゃぁあ、やるぞ!!


大至急台本を覚え、衣装に着替えて、
オーディション会場へと向かった。


 結果は、・・・50点。


うん。決して悪くはない。
この調子で頑張れば、そのうち役が取れる気がする。

・・・オーディションさえ、あれば・・・ね

投稿者 ユウキ : 23:03 | コメント (2)

2009年12月02日  テレビ

黒・白・青・皮・石

とある新作テレビシリーズのプロダクションから
正式に出演オファーが入った。

よっしゃあああああああああ!!


・・・この役は、実に特殊だ。
俺がこれまでに演じた、どの役とも全く違う。

下手したら、一言も喋らないかもしれないけど、
インパクトは、大きい・・・と思う。

とにかく、俺はこの役を演じれるだけで、嬉しい。
日本人俳優の「新しい可能性」を感じる役なのだ。


・・・さあ、これからが本番だ。

撮影まで、もう2週間もない。
全身全霊を込めて、全力で準備に取り掛かろう。

投稿者 ユウキ : 23:47 | コメント (3)

2009年11月30日  テレビ

あられミックス

とある新作テレビシリーズに「二次資料」を提出するため、
21時間ぶっ通しで「とある事」を練習し、
それを編集して、1分30秒の「ファイル」を作成した。

つ・・・疲れた。

この「とある事」は、ただ練習するだけで、
かなりの騒音を発するので、
布団を頭から被って頑張った。

正直言ってかなりしんどかったけど、
それに見合うだけの物ができたように思う。

・・・さあ、プロダクションにこの「ファイル」を送ろう。
果たしてどうなるかな・・・。

投稿者 ユウキ : 11:12 | コメント (0)

2009年11月23日  オーディション★2

監獄音頭

先日オーディションに応募した「とあるテレビシリーズ」の
キャスティングから、連絡があった。

なんでも、俺の送った
「音楽ファイル」と「デモテープ」が、
製作側の方々に、大好評だったらしいのだ。


 「ユウキは、○月○日~○日まで、
  予定は空いてるかしら・・・?
  最有力候補として考えているのだけれど。」


おおおおおお、すげえ!!
・・・死ぬ気で「音楽ファイル」を作った甲斐があった。

これはもしかすると・・・もしかするのでは!?
期待しすぎない程度に期待して、続報を待とう。

投稿者 ユウキ : 23:39 | コメント (0)

2009年11月20日  オーディション★2

豆の木

今日は、とあるテレビシリーズのオーディションに行ってきた。

俺の役は・・・ジャパニーズマフィア、つまりはヤクザ。
セリフは3行、全て英語だ。

セリフを覚え、このテレビシリーズを何話かオンラインで視聴し、
番組の雰囲気を大体掴んだ。

よし、行くか!!


待合室に置いてあったエントリー名簿を見ると、
アジア系俳優と日本人が、大体半々で呼ばれていた。

オーディションルーム内には、デスクとソファが置いてあり、
キャスティングディレクターと、眼鏡をかけた男性がいた。

指示に従ってパイプ椅子に座り、
少し雑談をした後で、台本を2回通した。


出来は・・・50点。

リハーサルをし過ぎて、タイミングが単調になってしまった。

セリフの意味を心から理解していないと、
リハーサルでパターン化してしまい、自然なセリフ運びができなくなってしまう。

・・・俺はまだまだだな。

さあ、次に行こう!!

投稿者 ユウキ : 23:20 | コメント (0)

2009年11月18日  オーディション★2

もみあげ隊

新作テレビシリーズの、「とある役」のオーディションに応募した。

大きな役ではないけれど、
俺はどうしても・・・、「この役」が演じたいのだ。

・・・だって、「こんな役」は、滅多に来ない。

通常日本人に回ってくる役・・・、
サラリーマン、観光客、寿司職人、ヤクザ、空手家、忍者、侍、日本兵・・・、
とは、明らかに一線を隔している。

オーディションに呼ばれるといいなあ。

投稿者 ユウキ : 23:58 | コメント (0)

2009年11月12日  オーディション★2

乳水晶に願いを

今日は、子供向け番組のオーディションだ。

俺の演ずる役は・・・「イカサマ伝道師」。

日本人どころか、アジア人の役ですらない。
挑戦のし甲斐があるってもんよ!!


オーディション会場の待合室では、
15人ほどの俳優が、順番を待っていた。

俺以外の俳優は全て・・・中東系だ。

これは・・・、居心地が悪い。

だんだん、プレッシャーを感じて緊張してきた。
まずいぞ・・・。


結果は・・・、45点だった。

そこまで、悪くは無かった。

シーンの始めの方はまだ少しあがっていたけど、
途中から乗ってきて、緊張が吹っ飛んだ。


・・・俺は、まさにこういう風に、人種を超えて役を取るために
死ぬ気で英語を勉強しているんだ。
これからも、ガンガン行くぞおお!!

投稿者 ユウキ : 23:31 | コメント (0)

2009年10月29日  オーディション★2

ハナデカ

昨日に引き続き、今日もオーディションだ!
今日の役は、「は虫類学者」。

・・・日本人の役ではない。「アジア系アメリカ人」の役だ。

台本を見て、驚いた。
7ページのセリフの大半が、「生物学」の専門用語で占められている!


 「この動物は、動物界脊索動物門爬虫綱ワニ目アリゲーター科クロカイマン属の・・・」


・・・うおおおおお!!

正直言ってかなりキツイが、
今こそ「小学生の理科」で培ってきた知識を生かす時だ!


・・・ううむ、不思議だ。

生物学用語を完全に理解するのは骨が折れるけど、
不思議と、それらの専門用語が「怖く」は無い。

調べれば、きっと理解できる。 そんな気がする。

これは、勉強の成果だろうか・・・?

辞書を引くこと自体は、もう慣れているので、全く苦にならない。
俺は、これも一つの勉強だ、と割り切って、
どこまでも台本を「研究」していった。


オーディション会場には、アジア系アメリカ人の俳優が多数いた。

・・・いつもとは立場が逆だ。今回の俺はアウェイなんだ。


結果は、40点。


やはり、アジア系アメリカ人の役を演ずるには、
まだまだ英語力が足りない。
セリフを喋るのに一生懸命で、肝心の演技の方がおろそかになってしまった。

よし。これに懲りずに、どんどん英語の勉強を推し進めよう。

投稿者 ユウキ : 23:38 | コメント (2)

2009年10月28日  オーディション★2

鋼鉄の幸せ

今日は、子供向け番組のオーディションだ。
求められているのは、「日本人司会者」の役。

日本人司会者か。
一体、どんな役なんだろうか・・・?

オーデション用の台本を見て、ガックシ。
良くある、「誇張された日本のバラエティ司会者」の役で、
リアルさの欠片もない。

 「おーっと!それはNGワードだ!
  罰ゲームは・・・、エビ型ハットを被っての、腕立て伏せ!
  この『しょうゆ皿』に、ちゃんと毎回エビを浸してね!!」


・・・こ、これはヒドい。


でも、一応参加する事にした。

それは、こういうトンデモ系の役を日本人が取って、
現場で修正できれば、このハチャメチャな日本人像を
少しでもマシにできるのでは、と思ったからだ。


オーディション会場の待合室に居たのは、殆どがアジア系アメリカ人。
日本人は、数人しかいない。

・・・それもそのハズ。この役のセリフは全て英語。
プロダクション側は、日本人に拘る必要性がない。

むしろ、ステレオタイプのキャラなので、
リアリティに拘らない人の方が、都合がいいのだ。


結果は・・・30点。


・・・駄目だ。余計な事を考えすぎたせいで、
集中力が散漫になって、全くまとまりの無い演技になった。

この失敗を次に生かそう。

投稿者 ユウキ : 23:14 | コメント (0)

2009年09月14日  オーディション★2

沈殿分離

 「ユウキ、起きてくれ!オーディションだ!」

マネージャーの「マイク」からの電話で目が覚めた。

ふああ。。オーディションか。そりゃめでたい!


 「テレビドラマの脇役で、
  オーディションは、今日の5時。
  場所は・・・」


ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ。 今日の5時だって!? 
もう午後2時を過ぎてるぞ!
あと3時間しか無いじゃないか!!

まあ、こんな時間まで寝ていた俺も俺だが、
今日は朝まで勉強していたので、
布団に入ったのは、日が昇ってからだったんだ。


ヤバイ!起きなきゃ!!


俺は飛び起きると、
外のホースで行水して目を覚ました。

ぶるるるる。よし。起きた!!


それから、メールで送られて来た台本に目を通す。


・・・なるほど。
テレビ番組に出演中の、「ずる賢いギャンブラー」か。

俺は急いで、「テレビに出演しているプロギャンブラー」の
衣装の傾向を調べ、それを自分に当てはめてみた。



不快なツラだ。


・・・とにかく、衣装はこれで良し。
セリフも・・・、大丈夫。

よーし、行くか!!


結果は・・・50点。


自分なりに、やれるだけの事はやった。
さあ、次へ行こう!!

投稿者 ユウキ : 23:41 | コメント (8)

2009年09月11日  オーディション★2

おにぎり山を昇れ

とある映画のオーディションは、
とあるスタジオの、キャスティングオフィス内で行われた。

俺はもちろん、自作の「特殊な衣装」を着て参加した。


待合室で、タイミング良く出てきた監督の方にご挨拶をして、
俺はオーディション室内へと通された。

室内には、監督の他に、
キャスティングの方が二人いた。

俺は指示に従い、ビデオカメラに向かって、
自分の氏名と、演ずる役名を言った。


・・・それから「指揮者」の方と、台本の内容と、
その解釈について、10分間ほどお話した。

俺の視点や、自分の意気込みなども、
ざっくばらんに話した。

その間も、カメラはずっと回っていた。


・・・そして、最後に、
指定されたシーンを「一度だけ」演じた。


オーディション室を出ると、何ともすがすがしい気分になった。

俺は、やれる事は全てやった。全力でやった。
悔いは一切ない。


受かったか・・・? 残念ながら、それは分からない。
受かった人だけに連絡があるのが、オーディションなんだ。

だって、元々落ちるのが普通なんだ。
たとえ200人受けても、たった1人しか受からないのだから。


・・・さあ、落ちた! 次へ行こう!!前に進もう!!

投稿者 ユウキ : 22:48

2009年09月10日  オーディション★2

風のように

とある映画のオーディションに参加する事になった。

早速、メールで送られて来た台本に目を通す。


・・・こ、これは、非常に「特殊」な役だ。

ストーリーも特殊だが、俺の受ける役も特殊だ。
でも、この「コンセプト」は・・・、非常に面白い。
「流れ」を変える、大きな力を持っている。

・・・でも、この役を演ずるには、相当の「覚悟」が必要だ。
もしもキャストされたら、演ずるにあたって、
本当の意味で、「身を削る努力」が必要になる。

俺に、果たしてその覚悟があるだろうか・・・?
無ければ、オーディションを受ける意味がない。


大丈夫。やれる。


・・・よし。全力で準備に取り掛かろう!

俺は、セリフを覚え始めるのと同時に、
自分の役柄の「衣装」の研究に取り掛かった。

様々な「資料」に片っ端から目を通し、
参考になる写真を何枚もプリントアウトした。


・・・今回の衣装は、すごく「特殊」なものだ。
果たして見つかるだろうか。

俺は車に乗り込むと、その「特殊な衣装」を
置いていそうな「特殊なお店」へと車を走らせた。


俺 「すいません、これを探しているのですが・・・」


プリントアウトした「資料」を、お店の方に見せる。


店 「ああ、それね。職業柄、とても良く知っているわ。
    ・・・でも残念ね。それ自体は置いてないのよ。」

俺 「・・・そうですか。」

店 「・・・でも、形が似ている物なら、無い事もないわ。
    ほら、これとか・・・。」


お店の方は、慎重な手つきで商品を取り出すと、俺に見せた。


俺 「なるほど。・・・それはおいくらですか?」

店 「これは、プレミア付いてるから、$60よ。」

俺 「・・・そうですか。」


俺の反応を見ると、お店の方は、今度は別の商品を取り出した。


店 「こっちのも、何となく似ているわね。
    こっちの方が、お買い得よ。」

俺 「・・・それはおいくらですか?」

店 「これも、プレミア付いてるから、$50よ。」


全部高えええええ!!!

「特殊な衣装」だけあって、プレミアが付いてやがる。
しかも、俺の探している物と「形状」が全く違うじゃないか!

・・・仕方が無い。メインのパーツだけ買って、
あとは自分で作ろう。

とにかく今は、時間が無いのだ!!



このあと、夜の11時から、
マネージャーの「マイク」の所でリハーサルだ。

・・・全ては、オーディションのためだ。

俺は、限られた時間内で、自分にできる事を全力でやろう。

投稿者 ユウキ : 22:11

2009年04月30日  オーディション★2

タオルの中には

とある映画の二次選考に呼ばれた。

今回は監督の前でのオーディションなので、
油断せず、最善を尽くさなければならない!

台本を、もう一度分析し直し、更に理解を深め、
衣装と小道具の完成度を上げて、万全の準備を整えた。


・・・よし、行くか!


「完成度の上がった衣装」を着て、
キャスティングオフィス内のソファに腰を下ろし、
自分の順番が来るのを待っていると、
スタッフの方が、俺に歩み寄って来た。


 「あなたがユウキね。・・・実は台本に少し変更があるの。」


・・・な、なんんだってーーーーッ!!

ま、まさかオーディションの直前に、台本が変わるとは・・・
セリフの無い部分がカットされ、随分とコンパクトになった。


 「ユウキさん、どうぞ。」


オーディションは・・・、不思議なほど、上手く行った。

直前に変更された台本も、
とっさの判断で、なんとか対応する事ができた。


70点だ。


・・・よし。やるべき事は全てやった。
さあ、次に行こう!!

投稿者 ユウキ : 23:19 | コメント (2)

2009年04月04日  オーディション★2

横歩き

とある映画のオーディションテープを作成するため、
俺はさっそく準備に取り掛かった。


まずは「オーディション用の台本」を分析し、役を掴む。

・・・今回の役は、「プロスポーツ選手」か。
ジャンルは・・・、コメディーか。


「プロスポーツ」と聞いて、正直困ってしまった。
だって俺は、運動音痴なんだ。スポーツは苦手だ。

・・・でも、もしかしたら、この役は、
運動能力よりも「人格」の方が重要なのかもしれない。


 よし。とにかく自分にできるベストを尽くそう!

 ・・・急げ!時間が無いぞ!


車に飛び乗り、スポーツ用品店を巡って可能な限り衣装を揃えた。
・・・衣装代金、$75。 うううぅ。

自腹で帰国した事で、俺の所持金は既にマイナスに突入している。

一刻も早く、次の演技の仕事を見つけなければ・・・、ひゃっほう!


シーンで必要な「小道具」を自作し、
メイクを済ませ、ビデオカメラを設置した。


・・・よし、気合を入れるぞ!!


撮影が済むと、今度はそれをコンピューターに取り込み、
自分で編集してDVDに焼き、速達でキャスティングに送った。


やれる事は全てやった。 さあ、次に行こう!

投稿者 ユウキ : 23:27 | コメント (0)

2009年02月20日  演技全般

振り返るな。

先月オーディションを受けた、「人種の指定されていない役」の事で、
キャスティングディレクターより、マネージャーの「マイク」に連絡があった。


 「ユウキの演技は素晴らしかったわ。
  でも結局、監督があの役は『ユダヤ系』で行く事に決めたの。
  ごめんなさいね。」


・・・うーむ、残念。

でも、キャスティングディレクターは
気に入ってくれたみたいなので、これで良しとしよう。


やはり「全ての人種」が対象のオーディションは、ハードルが高い。
様々な要素が絡んで来る。

例えば、今回の役は「金融関係」で、舞台が「ニューヨーク」だったので、
「ユダヤ系」が選ばれたのは、ある意味必然だ。


・・・俺は、「日本人」だ。

これからの、俺の「立ち位置」はどこになるんだろう?
果たして、俺の居場所はあるんだろうか?

死ぬ気で英語を勉強し、自らチャンスを広げて行かなければ、
きっとこれから一生「日本語を喋る日本人男性」として

「サラリーマン」、「ヤクザ」、「寿司職人」、「日本兵」、「空手家」、「忍者」、「侍」

をやらされ続けるだろう。・・・冗談じゃない!


俺が演じたいのは、
アメリカ人が想像する、「典型的な、寡黙、能面、仏頂面の日本人」でも、
日本人が期待する、「理想化された、容姿端麗、品行方正な日本人」でも無い。

アメリカ人であっても、日本人であっても、
同じように心を通わす事のできる、
世界に唯一の存在である、「一人の日本人」だ。

俺達は、みんなそれぞれ違うはずなんだ。

・・・でも、そこに向かうのに必要な演技力と英語力を、
俺はまだ持っていない。・・・情けない話だ。


さあ、浮かれるのはもう終わりだ。

勘違いするな、「おまけ」の分際で自分が「スター」にでもなったつもりか。
前が見えなくて不安だからって、逃げて思い出に浸るな。情けない。


胸を張り、正面を見据え、また死ぬ気で英語を勉強しよう。

投稿者 ユウキ : 23:38 | コメント (3)

2009年01月23日  オーディション★2

りんごの木

とあるキャスティングディレクターから、
マネージャーの「マイク」に電話があり、
俺にオーディションを受けてほしい役がある事を告げられた。

・・・よっしゃあ!

送られて来た台本を読んでみると、
その役は、「人種」が指定されていなかった。

という事は・・・、全ての俳優が相手だ!


今回指定された形式は、「ビデオ・オーディション」だったので、
俺はシーンを最大限分析し、「衣装」と「小道具」を揃え、
マネージャーの「マイク」の家で撮影した。

・・・よし。さい先いいぞ!

今年は良い年になる気がする。頑張ろう。

投稿者 ユウキ : 23:35 | コメント (0)

2008年12月05日  テレビ

ウォッキー

このまえ二次選考に参加した「新作テレビシリーズ」に、
俺が「日本人研究員」の役でキャストされた。

 よっしゃあああああっ!!!


 ・・・ふぅ、危なかった。

残金は$400を切ってた。
これでまたしばらくは持ちそうだ。


テレビなので、撮影はもう来週だ。

・・・時間が無い。
大至急リサーチを始めて、
しっかりと役作りをして、撮影に臨みたいと思う。


よし、本気で行くぞ!

投稿者 ユウキ : 23:40 | コメント (4)

2008年11月24日  テレビ

カステラには牛乳

先週の月曜日に参加した、
「新作テレビシリーズ」の、二次オーディションに呼ばれた。

 ・・・よし。さい先いいぞ!


さすが二次選考だけあって、
オーディション室内には、関係者が6名もいた。

みんな気が張ってる様子はなく、
フレンドリーで、和気あいあいとしていた。


俺のセリフは2行だけなので、
オーディション自体は1分もかからなかった。

出来は・・・50点。まあまあだ。
一次オーディションの方が良かったように思う。


よし、次に向け、また気合を入れよう。

投稿者 ユウキ : 23:06 | コメント (0)

2008年11月20日  オーディション★2

けっぱろう!

ハリウッドのベテラン日本人キャスティングディレクター、
「高田ゆみ」さんの主催するオーディションに参加した。

全編日本語の「短編映画」で、撮影はニューヨークだそうだ。

・・・ニューヨークか。懐かしいなあ。

監督は大学で4年間日本語を専攻したらしく、日本語ペラペラだ。
それに、わざわざニューヨークから来てるだけあって、もの凄い気合だ。

オーディションは、一人約30分という、濃い内容だった。


しっかりと衣装を揃え、セリフを覚え、
小道具も作り、気合を入れて参加したんだけど、
途中で頭に血が上って、「宮崎弁」になった。

・・・主人公は青森人だから、せめて「津軽弁」じゃないとね。


よし、次も頑張ろう!

投稿者 ユウキ : 23:31 | コメント (0)

2008年11月17日  テレビ

バジャバジャ

今日は、「新作テレビシリーズ」のオーディションに参加した。

俺が演じたのは、「日本人研究員」の役だ。


まずは「研究員」について調べ、学習し、
セリフを英語から日本語に翻訳し、それを完璧に覚え、
台本に書かれてある通り、白衣を身にまとった。

・・・それから、「自作のでたらめ名札」を付け、
「なんちゃってPHS」を首からぶら下げて・・・



・・・よっしゃ、これで完璧だ!


 さあ、オーディションに行こう!
 今度こそは役を取る!!


オーディション会場には、
「ヘッドショット(顔写真)による一次審査」をパスした
日本人の俳優仲間達が何人か待機していた。


お互いに、ベストを尽くして頑張ろう。


結果は、60点だった。

・・・うん。悪く無い。
やるだけの事はやった。

よーし、落ちた! さあ、次行ってみよう!

投稿者 ユウキ : 23:02 | コメント (2)

2008年11月07日  オーディション★2

兄弟姉妹

今日は、テレビシリーズのオーディションだ。

俺の役は、政治家へのインタビューを担当する、「政治部記者」。
そして今回も、日本人の役ではない。

セリフは・・・、大体こんな感じだ。

「公約の実現には上院与党の民主党との協議が不可欠ですが、
 現状に対する不安はありますか?」


 ひー


・・・と、とりあえず、セリフを覚え、
政治部記者のインタビューを研究し、
「マイク」と「記者証」を自作した。



「マイク」は料理用の「巨大スポイト」に布を被せたものだ。


そして、肝心のオーディションは・・・
うん、まあ、駄目だった。 20点だ。

よーし、次は頑張るぞ!

投稿者 ユウキ : 23:39 | コメント (2)

2008年10月06日  オーディション★2

宇宙の門

今日は、新SFテレビシリーズのオーディションに参加した。
俺が演ずる役は、主役級の科学者の役だ。


 ・・・科学者か。
 医学をかじった事が、少しは役に立つかな?


この役は、本来は白人の役なので、日本人の俺は不利だ。
それプラス、専門用語を連発する科学者の役だから・・・
冷静に見ても、かなりキツイな。


・・・とにかく、自分のベストを尽くすのみだ!


セリフを完璧に覚え、衣装を揃え、
意識を集中してオーディション会場に入った。

会場内には、俺の他に白人の青年達が数人いた。
みんな、俺と同じ役でオーディションに参加してるんだ。


狭いオーディション室の中で、
キャスティング側の2人を前に、俺はシーンを演じた。

出来は・・・、30点だ。

よし、次行こう!

投稿者 ユウキ : 23:36 | コメント (0)

2008年09月03日  オーディション★2

乾いた果実

今日は、インターネット向けの、コント番組のオーディションに参加した。
俺が演ずる役は、「アジア系ニュースキャスター」。

・・・ニュースキャスターか。難しそうだ。
今の俺の英語力で、果たして可能なんだろうか。

 不安だ。

しかも、さらに悪い事に、オーディション用の台本は、
オーディション会場でしか手に入らないそうだ。

 ・・・はあ。

とりあえず、ニュース番組を片っ端から視聴し、
ニュースキャスターの読み方を、可能な範囲で研究した。


・・・でも、たったこれだけの努力で、
日本人の俺が、他のアジア系俳優に英語の演技で勝てるだろうか?

んな馬鹿なッ!! そんなに甘くない。
やはり、一刻も早くオーディション用の台本を手に入れなければ・・・


++++


俺は自分のオーディション時間の1時間前に会場入りした。
もちろん、できるだけ早く台本を手に入れるためだ。

会場でオーディション用の台本を受け取り、
一度自分の車に戻って、そこで練習する。


 うわっ、5枚もある。

 ・・・えーっと、なんだこの単語は、「arid」?
 アリッド?エアリッド?・・・意味も分からない。

 よし・・・。さっそく辞書で調べよう。

 って、アレ・・・?


 ・・・うわああああああっ、辞書がない!!!


致命的なミスだ。まさか辞書を忘れるとは・・・。
でも、もう逃げられない。やるしかない。

とりあえず、文脈とスペルから
「arid」はおそらく、「スカスカ」だろう、と当たりをつけ、
知ってるフリを押し通す事にした。


結果は・・・、20点。 酷いもんだ。

セリフも詰まったし、
ニュースキャスターっぽさも出せなかった。

くっそおおお、悔しい!!
この悔しさをバネに、また勉強しよう。

投稿者 ユウキ : 23:47 | コメント (0)

2008年06月13日  オーディション★2

ノイズに注意

久しぶりに「コメディのテレビシリーズ」のオーディションに行って来た。

最近はオーディションが殆ど無いからキツい。
数少ないチャンスを物にすべく、全力を尽くさねば。


今回俺が演じたのは、「人の排泄物が好きな青年」だ。


 ・・・・・・。


・・・内容は過激ではあるが、コメディとして面白いのであれば全く問題無い。
人種を限定していない役のオーディションなので、ある意味チャンスだ!


オーディションルームで、俺はキャスティングディレクターを前に
大真面目で「その青年」を演じた。
キャスティングディレクターの指示を聞きながら、3パターンも演じた。

でも、残念ながら3パターン目の演技で失敗し、
不満の残るオーディションとなった。

さあ、次のオーディションに備えるべく、本気で英語を勉強するぞ!!

投稿者 ユウキ : 23:40 | コメント (0)

2008年05月21日  オーディション★2

天使は空に舞う

新作テレビシリーズのオーディションに行ってきた。

今回俺が演じたのは、主役級の「スペイン系の若者」だ。


・・・なんで日本人の俺が「スペイン系の若者」役のオーディションに
行く事になったかというと、
「人種はスペイン系に限らない」という注意書きがあったからだ。

だからと言って、日本人をキャストするとは思えないんだけど・・・


俺は今回のオーディションに限っては「かなり」消極的だった。


・・・だって俺は今、撮影中じゃないか!


確かに「タクシー運転手」のセリフは2行だ。
傍から見れば「楽勝」なのかもしれない。
でも俺はこの限られた時間全てを「タクシー運転手」の役作りに使いたいんだ。

オーディションの準備に使う余力は無い!!2行をナメたらいけない!!


「セリフを完全に覚えなくてもいいから。
 台本を手に持ったままでもいいから。
 とりあえず行くだけ行ってみてくれないかな。
 キャスティングディレクターが、ユウキを見てみたいそうなんだ。
 だって、スペイン系の役に日本人の君を呼んでるんだぞ?
 この役はテレビシリーズの主役級だぞ?
 滅多に無い事じゃないか。」


「・・・分かった。そこまで言うなら、とりあえず行くだけ行ってみるよ。
 でも、結果は期待しないでね。」


というわけで、6時間だけこのオーディションの準備に使う事にした。


6時間の間、俺は全力で取り組んだ。
17個のセリフを頭に叩き込んだ。

・・・でも、やっぱり上手く行かなかった。
寝不足で集中力が持続せず、本番で3回もセリフを間違えた。


くそ。悔しい。これが撮影中でなければ・・・。


・・・さあ、タクシー運転手だけに集中し、全力で取り組もう!

投稿者 ユウキ : 23:40 | コメント (3)